[ 2025年 4月 1日付 ]
ハイエンドオーディオのichinoseです。
今回は、ファインオーディオ(FYNE AUDIO)から、エントリーモデルながらファインオーディオが誇る数々のテクノロジーが凝縮され、価格以上の実力を誇るスピーカー『 F-500S 』が発売されましたのでご紹介いたします。
◆ファインオーディオについて
ファインオーディオの発祥の地は、エディンバラの西、グラスゴーにほど近いスコットランド中南部ラナークシャ―地域に位置するストラスクリードビジネスバーク。
8年前の2017年春に創業のまだまだ新しい新進スピーカーメーカーですが、その主要スタッフは、元TANNOY社エンジニアリング・ディレクターとして辣腕を揮ってきた "Dr.ポール・ミルズ" 氏を始め、全員が長年ハイエンドオーディオ業界に深く携わってきた経験豊かなスタッフが集まっている技術集団ブランドなんです。
ブランド名の「FYNE」は、スコットランドの美しい湖「Loch Fyne(ファイン湖)」に由来しています。
近辺は、カキ(蠣)を始めとするシーフードの数々、熟成のスコッチウィスキーなど美味豊かな食文化と、時計や車など精緻な工業技術文化を誇る、大自然に恵まれた風光明媚なエリアです。
高性能スピーカーの枠をさらに広げ、ハイエンドからエントリーレベルまで、それぞれ他には求め得ない最高クラスのパフォーマンスを発揮する、付加価値の高い独創的な製品創りをしている注目のブランドです。
ファインオーディオで目指している音は「あくまで自然な音」で、伝統的なTANNOYとは全く異なるオリジナルなサウンドです。
※ファインオーディオの3大テクノロジー
・広い指向特性の同軸ユニット「IsoFlare(アイソフレアー)」
・底面バスレフポート「BassTrax(ベース・トラックス)」
・固有周波数共振を低減する「FyneFlute(ファインフルート)」
◆ファインオーディオ『 F-500S 』について
ファインオーディオのデビュー作で、2017年に発売された「F500」は、ブックシェルフのコンパクトな筐体ながら、あふれ出るリッチなサウンドで世界を驚かせ、大ヒットを記録しました。
それから約8年、「F500」はファインオーディオが誇る三大テクノロジーのさらなる改良と、ドライバーのリファインを経て、この度の『 F-500S 』に進化し、再びその真価を世に問います。
「F500」からの主な改善点
・新しい非対称リブ、ウェーブガイド設計により放射特性の改善。
・「Comsol」ソフトウェアによるマルチ物理特性の至適化。
・よりスムーズな周波数特性の実現。
・マグネシウムドームコンプレッションHFドライバー(F500はチタン)。
・「Presence」スイッチ(3ポジション)の追加。
・「BassTrax」技術の改善。垂直方向の空気の流れを誘導するリブを備えた遮るもののない低域開口部。
◆リファインされた「IsoFlare」ドライバー搭載
「IsoFlare」は、同軸型スピーカーの利点である優れた位相特性を生かしながら、従来の常識を超えるワイドな指向特性を実現した、ファインオーディオの誇るポイントソース・ドライバーシステムです。
コンプレッション・トゥイーターのホーン開口曲面とウーファー・コーンの曲面を複合解析し、高域エネルギーが広角で拡散する絶妙なカーブを導き出すことによって、一般的に高域の鋭い指向性が起きやすい同軸構成の欠点を根底から解消しています。
ユニット構成は、1インチ・コンプレッション・トゥイーターと6インチLFドライバーの2ウェイ構成。
・高域ユニット
1インチ・コンプレッション・トゥイーターには、大幅な改良が施され、さらなる音質向上を実現しています。
ネオジムHF磁石とマグネシウムダイアフラムを組み合わせて、30kHzを超える高周波性能を拡張し、非常にクリアな高音域を実現。
・新ウェーブガイドデザイン
ホーン開口部に、流体力学の最先端解析技術「Comsol」を駆使したコンピューター解析によって設計されたアシンメトリック・リブを配置。
長いリブと短いリブを交互に配した構造によって、高域の拡散特性がさらに広角化すると同時に、よりスムーズな周波数レスポンスを実現。
・マグネシウム・ダイヤフラム
コンプレッション・トゥイーターのダイヤフラムには、上位シリーズと同じプレミアムマグネシウム製のドーム型を採用。
高域固有共振を可聴帯域外の30kHz以上に、そして低域共振をクロスオーバー周波数の遥か下方に追いやり、中低域とのつながりが極めて自然な、滑らかに伸びきった極めてナチュラルな高域特性を実現。
・中低域ユニット「LF DRIVER」
