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部屋とスクリーン/プロジェクターの関係 |
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プロジェクターの投射(焦点)距離によってスクリーンとプロジェクターの距離が決まります。プロジェクターからスクリーンの距離と、スクリーンをセッティング(設置)する部屋の天井の高さ及び幅から、セッティング(設置)可能な最大スクリーンサイズが計算出来ます。
一般的な6畳で最大100インチのスクリーンがセッティング(設置)可能ですが、標準的なズームレンズ搭載のプロジェクターの場合は80インチが最大となります。 スクリーンサイズと視聴距離の関係も無視出来ません。画面の横幅の1.5倍以上の視聴距離がないと近すぎて視角を越えてしまうので、目を忙しく動かす事となり、大変疲れやすくなってしまいます。8畳までの部屋の場合では基本的に80インチが最も適切となります。 |
スクリーン構造による選択 |
スクリーンの構造は大きく分けて5種類。
画質はスクリーン生地で決まるので構造は関係ありませんが、セッティング(設置)方法が大きく変わるので事前に決めておく必要があります。 構造によって価格も大幅に違うので予算との相談も必要です。 |
壁掛けタイプ![]() |
最も軽量設計で取り扱いしやすいエントリータイプ。壁や天井のフックに引っ掛けてセットしたり、カーテンレールを利用したり、三脚スタンドに吊り下げたりとフレキシブルなセッティング性と価格の安さが魅力、使用後は巻き取ってケースに収納する。 |
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フラットタイプ![]() | フレームで囲われていてスクリーンの隅々まで完全なフラット化が実現出来る画質的には最も理想的なスクリーン。壁面に固定して使用するタイプが多いが、最近では簡単に折り畳みが出来、収納可能なモデルも発売されている。 | 床置きタイプ![]() | 床に置いてスクリーンを引き上げるだけ。ワンタッチセッティングが可能。軽量タイプは移動も簡単なので必要なときだけ持ってきてセッティング(設置)する事が可能。セッティング(設置)工事も必要なく最も扱いやすい。高級モデルはガス・スプリングが付いており引き上げも楽々。 |
スプリングローラー![]() | 手動操作で、スプリングなどを使ってスクリーンがケースに巻き取られるようになったもので、必要の無いときは巻き上げてしまえば生活の邪魔にならないし、スクリーン面の汚れも防止出来る。最新モデルは巻き取りも大変スムーズ。音も小さく、高級感を増している。 |
電動タイプ![]() | 最もステイタス性の高いタイプ。リモコンでスクリーンをコントロールするイージーオペレーションが可能。ワイヤレスとワイヤードの2種類がある。最近ではローコストを実現したモデルも多く人気が高い。友人知人に自慢するなら電動が一番! |
スクリーン生地による選択 |
最近のプロジェクターは輝度が高いため、スクリーンで明るさ(ゲイン)を稼ぐ(補う)という発想はなくなり、ゲインの低いマット系に人気が集中しています。以前は単に安いだけであったマット系も開発が進み、より高画質を目指して開発された高品位モデルが発売されて注目されています。
ビーズ系も以前はゲイン補正のために利用されていましたが、現在はゲインを抑えたモデルが多くなり特性を利用してリビンクなどのセッティング(設置)を想定した外光に強いスクリーンとして生まれ変わっています(スクリーンゲイン、以前:2.5以上→現在:1.5前後)。 |
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マット系![]() | 入射光を全ての方向へ均等に拡散するため、どのポジションからも均一の映像を見ることが出来るオールマイティーなスクリーン。 メリット:表面のマット処理により、しっとりとした滑らかな自然な映像が特徴(最もフィルムらしい画質なので映画鑑賞には最適である)。視聴ポジションの制限がないため家族全員での視聴が可能。 デメリット:外光(迷光)があると、同じく拡散・反射してしまい、映像と重なり合ってコントラストの低下を招く。基本的には迷光をコントロールしたシアター環境での使用となる。 | ||
グレイマット系![]() |
マット系の最大の弱点である迷光に対して対策を施した生地。グレイカラーの特殊コーティングにより迷光の影響を軽減し、コントラストの維持と広い視聴エリアの確保を両立させた欲張り生地。 メリット:リビングセッティング(設置)のシアターなど迷光の影響を受けやすい環境でもマット系の自然な映像が再現出来る。基本特性はマット系と変わらないので広い視聴エリアや色再現性の良さはそのまま維持されている。 デメリット:グレイ系のコーティングにより、通常のマット系より多少ゲインが低くなる。 | ||
ビーズ系![]() | 表面層に超微粒子のガラスビーズを塗布した素材。光を入射角方向に反射する特性。比較的明るい部屋での視聴が可能。 メリット:「回帰特性」に優れていることから、外光(迷光)の影響を受けにくい。ビーズの種類で特性は変わるが最近ではゲインを稼ぐ為ではなく「明るくダイナミックな画質」のために採用されている。 デメリット:表面層のビーズが自ら発光しているような輝き方をするので、特有のギラッとする感じは明るすぎると感じる場合がある。ゲイン値の低いモデル(1.6以下)は特に問題がない。 | ||
