2021.05.28
Joshin 試用レポート
一眼レフの魅力を最大限まで発揮!PENTAX『K-3 Mark III』を実機レビュー!


ペンタックス PENTAX K-3 Mark III APS-C フラッグシップデジタル一眼レフ
ミラーレスが主流になりつつある中、変わらず一眼レフの良さを追求し続けるペンタックス。
新たに登場したAPS-C フラッグシップ機『K-3 Mark III』は、視野率約100%・倍率約1.05倍の高い光学ファインダーを実現し、一眼レフの魅力を存分に発揮します。
独特のカッコいいボディと、鮮やかな色作りでファンを魅了するペンタックスの新モデルを見ていきましょう!
最近はミラーレスばかり使っているという方も、改めて一眼レフで撮影する楽しさを実感できますよ。
ライター:もあ
APS-Cフラッグシップモデル『PENTAX K-3 Mark III』
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PENTAX K-3 Mark III -
1952年、国内で初めての一眼レフカメラを発表したペンタックス。
一眼レフのパイオニアとして「一眼レフで撮影する楽しさ」を追求し続け、新たなAPS-C フラッグシップ機『K-3 Mark III』が誕生しました。K-3 Mark IIIの大きな特徴は、視野率約100%・ファインダー倍率約1.05倍の光学ファインダー。
これはフルサイズ機「K-1 Mark II」と同等の視野角で、ファインダーを覗いたとき、歪みのない自然な見え方で撮影ができます。新開発の高性能画像処理エンジンを搭載し、高い解像度でノイズを抑えて、最高ISO感度160万という驚異的な撮影可能領域を実現。
防塵・防滴構造の小型タイプなので撮影できるシーンも多く、一眼レフで撮影する楽しさを改めて実感できるカメラに仕上がっています。
セット内容:本体、ストラップ O-ST162、MEファインダーキャップ、充電式リチウムイオンバッテリー D-LI90P、USB電源アダプター、電源プラグ、USBケーブル I-USB166、アイカップFU、ホットシューカバーFK、シンクロソケット2Pキャップ、ボディマウントキャップKII、バッテリーグリップ接点カバー
サイズ(約):134.5mm(幅)×103.5mm(高)×73.5mm(厚) (突起部を除く)
質量(約) :735g (本体のみ)
ペンタックスらしい、全体的に角ばってゴツゴツとした、どこか男らしいカッコよさを感じるデザインのK-3 Mark III。
正面から見ると前モデルの「K-3 II」とよく似ていますが、天面から見ると中央の出っ張りが抑えられてコンパクトになった印象です。
握りやすい深めのグリップは、あらゆる手の大きさ、指の長さでもフィットするよう設計されていて、長時間の撮影や持ち歩きでも疲れにくいです。
天面には、前モデルにあった大きなサブモニターが小さくなり、ファインダー/LV/動画を切り替えるダイヤルと、設定を素早く変更できるスマートファンクションダイヤルが配置されました。
上から見ると、ファインダーを覆うアイカップが背面に大きく飛び出ていて、他の一眼レフではあまり見ない形状です。
一眼レフの大きな魅力は、光を直接見ることができる光学式ファインダーを搭載し、被写体の動きとファインダー越しに見ている映像にタイムラグがなく、自分の見たままに撮影できるところ。
K-3 Mark IIIは、ファインダーの高さを鼻に当たらないよう設計し、背面に飛び出す大きなアイカップを装着することで、より覗き込んだ時の没入感が得られます。
メガネをかけている方でも接眼部と目の間に隙間ができにくく、化粧をしていてもファンデーションが落ちないのがうれしいです。
ファインダー内には、設定しているシャッタースピードやF値、ISO値などの情報が下1列に表示されるアイポイントがあり、ファインダーを覗きながらでも設定を変更してスムーズに撮影ができます。
充電端子はUSB Type-Cになり、パソコンやモバイルバッテリーからでも給電ができます。
連続撮影可能枚数は、別売の「バッテリーグリップ D-BG8」を装着することで大幅に上がります。
縦方向に構えたときのホールド感もアップし、押しやすい位置に本体と同じボタンやダイヤルが配置しているので、縦方向で撮ることが多い方や長時間の撮影で充電が心配な方は用意した方が良さそうです。
SDカードスロットは2つ搭載しているので、メモリー残量を気にせず撮影できます。
JPEGとRAW撮影や、静止画と動画でカードを分けて記録したい時にも重宝します。
シリーズ初のタッチパネル対応!ユーザーインターフェイスがより見やすく
液晶モニターはシリーズで初めてタッチパネルに対応。
設定の変更や撮影した写真の拡大などが、直観的に素早く操作できるようになりました。
最近のカメラでは珍しくモニターは固定式で、ローアングルの撮影は不得意ですが、モニターを開く動作がない分、素早く撮影に入れます。
モニターに傷が付かないかが不安なので、金属類は同じバッグに入れない方が良さそうです。
設定画面は、前モデルまでは上部に横1列に並んでいたタブが、リコーのデジタルカメラ『GRIII』と同じく左縦1列に変更しています。
最初は違和感がありましたが、タッチ操作の際の指の動きが上下のみになるので、スピーディーに設定の確認や変更が行えました。
撮影時にはモニターいっぱいに情報が表示され、撮影環境がひと目でわかります。
ファインダーを覗くとモニター画面は消えるので、撮影中チラチラ目に入ることがなく、目の前の被写体に集中できたのがすごく良かったです。
天面のサブモニターは前モデルから小さくなりましたが、シャッタースピードやF値、ISO値など表示される情報量は同じです。
ふとした時に目に入る位置なので、残りバッテリーも表示されるのはありがたいです。
そして、使っていてとても便利だと感じたのが、新しく追加されたスマートファンクションボタン。
