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音場工房

[ 2025年 8月 12日付 ]



中電より、3種類のSP専用カートリッジ「MG36SP」シリーズ新発売!

ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、中電のSPレコード専用カートリッジ「MG36SP」に、チップの太さの異なる3種類が追加されましたので、ご紹介いたします。



◆発売されたのは、チップの太さの異なる3種類


チップの太さ:2.5mil


チップの太さ:3.5mil


チップの太さ:4.0mil

既存の3.0milと合わせて、なんとSPレコード専用カートリッジを合計4種類発売した事になります! SPレコード用のカートリッジは中電以外からも沢山発売されていますが、何種類も発売したのは、中電が初めてでは無いでしょうか!!


◆「再生するSPレコードに合わせて使い分けてください!!」との事です!!

SPレコードは日本では1963年に生産は終了しています! つまり最も新しいSP盤でも既に60年以上経過しています。

SP盤の主原料は「シェラック」で、カーボンや酸化アルミニウム・硫酸バリウムの粉末を樹脂(シェラック)で固めた混合物です。

現在生産されているLP盤と比べると堅くて柔軟性が無いため、再生すると音溝は削られてしまい、LPほどの復元力はありません。

音溝が削られると次第に溝が太くなって行き、SP専用カートリッジでもトレースが難しくなってきます。複数のSP盤をコレクションされている方の中には再生を諦めてしまった盤をお持ちの方もいるのでは無いでしょうか!!

標準のチップが3.0milとして、3.5milや4.0milの太いチップであれば、まだ再生出来る可能性があるんです。
※もちろん限界はありますので予めご了承ください!!


◆なぜ何種類も太さの違うカートリッジが必要なのか!!

最新のMCカートリッジでもチップは何種類もありますよね! 丸針、楕円針、シバタ針等々多くの針先が開発されていますが、高級な針先ほどチップが極小になっている傾向になっているのはご存じだと思います。

実はSPレコードもチップが小さい方が音が良くなる可能性があるのはLPレコードと同じだそうです。

つまり、盤の状態が良ければ小さなチップの針先の方が音が良い!と言う事に・・・。劣化した盤でもなるべく小さなチップで再生した方が良いと言う事で、中電では合計4種類の針先を用意しています。

再生回数の少ない良好なSP盤には→→2.5mil
標準的な状態の盤には→→→→→→→3.0mil
少し劣化している盤には→→→→→→3.5mil
劣化が激しい盤には→→→→→→→→4.0mil

もしかするとノイズの多さや、音飛びが発生するために再生を諦めた盤でも、まだまだ再生出来る可能性があります。
※もちろん限界はありますので予めご了承ください!!


◆交換針も同時発売されますので、ボディが1個あれば後は交換針を揃えるだけで対応出来ます。


「CN-36SP2.5」チップの太さ:2.5mil


「CN-36SP3.5」チップの太さ:3.5mil


「CN-36SP4.0」チップの太さ:4.0mil


◆SP盤とLP盤の特徴と違い

※SP=天然樹脂・シュラック製、78回転
※LP=合成樹脂・塩化ビニール製、33 1/3回転

シェラック製のSPレコード盤は、1887年に世界初の円盤型蓄音機「グラモフォン」用のレコード盤として登場し蓄音機時代の標準フォーマットとして普及していました。1950年代後半にレコードの主流がビニール盤LPレコード盤に移行したことで、1963年に製造が終了しています。


シェラックはガラスのようにもろい材質だったため、レコード盤に乗せるだけでも慎重さが求められる繊細なものでした。

摩耗しやすく、梱包や運搬が難しいことから、中古市場でもあまり流通が無いため、あまりお目にかかれず、希少なレコードとしてコレクターズアイテムとなっています。

SP盤の再生には78回転対応のプレーヤーとSP専用のカートリッジが必要なため、現代の一般的なレコードプレーヤーとは異なる再生環境が求められます。


LPの材質・塩化ビニールは 回転数は33 1/3回転で、SPの78回転から比べると半分以下の速度で回っていることになりますが、柔らかくしなやかで、丈夫で薄く、耐久性も向上したため、より細かい溝の中に精密な音楽信号を収録でき、ノイズも激減し、再生できる周波数特性も大きく改善し、記録メディアとして最高峰と言われるまでに成長しました。

SP盤は蓄音機などではよく使われていた鉄針によるアコースティック再生が可能な太い音溝でカッティングされていたのに対し、LP盤はダイヤモンド針などを使って電気再生に特化したことにより繊細なカッティングが可能になった事が大きな要因と言われています。

収録できる時間は、30cmのSP盤が片面5分弱程度だったのに対し、LP盤は約15〜30分の収録が可能です。SP盤の時代は、歌謡曲や浪曲などは25cm盤が主流でした(片面約3分程度で、丁度1曲を収録するのに最適だったため)