グレイビーズ系![]() |
リビングセッティング(設置)のシアターで問題となる迷光に最も強い生地として開発された素材。ビーズは独自の「回帰特性」で、ある程度迷光を反射してくれるが、やはり迷光があると黒の締まりが悪くなるのは仕方がない。 メリット:「回帰特性」の強いビーズにより正面付近の画像は鮮明・鮮烈で、メリハリのある画質が好みの方には最適。 デメリット:「回帰特性」が強いため視聴エリアが限定されてしまう。 | ||
パール系![]() |
真珠のような表面処理を生地に施した素材。特性は鏡と同じで入射角度と対象方向にある程度拡散を抑えながら反射する。 メリット:天井から投射するセッティング(設置)をした場合、視聴位置で明るさを得やすくメリハリのある表現をする。3管プロジェクターで高い評価を受けていた素材。 デメリット:プロジェクターの明るさが低かった時代には重宝したが現在の高輝度プロジェクターでは明るすぎて白飛び気味となる場合がある、シワに弱いので取扱に注意が必要。 | ||
サウンド系![]() |
映画館に使用されているスクリーンと同じ構造・表面に直径0.数ミリの穴が不規則に多数開いていて、後にセッティング(設置)したスピーカーのサウンドをスクリーンを通して聴くことが出来る。 メリット:セッティング(設置)性が高い。スピーカーの前にセッティング(設置)出来るので限られた制限の中で最大サイズのスクリーンをセッティング(設置)出来る。センタースピーカーをスクリーン中央にセッティング(設置)出来るので台詞が正確に定位する。 デメリット:サウンドホールと呼ばれる穴に光が通り抜けてしまい画質の点では不利となりやすい、多少後が透けて見えるので後の壁が明るい色の場合や反射物(金属・ガラスなど)は気になる場合があり。 |
映像のアスペクト(縦横)比について |
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スクリーン選びには必要ありませんがご参考まで!
市販されているスクリーンは(4:3)か(16:9)の2種類ですが、映像ソースはには様々なアスペクト比がある事をご存じですか? 映画DVDソフトに収録されているアスペクトも制作者側の意向で決定されていて、スタンダードなNTSCから、シネスコと言った超ワイド画面まであります。当然これからはハイビジョン放送のワイド(ハイビジョン)が標準とお考えください。 |
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プロジェクターセッティング(設置)大作戦 |
事前にセッティング(設置)場所を考える |
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プロジェクターをセッティング(設置)するには、まずはスクリーンが張れるだけの平面(壁)が必要、後から光が入ると如実に画質が悪くなるので、セッティング(設置)する面選びも大切となる。セッティング(設置)可能な壁の上下左右の大きさを測って、「スクリーンの選び方」の表に照らしてセッティング(設置)可能なスクリーンの大きさを調べよう、同時にどんなタイプのスクリーンにするかも決める必要がある。
次にセッティング(設置)予定のプロジェクターのカタログから、 その大きさに対する投写(焦点)距離を割り出して、その位置にプロジェクター本体が置けるかどうかを調べる、最近のプロジェクターはシフト機能を搭載しているモデルが多いのでセッティング(設置)の自由度が広がっているのはありがたい。だいたい、スクリーン面の対角内にレンズがあれば大丈夫な機種が多い。 小さな部屋にぎりぎりのサイズでプロジェクターを押し込むと、家具などが邪魔になるケースもあるのでシミュレーションは特に慎重に。ただし光の進む場所は三角形なので、あまり神経質になる必要もない。プロジェクターより前の位置で見る場合は、人間の頭がスクリーンにかぶらないかは注意する必要がある、椅子に座って見る場合は椅子の高さも考慮に入れて計算が必要。 |
スクリーンをセッティング(設置)する |
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最もセッティングが簡単なのは、フラットスクリーン(左上写真)や壁掛けスクリーンを選んだ場合。基本的に「置くだけ」「引っかけるだけ」となるので場所の確保さえ出来れば特に問題となる事は無い。画材のフックやカーテンレールなどを利用してもセッティング可能。
床置タイプも施工がいらず、置いて引き上げるだけの簡単セッティングで大変便利で人気がある!! 電動スクリーンやスプリングローラーの巻き上げ式のスクリーンの場合は、最近では取付金具の改良で取付が簡単になっているし、軽量化が進んでいるので以前ほど神経質に取り付ける必要はないが、地震などで落下しないようにしっかり固定するようにしよう。 柱や梁などには木ネジで、コンクリートにはアンカーボルトで固定するのが一般的施工だが、賃貸でネジを使用出来ない場合は、スチールシェルフ(左下写真)や専用ポール(右写真)に取り付ける簡単な方法もある。 (幼いお子様がいる家庭では特に事故の無い様に慎重に取り付けしましょう) |
