AF-ONボタン・サブ電子ダイヤルでさらに操作しやすい
撮影時に使うダイヤル部を見ていきましょう。
X9iのダイヤルには風景やポートレートのマークがありましたが、X10iではなくなって、シンプルなダイヤルになりました。
風景などシーン別の設定はすべてSCNダイヤルから行えます。
今の一瞬を撮りたいのにピントを合わせていたら、撮り逃してしまった!ということはよくあります。
そんなときに活躍するのが、EOS Kissシリーズで初めて独立したAF-ONボタンです。
AF-ONボタンで被写体にピントを合わせれば、シャッターボタンを半押ししている間は、被写体が動いても自動でピントを合わせてくれるので、ここ!というときにシャッターをきれますよ。
サブ電子ダイヤルは「EOS 90D」などで使われている、回転して操作するタイプが採用され、設定の変更や画像送りがよりスムーズになりました。
ライブビュー撮影でイメージのままに
キヤノン独自の「デュアルピクセル CMOS AF」で、ライブビュー撮影時でも素早くピントを合わせて撮影できます。
ピントは自動で被写体に合わせ続けますが、タッチシャッター設定をオンにすれば、撮りたいものをタッチするだけで自由にピントを合わせられます。
スマホで撮影するときと同じような操作なので馴染みがあり、気軽に撮影できますよ。
お子様の目線に合わせて撮りたいときは、モニターの角度を調節して様々なアングルに挑戦してみましょう。
撮影時の明るさや設定の変更や撮影後の編集、画像送りなどはすべてタッチパネルで行えます。
ガイドがあるのでどこを設定すればいいかが分かりやすく、スマホ感覚の操作で、すぐに思い通りの写真が撮れそう!
モニターにある設定をタッチパネルで直接変更する際に使うクイックボタン(Qボタン)は、独立した物理ボタンとなり、よりスムーズに設定変更ができるようになっています。
写真の色変更やトリミングなどがカメラ内で行えるので、サッと編集してBluetoothで接続したスマホに転送すれば、撮影したばかりの写真を、そのままSNSでシェアできますよ!
こだわりの1枚を作るクリエイティブアシスト
他とは違う、こだわりの1枚を撮影したいなら「クリエイティブアシスト」機能を試してみましょう。
色がハッキリとした鮮やかな写真になる「VIVID」や、暖かくやさしい雰囲気に仕上がる「WARM」など、全11種類のプリセットから撮りたいイメージを選ぶだけで、ひと味違う写真ができ上がります。
色鮮やかに咲いている紫陽花はVIVIDで・・・サイはモノクロの方が迫力があるかも!
同じ被写体でも設定によって全く違う印象になるので、次々と試してみたくなりますよ。
クリエイティブアシスト機能を使えば、明るさや背景のぼかしなどがタッチ1つで自由自在!
設定が難しくて基本オートで撮影しているという方も、自分で設定することで、さらに魅力的な写真が撮れるかもしれません。
クリエイティブフィルター
- ラフモノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風、HDR絵画調標準、HDRグラフィック調、HDR油彩調、HDRビンテージ調
10種類の「クリエイティブフィルター」を使えば、写真のイメージはさらに変わります。
ザリガニの模型をトイカメラ風で撮影すると、おもちゃらしい見た目に。
水彩風では水彩絵の具で描いたような写真に仕上がります。
ふんわりした印象ですが、輪郭がハッキリしていてお気に入りの小物がオシャレに写せました。
魚眼風に設定すると背景が歪み、中央の花を目立たせることができます。
天井や風景など広いシーンでも撮影してみたいですね。
クリエイティブフィルターを使うと、普段撮影する写真と雰囲気が一気に変わってオシャレ!これは今すぐSNSにアップしなければ!!