※余談ですが・・LP盤の合成樹脂・塩化ビニールの素材は元々は透明なんです。あの漆黒の黒はカーボンを加えて加工されている為です。たまに発売されているカラーレコード(透明、黄色、赤等々)は顔料により着色されたモノで音質的には基本的に変わりません。


◆SP/LPの名前の由来

※SP=「STANDARD PLAY(スタンダードプレイ)」の略
※LP=「LONG PLAY(ロングプレイ)」の略

LPレコードが登場するまではレコード盤と言えば全てSP盤を指していました。1949年にLP盤が登場した事により、長時間の収録が可能という意味で「LONG PLAY(LP盤)」と名付けられ、それまでのレコードを改めて「STANDARD PLAY(SP盤)」と呼ぶ事になりました。


◆SP盤のクリーニングについて

LP盤用の「アルコール系の液体」は絶対禁物です。LP用のアルコール系のスプレーを噴射してしまうと一瞬で白く曇ってしまい再生不可能となりますので御注意ください。SP盤の原材料シェラックは有機溶剤には強いですが、溶解性があるためアルコールには非常に弱いです。

確実なクリーニングとしては、SP専用として発売されているクリーナーをお使いください。


レイカ「BW-78-MS」AB液セット


レイカ「VISCO78U」SP盤専用クロス

※「水洗い」や「水の激落ちくん」などを試す場合はネット等で良く研究されてから自己責任でお試しください。
※SP盤のレーベルは水分に弱く濡れるとシワや色落ちが激しいのでご注意ください。


◆担当者より

通常のSP用カートリッジの針先は3.0milが標準的となっていると思われます。中電「MG-36SP3」、オーディオテクニカ「AT-VM670xSP」製は3.0mil、オルトフォン「2M-78」は65μm(2.56mil)が発売されています。

SPレコード盤は耐久性がLPレコード盤ほど高くないため寿命が短いと言われています。確かに、鉄針(蓄音機)は針圧が150〜200gととても高く、毎回針交換しても100回ほど再生すると盤の溝が削れてしまい再生出来ない状態になります。

しかし、現在発売されているSP用カートリッジは電気再生なので針圧も6〜10gと軽いため、盤の消耗は大幅に軽減されます。

劣化したSP盤は溝が削れて太くなっているケースが多く、通常のSP専用カートリッジでもスクラッチノイズが大きくなって試聴には限界があります。そんな盤に対して、チップの太いカートリッジであれば、まだ再生が出来る可能性があります。

そこで今回ご紹介したカートリッジ(交換針)が救世主となるかもしれません。
※もちろん限界はありますので予めご了承ください!!

ご紹介の4機種は全てカートリッジ重量や針圧は共通なので付け替えるだけでプレーヤーの調整は不要です。チップが太いカートリッジほど重心が低く重厚なサウンドになります。

チップが細いカートリッジは繊細さがあり情報量が有利となります。音質の好みで付け替えて楽しむのもアリだと思いますよ!!

3milを標準として
盤状態が良好であれば、2.5milを使ってみてみると情報量や解像度が高く新たに気がつく再現性などがあります。

盤状態が悪くなるとスクラッチノイズが目立ってくるので3.5milに交換するとまだまだ使える可能性があります。3.5milでもノイズが消えない場合は最終手段として4.0milを試す価値があります。


SP盤は二度と手に入らない盤も多く貴重な財産ですので大切に使って行きたいですね。 SP盤愛好家の方は数少なくなっていると思いますが、何種類ものカートリッジを開発、発売してくれる中電さんの心意気には感謝です!!

※試聴しました
フォノイコライザー・MMポジション・RIAA-EQ・負荷抵抗:47KΩ・容量:200pF
試聴に使ったSPレコード・・・
残念ながらあまり程度の良いSP盤は用意できませんでしたので、スクラッチノイズはかなり大きかったですが、久しぶりに聞いたSPレコードは懐かしく、なかなか味のある音色で、約70年も前に製作されたレコード盤が再生出来る事に感動しました。
25cm・78回転・3mil溝カット盤で片面1曲で忙しく楽しませてもらいました!!


※大きく削れて盤面が白っぽくなっている盤はカートリッジを痛めるので再生は出来ません。
※SP専用カートリッジではLP再生は出来ません、LPの盤面を傷めてしまいますので絶対に使用しないでください。

※針圧が6〜10g(標準8g)必要です、カートリッジ自重が5.8gと軽量のため、取り付けるシェルが軽量の場合は適正針圧がかけられない場合があります・・・
針圧8g−自重5.8g=「2.2g」を、お使いのプレーヤーの適合カートリッジ質量(シェル込み)にプラス=対応可能シェル重量!!
18g以上のシェルであれば一般的なプレーヤーでお使い頂けると思います。






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