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プロジェクター本体をセッティング(設置)する |
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卓置きセッティング(設置)プロジェクター本体のセッティング(設置)で、手軽で簡単なのは卓置きセッティング(設置)。しっかりしたテーブルや専用台などに、プロジェクターをぽんと置くだけ。プロジェクターのレンズシフトやキーストン調整機能を使えば、ソファーサイドに置く事も可能でお手軽なセッティングと言える。置き台をキャスター付きの物にすれば、必要な時だけ引っ張り出して来て映写するという運用もできる。(ソース機器からの長いケーブルが必要な場合があるので事前に長さを測って用意が必要、ワイヤレスで映像が飛ばせる機種もある) ホームセンターや家具屋さんなどでぴったりの置き台を探してくるのも楽しいだろう。 |
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棚置き部屋の関係で、プロジェクターを視聴位置より後にセッティング(設置)する場合は自分の頭がスクリーンに映り込まないように棚や家具などを利用してプロジェクターを高めの位置にセッティング(設置)する必要がある。この場合もレンズシフトやキーストン機能が活躍してくれる。液晶等のデバイスは熱に弱いので棚の中に入れる場合は熱がこもらないようなセッティング(設置)が必要となる(特に放熱口が後の機種は注意!) |
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天吊り究極のセッティング(設置)は天吊りで、 これだと見ないときも邪魔にならず収納の手間も必要ない。液晶のプロジェクターは取付金具を合わせても重量的には10kgほどなので少し大きめの照明と大して変わらない。天井がしっかりとした構造であれば木ネジやアンカーボルトで強固な固定が可能。同時に電源とケーブル類の配線も必要なのでお忘れ無く。セッティング(設置)はそれなりに大がかりになるので自信のない場合は専門の施工業者に依頼した方が無難。新築やリフォームの時には是非実現しよう。 |
●プロジェクターのキーストン調整(台形補正)はデジタルの画像加工をするので画質的には不利になる(角度が大きくなるほど不利)。
●レンズシフト調整は光学的な調整となるので画質の劣化はごく僅かで積極的に利用出来る優れた機能である。 |
オーディオをセッティング(設置)する |
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メインスピーカースクリーンの両側にセットするのが一般的、シアター用として販売しているのはトールボーイ型が多く、スリムで背が高いのでスタンドが必要なくセットも楽。 もちろん、ハイファイ用のスピーカーでもセッティング(設置)スペースの問題がなければ全く問題なく使用可能。(サウンドスクリーンを選んだ場合はどこにセッティング(設置)しても大丈夫)センタースピーカー視聴する人に向けて角度を付けてスクリーンの下へ置くのが一般的。 台詞のほとんどはこのスピーカーから発声されるのでシアタースピーカーの中でも特に大切なスピーカーと言える。勿論メインスピーカーと同時に頻繁に鳴るので音色を合わせないと違和感が出る。同じメーカー、シリーズで合わせるのが基本となる。リア(サラウンド)スピーカー天吊りにするなど、 耳よりも高めの位置にセッティング(設置)するのがセッティングの基本。5.1chシステムの場合はリアに2本、6.1chシステムの場合はリアセンターを追加、7.1chシステムはリアとサイドに各2本、現在最高では9.1chまでのサラウンド方式があるスーパーウーファー爆発音などの重低音を担当、非日常を演出するためには大切なアイテム。特に最近のSFX映画の鑑賞では制作側でもサウンドの要として録音されている。他のスピーカーに対して少し贅沢な位でちょうど良い。 |
遮光する(部屋を暗くする) |
「深夜の鑑賞は絶好調なんだけど、昼間はスクリーンに日が差して見られたもんじゃない・・・」 雨戸がある場合であれば閉めれば遮光できるが、そうでない場合は遮光カーテンなどを用意しよう。 遮光カーテンはホームセンターのカーテン売り場などで売っている厚地のカーテン。裏地が真っ黒のタイプが強力で、直射日光が当たっても光をしっかり遮ってくれる。
最近では現在使っているカーテンの裏面に後付け出来るサブ遮光カーテンも販売している。一般家庭用の遮光カーテンには1級〜3級のランクがあり数字が少ない方が遮光率が高い製品なので購入時には必ずチェックしよう。 |
いかがでしたでしょうか。テレビよりは若干セッティング(設置)に手間がかかるプロジェクターですが、導入した場合の満足感はなかなかのもの。最初はDVD一体型などの手軽なモデルから入って、徐々にスクリーンやオーディオを強化していくといった楽しみ方もできるのがプロジェクターを使ったホームシアターの醍醐味です。ぜひ、大きなスクリーンを手に入れて、非日常の世界をどっぷりと楽しんでみて下さい。
2016.8.1 oga.
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END | ![]() |
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