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音場工房 ~おすすめスピーカーケーブル特集
スピーカーケーブルの種類について

数多く発売されているスピーカーケーブルですが、大きく分類すると素材と構造で分類出来ます。
素材の種類:銅線(OFC)、銀線が主に使用されていますが、同じ線材でも純度や製造方法の違いによって全く違う素材となっています。また、最近ではそれぞれの特徴を生かすため素材を混合(ハイブリット)して使用しているケーブルも多く見られます。
構造による種類:スピーカーケーブルの構造は大きく分けて3種類です「平行型」「ツイスト型」「スターカッド型」に分類出来ます。
それ以外の要素でも各メーカーから様々な独自の提案があり、外皮膜(シース)や絶縁体の素材、位相管理のための特殊構造などにより、サウンドがコントロールされています。

導体素材による違いについて

TPC
(タフピッチ銅)
いちばん多く使われている一般的な銅線。純度99.5%程度。安価なケーブルの導体はほとんどこの素材。信号伝送の抵抗となる結晶粒界が150,000/1mほどある
OFC
(無酸素銅)
TPCに混入している酸素等の不純物を除去した素材、99.995%の高純度銅。すこし高級なケーブルによく使用。 TPCよりも解像度が高く切れのよい音質傾向
Hi-OFC
(ハイクラスOFC)
格子欠陥と呼ばれる組成の乱れを減らして電子の流れをスムーズにしたOFC。より低ひずみで、ナチュラルに澄んだ音質が特徴
LC-OFC
(線形結晶無酸素銅)
OFCの結晶を線方向に大きくなるように製造されたもの。1mあたりの結晶数は20個程度で抵抗が少ない。立ち上がりが鋭く、ダイナミックな音質傾向
PC-OCC
(単結晶状高純度無酸素銅)
結晶粒界を理論上ゼロにした画期的素材。純度も99.996%。量感豊かで、いちだんと解像度が優れている
6N-OFC,7N-OFC
(超高純度無酸素銅)
Nは純度の高さを表す9の数を表す。6Nなら99.9999%。不純物を徹底的に排除して銅の純度を追求したOFC素材。最高では8Nまで実用化されている(純度が高くなると柔らかくなるので8Nが限界と言われている)。現在の高級ケーブルのほとんどに使われている素材。より落ち着きのある暖かい音質傾向
Ag
(銀線)
導体として理想と言われる銀を使用。最近では4NAgも開発され、昔のような高域キャラクターも無く、より理想的な素材として高級ケーブルに採用されている
ハイブリッド導体
以上のような様々な素材を組み合わせて使用しているケーブル。それぞれの長所を生かしたり、キャラクターを生かした複合導体。配合バランスにより様々なケーブルが製造可能。基本的にはバランスがよくワイドレンジとなる傾向がある。
構造による違いについて

スピーカーケーブルのほとんどは、導体が複数本の撚り線になっています(単線などの例外もあり)
音楽信号と一言で言っても周波数帯域によって信号が通る道も違います、低域は導体全体を流れますが、高域になるほど導体の表面を流れようとします。 つまり、同じ断面積の場合は細い線を集めた製品ほど高域が流れやすくなる訳!ケーブル全体も柔軟で扱易いケーブルにしやすいことも利点。 反面、柔らかい撚り線は振動に弱く、より厳密な振動対策が必要!ただし、最終的な音質は構造以外の要素も多く関係するため一概には言えない所がオーディオの面白さでもあり、難しさでもあります
標準的な構造にとらわれない高度な理論を駆使したハイエンドケーブルもあります
並行型もっとも一般的な構造で安価な製品はほとんどがこの構造を採用している。構造が簡単で量産しやすい。導体の太さや本数、撚りの強さ、外部絶縁体(シース)素材で自在に音質コントロールが可能。
音質傾向としては、明るく元気のよい、華やかな傾向が一般的。
ツイスト
(対撚り)型
対角線の導体が相互に影響しあう力を撚り合わせる事によって中和し、高域特性を安定させることができる優れた構造。外来ノイズに対しても、安定度が高く、中級モデルからハイエンドモデルまで最も多く採用されている。音質傾向は、平行型よりも落ち着いていて比較的マイルドな音質となる。
スターガット
(4芯)型
対角線方向の一対をそれぞれ並列に接続して使用する方式。プラス・マイナス相互の力の中和作用がツイスト型よりもより強くなる。4本の導体を使うことで外径に対して導体断面積が多く使える。また、1本の線でバイワイヤリング接続として一対を高域と低域に分けて使用することも可能。音質傾向は基本的には低域がスケール感が優れ、重心の低い安定した音になる。
その他音質に関わる事について

