[ 2025年 9月 30日付 ]
ハイエンドオーディオのichinoseです。
今回は先週に続いて、フェーズメーション(Phasemation)から発売された新製品を取り上げます。
フェーズメーションからは初のライントランス単体で発売された「LT-1000」の活用方法などをご紹介します。
■ フェーズメーションの得意とするトランス技術を活かして開発されました。
フェーズメーションの20余年に亘る軌跡を振り返ると、それはトランス技術を得意とするオーディオブランドといっても過言ではありません。
これまで多くのトランスに関係した製品を開発して発売しています。
フェーズメーションの目指すサウンドは音楽のピュアな再現につきますが、一方でリスナーにとっての使いやすさも重要な要素となっています。
様々なシーンでの使用に活用できる製品です!!
◆プリ・パワー間において、より高音質なレベル設定(VOLUME設定)を可能にします。
◆ライン間において余計な高・低域ノイズをカットし、"聴きやすさ" を得られます。
◆XLR端子しかない機器とRCAピン端子しかない機器の接続が可能になります。
◆2系統のパワーアンプに同時出力が可能です。XLR(バランス)+RCA(アンバランス)同時出力可能。
こういった環境に対応するのがフェーズメーションの新しいライントランス「LT-1000」です。
使用環境において、その使い勝手を改善するだけではなく、音質向上も考慮したフェーズメーションのトランス技術のノウハウが搭載されています。
■ バランス・アンバランス入出力対応
入力出力とも各々1系統のバランス(XLR)、アンバランス(RCAピン)を装備。
XLR端子にはノイトリック社製、RCAピン端子は金メッキ端子を採用した高音質設計です。
■ +6dBの増幅ゲインも搭載した、細かい設定が可能な高視認性ゲイン切替スイッチ
ゲイン切替は、+6dB,0dB,-6dB,-12dB,∞ の5段階で選択可能で、リスナーが一番使いやすいポジションで使うことが出来ます。
また、急な電話や来客に対応するためMUTEモードも装備。
ノブの形状も切替やすさだけではなく、選択中のポジションがわかりやすいノブを採用。
■ スーパーマロイコアと配材には、PC-Triple Cを使用した音質重視設計トランス
心臓部であるトランスには、コア材には定評のあるスーパーマロイの特注品0.1mm厚を、そして線材にはトランス巻線用に特注した現在最も評価の高い線材である「PC-Triple C」を採用。
■ ピュアな音楽信号を伝送する筐体構造
コンパクトなボディですが、トランスを収納しているだけではなく、漏洩磁束を抑えるためにシールド板を設置。
不要な振動を抑制するために、トランスはダンピング・ラバーによるフローティング構造を採用。
■ コネクタと接点スイッチには金メッキ部品を採用し、鮮度の高い再生を実現
回路長を可能な限り短く設計するだけではなく、ゲイン切替には金メッキ接点のロータリースイッチをを採用し、鮮度の高いサウンドを実現。
■ 高いセパレーションを実現するトランスレイアウト
整然とレイアウトされたトランスは、ほぼモノ構成に近い形で配置されています。
結果100dBという高いチャンネルセパレーションを実現し、クリアな音場再生に寄与しています。
■ LT-1000 仕様
・入力インピーダンス:47kΩ/1kHz
・チャンネルセパレーション:100dB以上
・周波数特性:10〜20kHz (±2dB)
・入力端子:XLR(バランス)x1, RCA(アンバランス)x1
・出力端子:XLR(バランス)x1, RCA(アンバランス)x1
・外形寸法:174(W)x93(H)x191(D)mm
・重量:2.1kg
■ 担当者より
フェーズメーションといえば、MCカートリッジが特に有名で、お使いの方も多いのではないでしょうか。
また、高級なフォノイコライザーやMC昇圧トランスも人気となっているブランドですね。
そんなフェーズメーションからちょっと変わった製品「ライントランス」が発売されました。
内部構造を見ると、同時発売された昇圧トランスの「T-600」と良く似てますが、設計初期段階から平行して同時に開発が進められていた製品だそうです。
この「LT-1000」は過去のライントランスのイメージとはかなり異なります。