S.FnボタンでISO感度や露出補正、AFエリアなど22種類から5つ、ファインダーを覗いたときに表示される項目を選べば、撮影しながらでもスマートファンクションボタンを使って切り替えができます。
前モデルでは、撮影環境は1つ1つダイヤルで設定していたので、使いやすさが格段に上がりました。
101点測距のAFシステムと、最高約12コマ/秒の高速連続撮影
K-3 Mark IIIは、新たに開発された高性能画像処理エンジン「PRIME V」を採用し、AF.Sで最高約12コマ/秒、AF.Cでは最高約11コマ/秒の高速連続撮影が可能です。
AFシステムの測距点数も「SAFOX 13」によって前モデルの27点から101点と、より高精度になりました。
AFエリアはフルサイズ機(K-1 Mark II)よりも広く、多くの測距点を自由に選べるので、動く被写体や暗い場所での撮影でもしっかりピントを合わせられます。
前モデルは十字キーでピントを合わせていましたが、K-3 Mark IIIはジョイスティックが追加され、ピント合わせが快適です。
手ブレ補正もペンタックス最高となる5.5段を実現しているので、スポーツや鉄道など、素早く動く被写体を撮影したい方にピッタリです。
軽快なシャッター音がとても心地よく、連写時は特にテンションが上がります(動画で確認していただけます)。
新たな画像処理エンジンで、最高ISO感度1600000を実現
新たな画像処理エンジン「PRIME V」と「アクセラレーターユニットII」で解像性能を最大限まで引き出した結果、最高ISO感度は驚異の160万を実現。
暗い場所で光るものを手持ちで撮影してみると、ISO 51200まではノイズがほとんど気になりません。
暗い場所と光のコントラストがハッキリしている箇所も色潰れしている印象はなく、色を自然に表現しています。
ISO 409600からはノイズが目立ちますが、最大のISO 1600000まで上げても被写体の輪郭が確認できることに驚きです。
ここまで解像度が高いと、夜景や花火など幅広いシーンで、満足のいく撮影ができそう!
13種類のカスタムイメージ
K-3 Mark IIIには、シーンによって写真の仕上がりを変えるカスタムイメージが搭載しています。
カスタムイメージ:
オートセレクト、鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅、ポップチューン、ほのか、フラット、銀残し、リバーサルフィルム、モノトーン、クロスプロセス
ペンタックスは鮮やかなハッキリとした色味に仕上がるのが魅力の1つですが、カスタムイメージを使うことで、さらに色で遊べます。
解像度が高いのでどのイメージもノイズがなく、自然に色が変わります。
同じ被写体でもカスタムイメージが違えば仕上がりの雰囲気が大きく変わり、どう仕上げようか想像力が膨らみます。
ペンタックス独自のホワイトバランス「CTE」は、AWBがバランスが偏った色を補正するのとは逆に、1番強い色をさらに強調するモードで、植物の中にいる猫を写すと、全体的に緑色が強調されます。
見たままの風景とは異なりますが、日の出や日没に撮影すると印象深い仕上がりになるのでおすすめです。
作例
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レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED
絞り:f7.1
シャッター速度:1/40
ISO:200
露出補正:0
カスタムイメージ:ナチュラル -
レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED
絞り:f7.1
シャッター速度:1/30
ISO:6400
露出補正:-0.3
カスタムイメージ:雅 -
レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED
絞り:f5
シャッター速度:1/40
ISO:100
露出補正:+0.7
カスタムイメージ:風景
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レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED
絞り:f7.1
シャッター速度:1/60
ISO:200
露出補正:0
カスタムイメージ:風景 レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED
絞り:f7.1
シャッター速度:1/20
ISO:6400
露出補正:-1
カスタムイメージ:雅-
レンズ:HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED
絞り:f5
シャッター速度:1/320
ISO:800
露出補正:+0.7
カスタムイメージ:ナチュラル
まとめ
最近はスマホやミラーレス一眼で撮影することが多く、色味や光の入り方を見ながら撮ることが当たり前になっている方も多いと思います。
しかし、ファインダーを覗きながら仕上がりを想像して撮る楽しさは、一眼レフならでは。
『K-3 Mark III』は被写体を自然な状態で見れる光学ファインダーや、高性能画像処理エンジンを搭載した、一眼レフの魅力を最大限まで楽しめるカメラです。
特にピントの合う速さと軽快なシャッター音、ペンタックスらしい鮮やかな色の仕上がりが気に入り「ずっとシャッターを切っていたい、目に映るものをすべて撮り続けたい」という気分になりました。
一眼レフに憧れがある方はもちろん、最近はミラーレス一眼ばかりだという方も1度試していただきたいです。
K-3 Mark IIIを使えば、これからもずっと一眼レフを使いたいと思うこと間違いなしですよ!
2021.05.28 (もあ)