絶縁体(シース)
絶縁体(シース)の大切な役割は、電気的な絶縁と、振動の抑制の2つがあります。
単なるショートを防止するために導体の周りに被膜があるわけではありません。シースの素材1つでも音質へ与える影響は大きいのです。
振動について
ケーブルは信号が流れると必ず振動しています、外来振動(主にスピーカーの振動)のみならず電気的な法則により周波数と信号の大きさにより常に振動にさらされています。
シースはそれらの振動を抑えるために様々な工夫がされていてケーブルの音質劣化を防止するために重要な役割を担っています。
波長の低い振動には固い締め付けと重さが、 高い波長の振動に対してはゴムなどの弾力材が有効とされています。最近では様々な素材を何層にも複合したり、素材を混合させて、より広い振動波長に対応させているシースを使っている高度なケーブルが多く見られます。
絶縁体について
導体間の絶縁は絶対条件ですが、絶縁方法や絶縁素材によって少なからず音質への影響があります。素材として一般的なシースはPVCですが、カーボンやチタンと言った新素材を混合した特殊な材料を採用したり、 テフロン等の高価な素材を駆使して音の良い絶縁を達成している。また、構造的に導体間に空気層を設けて「空気は理想の絶縁体と言われる」いる製品もあります。
その他にも、素材を吟味し、外来ノイズに対するシールドも兼ねる事にも役立たせている製品もあります
スピーカーケーブルの注意点1

基本中の基本?左右チャンネルの長さを等しく揃える
左右の長さを揃えるのは常識です。セッティングによっては片チャンネルのケーブルが大きく余ってしまう場合があると思いますが、その場合は決してトグロを巻かないようにして、素直に延ばして余りの分をゆったりとUターンさせるのが正解!丸めてしまうとそこにコイルのような効果が発生してしまい音質に影響を与えてしまう。
多少の長さの違いは分からないとの説もあり、確かにそうとも言えるが、様々な要素が下手に相乗作用することも考えられるので、安心のためにもやはり長さを揃えた方が良いでしょう。
ケーブル(導体)の方向性を左右チャンネルで揃える
導体には製造工程で方向性が発生しています(信号の流れ方が前後で違う)。モデル(あるいはメーカー)によって表示方法は様々ですが、親切なメーカーは「矢印」や「AMP→SP」といった何らかの表示があります。それらが記入されていない場合や、切り売りで自作する場合は、ケーブルのシースに必ず書かれている「型番」や「メーカー名」などが印刷されているので、その文字の並びと信号の流れが同じになるようにすれば基本的には間違いがないので覚えておこう。
他のケーブルと並行に添わさない
他のケーブルと並行に隣接した設置をすると相互干渉が発生し音質に悪影響が発生してしまいます。特に強い電磁波を発生する電源ケーブルとは必ず離した設置が望ましい!・・・とは言っても実際に完璧に分離した配線は出来ないのでなるべく離す(最低でも10cm以上)事が出来るように工夫をして配線しよう!!また、垂直にクロスする配線は影響が少ないので配線前にシュミレーションをして購入するのが賢明。
スピーカーケーブルの注意点2

ケーブルはなるべく短くする
スピーカーケーブルに限らず全てのケーブルに言える事。必要以上の長さは当然抵抗値も高くなるし、他のケーブルや機器との干渉を発生させやすくなってしまう。
ただし、いくら短い方が良いとは言っても、ケーブルが引っ張られるような長さはXで、逆に振動を誘発しやすくなったりするので、ケーブルに優しい長さ(機器から床にかけてゆったりとした放物線を描ける程度が理想的)で導体や皮膜にストレスがかからないようにしよう。
つぶしたり重い物を乗せたりしない
ケーブルのシースが変形してしまっているほど無理な力が加わると、電気特性にダメージを与え、信号も歪んでしまう。最近ケーブルインシュレーターが発売されて高い評価を受けているが、それらは重さで強引に押さえ込んでいるのではなく、防振素材を適正な圧力で密着させているだけ!!ブロックや鉛インゴット等の重量物で強引に押さえるのは逆効果となる事が多いので注意しよう。
長いケーブルほど高価な物が必要?
機器の設置や部屋のレイアウトによっては大変長いケーブルが必要となってしまうケースがあります。その場合、予算を考えると単価の安いケーブルにしたくなりますが全長が長いと言うことは同じケーブルでも抵抗値が比例して大きくなると言う事!特に壁の埋め込みをする場合は妥協してしまいがちのようですが、せっかくのお気に入りの機器はフルに生かしてあげたいですよね。やはりレイアウトを工夫してなるべくケーブルが短く出来るように配置するのが理想的!!