6インチのLFドライバーは、マルチファイバーペーパー・コーンによるダイヤフラムに、特殊な溝加工を施した「FyneFlute」エッジを組み合わせたファインオーディオ独自の構成とし、エッジに起因する固有共振を効果的に抑制。
高剛性アルミニウムダイキャスト製のシャーシーフレームの採用ともあいまって、不要な振動を排除したクリアで精緻なトランジェントを実現。
◆新設計の「BassTrax」バスレフポート搭載
キャビネット下側四隅の開口部は「BassTrax」(ベース・トラックス)の低域放射エリアです。
「BassTrax」は、ファインオーディオの特許技術。下向きに取り付けられたバスレフポートの真下に「Tractrix」プロファイルと呼ばれる亜円錐状のディフューザーを取り付け、ポートから発した超低音を水平360度に放射する革新的な方式です。
このディフューザーを分厚い台座にマウントし、開口部はキャビネットと一体化させることで、安定性を高め、その威力をさらに強力なものとしています。
下向きに発射されるポートのエネルギーを滑らかな360度の波面に変換することで、どんな部屋にも無理なく満たす豊かでコントロールされた低音を提供します。
この巧妙なデザインは、スピーカーの配置による影響を最小限に抑え、どこに座っても一貫した没入感のあるサウンドを保証します。
音響的に困難な空間でも「BassTrax」システムは明瞭さと深みを維持し、従来の移植設計でよく引き起こされる泥臭やブームを回避します。
その結果、タイトで明瞭な低周波数が中域とシームレスにブレンドされ、真にバランスの取れたリスニング体験が実現します。
◆新技術「プレゼンスコントロール」を装備
クロスオーバー回路に新装備された「プレゼンスコントロール」は、全帯域に対する中音域(2.5kH~5kHz)のレベルバランスを制御し、音の張り出し感を微妙に調節する機能です。
設定値は[標準][+][-]の3段階。アンプの音質や部屋の響きの違いなどによって、リアパネルのスナップスイッチで簡単に適宜設定変更を行うことが可能です。
◆突板仕上げ「ウォールナット」「ブラックオーク」、美しい光沢仕上げの「ピアノブラック」の3色
キャビネットは、美学と性能を完璧に融合させて作られています。
高剛性MDFで作られ、優れた剛性を実現したこれらのエンクロージャーは、不要な振動を最小限に抑え、高度な「IsoFlare」ドライバーが最適なサウンドの明瞭さを提供します。
内部ブレースは構造の完全性を高め、共振と色付けを減らして、より純粋なオーディオ体験を実現。
堅牢なコンストラクションで箱鳴りを抑え、クリーンで重厚な響きを実現。
外装フィニッシュは、豪華なリアルウッドベニヤ突板仕上げによるナチュラル・ウォールナット、ブラックオーク、そして美しい豪華な光沢塗装のピアノグロス・ブラックの3種類を発売。
細部に配慮したディテールにより、すっきりとした洗練されたデザインを達成しています。
◆担当者より
ファインオーディオは2017年創業の新進スピーカーメーカーですが、その主要スタッフは元TANNOY社の精鋭達で、全員が長年ハイエンドオーディオ業界に深く携わってきており、豊富な創造的スキルや技術力を持ったスピーカー製作のための技術集団で信頼が出来ますね。
ファインオーディオで目指した音は「自然な音」で、TANNOYの派生ブランドというイメージを持たれたくなかったといいます。
全モデルに同軸ユニットが搭載されておりますが、「TANNOYのようでTANNOYでない」独自のサウンドを構築したといえるのではないでしょうか。
そのサウンドはバランス感覚が素晴らしく、高い解像度を誇りながらも、温もり感やしっとり感も伝わってきます。
本当に音造りが旨いと感じさせてくれますし、お買い得な価格のモデルでも手を抜くことなく、しっかりと作り込まれています。
前モデルの「F-500」の発売から、数多くの上位モデルが発売されており、そのノウハウを継承して『 F-500S 』は大幅なグレイドアップを達成しているとのなので、入荷が楽しみです。
ファインオーディオのサウンドは屈託が無く明るく健康的なところが最大の魅力です。
「力強く弾力性を感じさせる低音」「聴き疲れしないしなやかさ」「抜けの良い開放的」、全帯域にわたって音色感やスピード感に統一感があり、綺麗に整っている点は見事。
コンプレッション・ドライバーならではのエネルギー感と模写力が備わっています。
また、明瞭な音像の表現力は、同軸ユニットならではの点音源再生の成せる技でしょう。
スピーカーに癖がないため、アンプを選ぶ傾向もありませんし、あまり高い駆動力も要求しない、鳴らしやすさも魅力といえます。
まるで、長い歴史を感じさせる老舗ブランドを彷彿とさせる高い信頼性と高い完成度を誇る製品として、おすすめいたします。