過去のイメージでは「デジタル機器のデジタル臭い音をアナログ的に滑らかにする機器」と認識されている方もいると思いますが、この製品はそれとは異なります。
良い意味で、全くアナログ的な丸い音にはなりません。音の変化を求めて購入されても、ほとんど変化はありませんのでご注意ください。
※それだけ搭載されているトランスの性能が高いということでしょうか。
※もちろん、昔のCDなどのデジタル機器のデジタル臭さは取り除けます。
お使いになっている機器の組みあわせや試聴環境によってこの製品の使い方は様々ですが、筆者的にはゲイン調整が最も効果的に効くと感じました。
具体的にはプリアンプのボリューム位置(ゲイン)を上げることが出来るため、使ってるプリの潜在能力をより引き出すことができる可能性があります。
ほとんどのアンプ類はボリュームが12時以上の時に音質が有利といわれています。特にボリュームを絞る(小音量)と回路のインピーダンスが上がってしまう製品はその傾向が顕著に現れます。
ご自宅でいつも聞いている音量のボリュームの位置はどの程度でしょう・・・MAXとはいいませんが、せめて10以上までは上げて聴きたいですね・・・。
「ちょっとしか上げられない〜」という方も結構多いのではないでしょうか。
※お使いのスピーカーの音圧レベルが高い方のお悩みですね。
※パワーアンプの出力がスピーカーとの最適なバランス以上に大きい場合も同様です。
※小音量派の方、もしくは環境的に音量を上げられない方も・・・。
※小音量時のボリュームを細かく調整したい!!
「LT-1000」にはゲイン調整機能が備わっています(0dB)(-6dB)(-12dB)(+6dB)(∞)の5段階の選択が可能となっています。
-6dBは1/2倍に、-12dBは1/4倍(+6dBは2倍)に出力を減らすことが可能です。つまり、-12dBを選ぶとプリアンプのボリュームを4倍まで上げることが出来るんです。
※音量を絞っても、アンプのインピーダンスが変わらないハイエンド機器も多くあります。
※筆者も40年ほど前に、ゼネラル通商パッシブアッテネーター「PAF-3022」を使ったことがありましたが、今ではプリアンプの大切さを身にしみて感じています。この「LT-1000」はプリアンプの出力がパワーアップされたのと実質的に同等の効果があり、大変興味があります。
■ 試聴してみました。
オーディオの世界でトランスといえば変圧器のことで、電圧を変えるものとしてトランスが使われていますが、トランスによる電圧変換は、理論上はエネルギーロスがない優れた特性を有しています。(完璧に0では無いと思いますが・・・)
「LT-1000」は5段階のゲイン切替が可能で、アンバランス接続/バランス接続にも対応している多機能トランスといえます。
試聴はプリアンプとパワーアンプの間に接続(全てXLR端子接続)試聴は全て同じ音量で比較しています。
内蔵されているトランスは素晴らしく、癖などは全く無く、帯域バランスにも変化が無い、大変使い易く、高性能なモノだと思います。
ただし、電圧の変換によって、当然ながら音の出方には微妙に変化がありました。
(0dB)スルーとなるので通常と同じボリューム:最も素のままで何の変化も感じられない。
(-6dB)では、プリのボリュームを2倍に上げて試聴:プリアンプ回路の増幅率が上がる為、よりストレートで透明感が高いサウンドに。
(-12dB)では、プリのボリュームを4倍に上げて試聴:(-6dB)より更にストレートで音場の見通しが改善されたように感じました。
(+6dB)では、逆に全体的にエネルギー感が増してエネルギッシュになったと思います。
※プリアンプとパワーアンプの音質に占める割合を音質が【有利な方】または【好みの方】に変更する事が出来る!今まで無かった新しい提案の商品と言えるのでは無いでしょうか!!とてもフェーズメーションらしい素晴らしい商品ですね!!
使用環境においてその使い勝手を改善するだけではなく、音質向上も考慮したフェーズメーションならではのライントランスといえます。
流石フェーズメーションならではの完成度です。
使いこなしによって様々な効果が期待出来る、なかなかスグレモノの面白い製品としてお勧めいたします!












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