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Joshin webで毎年恒例となっている、3大メーカープリンタバトル。2016年度版は楽しんでいただけたでしょうか?
プリンタバトルとは、毎年各メーカーが発売した最新プリンタを1機種ずつ用意して、1番優れている機種がどれかを競うイベントなのですが、その時に使っているのが、各メーカー純正の高級写真用紙。
各プリンタの最高性能を引き出すのは純正用紙だろうってことで用紙は毎回メーカーにチョイスしてもらっていますが、今回はその用紙にスポットを当ててみることにします。
題して「4大メーカー用紙バトル」。本来は一番美しい印字がされているはずの純正写真用紙に対して、汎用の他社製高級写真用紙はどうなのか。純正よりも美しいのか、劣るのか… そして、用紙のチャンピオンは果たしてどれなのか! それを検証してみたいと思います。
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プリンタバトル2016で実施したA4写真プリントと同じデータを使用して、各用紙で5枚ずつの写真を印刷し、仕上がりをスタッフで確認して順位付けを行います。
使用するプリンタは、プリンタバトル2016で優勝したキヤノンのMG7730。それぞれキヤノンの純正印刷ソフトを使ってパソコンから写真データを送り、印刷してみました。使用する印刷モードは、各用紙に記載されたキヤノン向けの用紙設定に従っています。 |
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今年は多めに働きます |
LEDがきらめくインクカートリッジ |
キヤノン向けの用紙設定を選択 |
刷ります刷ります |
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プリンタバトルで、キヤノン MG7730の印刷の美しさを引き出した用紙。黒くて厚い化粧箱に入って、押しはばっちり。吸収層・発色層・クリアハードコートの3層コーティングで発色性、光沢性を共に向上させたという。
画質に関しては既にお伝えの通りの高画質なのだが、これを基準として他社製の高級用紙を評価していこうと思います。 |
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パソコン周辺機器メーカーを代表して、エレコムの高級写真用紙が登場。
化粧箱入りではないが、「銀塩写真の深みを実現」というコピーに加えてパッケージ上には、「日本製」「Professional」というマークが踊る。
取り出してみると、かなり厚手の用紙の上にぴかぴかの光沢面が心地良い。
実際に印字してみると、キヤノン純正とほとんど見分けがつかない写真が刷り上がった。さっそく並べてみたが、同席のスタッフの第一声は「まったく同じやん、見分けがつかないよ!」 |
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純正用紙に挑む2番手は、富士フイルムの「画彩(かっさい)」。デジカメの黎明期からずっと続いている写真用紙の老舗であり、使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
富士フイルムのコーポレートカラーである緑色をあしらったおなじみのパッケージから、今回は「写真仕上げプロ」をチョイス。しかも厚手の30枚入りなので(他社は20枚)ずしっとした重さが印象的です。なおお得な60枚入りもあるので、たくさん印刷される方はこちらがおすすめ。
刷り上がった用紙はまたしても「見分けがつかない!!」。これは果たして、勝負はつくのでしょうか。 |
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最終バッターはピクトリコ。写真用紙と印刷の専業メーカーであり、化粧箱によるパッケージもその重さも期待せずにはいられないという雰囲気をただよわせている。ちなみにピクトリコとはスペイン語で「絵画のような」という意味です。
パッケージをばりばりと破って、用紙を確認する。まずは光沢紙のフォトペーパーからです。紙面のてかり具合は他の光沢紙とあまり変わりません。
実際に印刷した用紙は… なんと、これもオリジナルとそっくりです。並べてみたがやはり見分けがつきません。純正、エレコム、富士フイルムと来たけど、すべて横並びの結果となりました。 |
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たぶんこれも同じだろう、と半ばあきらめながら手にしたのが、ピクトリコのセミグロスペーパー。要するに半光沢紙です。半光沢といえば絹目やマットと呼ばれているものがポピュラーですが、このセミグロスペーパーは一体どんな風に刷り上がるのでしょうか。
一見、同じに見える印刷面。しかし、光に反射させてみて、スタッフがどよめいた。おお、何だコレ。渋いぞ、渋すぎる。てかてかと蛍光灯(実際は直管LEDなのだが)を反射する光沢写真と違って、映り込みがほとんどない。いや、反射はするのだが渋いマットの反射が、印刷面を何やら芸術品のように見せてくれる。正に「絵画のよう」な仕上がりです。 |
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これは困った…というのが、審査を終えての正直な気持ちです。キヤノンの純正用紙「プラチナグレード」からはじまって、エレコム、富士フイルム、ピクトリコプロのフォトペーパーまでの印刷品質は横一線。というよりも、集まったスタッフの目では見分けがつかない状況。これは印刷後の用紙を数日置いて乾かしたあとでも状況は変わらず、ますます混沌とした様相を呈してきました。
いや、これは無理に順位を付ける必要はない。どれを買っても純正並みの高画質で印刷可能なのです。そうなると、価格や梱包枚数などを見比べて、好きに選んでいただいてもまったく問題がないと言えばそうなのでしょう。
ただし、明らかに違うのはピクトリコプロのセミグロスペーパー。写真は光沢紙の方が綺麗に見えるという思い込みを覆し、被写体によってはいぶし銀のような渋さを与えてくれる魔法のペーパーだということがわかりました。今回のサンプルではかぼちゃの青空や赤ちゃんの肌では真価を発揮しにくいけど、時計ケースや古民家などのレトロな写真には底知れぬ渋さを与えてくれます。
また半光沢ということは照明などの映り込みが拡散されて、ほとんど目立たない。展覧会などで飾るのにももってこいの用紙だと言えるのではないでしょうか。 |
15 円相当(1%) ポイント進呈 最短 7月1日( 火 ) 出荷 2013年10月 発売 15 円相当(1%) ポイント進呈 最短 7月1日( 火 ) 出荷
ということで、初めてのプリンタ用紙バトルはいかがだったでしょうか。プリンタの機種によって印刷結果ががらっと変わるのはプリンタバトルでお届けのとおりですが、用紙はどうなのか…というのが今回のテーマでした。しかし、同じプリンタである限り、そして各社の高級写真用紙を使う限りは、印刷結果はどれも高画質である、というのが今回の結論だったように思います。
そうなれば、次に調べてみたいのは「光沢」「グロス」「マット」「絹目」といった表面処理の違いでしょうか。差が出なかったのはあくまでも「光沢」なので、各社が半光沢やマットと呼んでいる用紙にどんな差があるのか… 機会があれば、このあたりを試してみたいと思います。
今回は最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2015.12.25 oga. |
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