100-25600の常用ISO感度で暗い場所もキレイに撮影
ISO感度を変更しながら、夜間に撮影してみました。
すべて手持ちで撮影しましたが、DIGIC 8になった映像エンジンがしっかりノイズを抑え、ISO10000を超えてもあまりザラザラした印象はありません。
ISO感度を高くして撮影するときは、設定の「高感度撮影時のノイズ低減」機能で、マルチショットノイズ低減に設定してみてください。
シャッターを切ると4枚連続撮影されて画像が合成されるので、ノイズの少ない解像度の高い写真に仕上がりますよ。
手持ちでも撮影できますが、夜景をブレずにキレイに撮影したい時などは三脚を使いましょう。
スマホで写真を確認
スマホにアプリ「Camera Connect」をダウンロードしてカメラを登録しておけば、撮影した写真をスマホで確認したり、スマホをリモコンにして撮影ができます。
登録は、アプリの説明にそってカメラを操作して接続するだけ。
すぐにカメラ内の写真がスマホにズラッと表示されました。
カメラの電源がオフでもスマホでチェックできるので、SNSでシェアする写真をゆっくり選べますよ。
設定をしておけば、写真は撮影と並行してスマホに自動送信されているので、撮ったばかりの写真もすぐにスマホで確認できます。
スマホで見るとまた印象が変わるので、設定やアングルを変更して納得がいくまで撮影したくなりますね。
アプリで設定すると、スマホがリモコンになります。
離れた場所からもリモート撮影ができるので、大人数で撮るときなどにおすすめです。
作例
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露出時間:1/160秒
絞り値:F7.1
露出補正:0
ISO感度:250
使用レンズ:EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM -
露出時間:1/320秒
絞り値:F5.6
露出補正:+1
ISO感度:1600
使用レンズ:EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM -
露出時間:1/160秒
絞り値:F7.1
露出補正:0
ISO感度:250
使用レンズ:EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM -
露出時間:1/400秒
絞り値:F5.6
露出補正:+1
ISO感度:400
使用レンズ:EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
まとめ
最大45点の測距点でしっかりピントを合わせられ、連続撮影は最高約7.0コマと、動きのある被写体の一瞬の表情を逃さずに、とらえることができます。
さらに4K動画撮影に対応しているので、スポーツや動き回る子供、ペットの撮影をしたいと考えている方にはおすすめのモデルです。
デュアルピクセル CMOS AFで、ライブビュー撮影でもスムーズにピント合わせができ、被写体の瞳を検出して自動で追いかける「瞳AF」が使用できるので、モニターを見ながらイメージ通りに撮影できます。
スマホのように操作ができるので、一眼レフカメラが初めての方でもすぐに操作に慣れますよ。
動物、植物を中心に撮影してみましたが、動きのある鳥もピントが合った写真が撮れ、もう少し明るくしたいと思ったら、タッチ1つでカンタンに設定ができて、思い通りの写真に仕上がりました。
独立したAF-ONボタン・クイックボタン、親指でクルクル回して操作できるようになったサブ電子ダイヤルで、操作性も抜群です!
本格的なデジタル一眼レフカメラにあこがれのある方、性能の高いエントリークラス機器をお探しの方にも、ぜひ使っていただきたいカメラです。
2020.07.15 (もあ)
敷居が高いと感じてしまうデジタル一眼レフカメラを、何気ない日常でも使えるようにと作られた、キヤノン EOS Kissシリーズ。
小型軽量で使いやすく、スマホのようにタッチパネルでピントを合わせて思い通りの写真が撮れるので、初めての方にも操作しやすく「一眼レフカメラの入門機」として高い人気があります。
2017年に発売した「EOS Kiss X9i(以下:X9i)」 は、対象にピントを合わせるAF性能や連写性能が高く、動く被写体の撮影にもってこいの機種でした。
そして今回、X9iの後続モデルとなるX10iが登場!
進化した映像エンジンDIGIC 8で写真を美しく仕上げ、オートフォーカスや高速連写の機能が向上しました。
被写体の動きをAF枠が追いかけるので、元気に走り回るお子様の一瞬の動きもとらえます。
X9iからX10i。どのように進化したのか、外観、性能ともに比較して見ていきましょう。
(幅×高さ×奥行)
EOS iTR AF(顔優先)
4K動画: ISO 6400
サイズは少し軽くなりましたが、大きな変化はありません。
深く設計されたグリップ部は握りやすく、ホールド感抜群です。
ちなみに・・・筆者はX10iより軽量なX10を愛用していますが、X10iの持ちやすさもあり、重さの違いはほとんど気になりませんでした。
X10iは、ファインダー撮影時には人物の顔を検知する「EOS iTR AF(顔優先)」が新たに搭載され、動く被写体の表情を追いかけます。
シャッターをきるタイミングが難しいときは、最高約7.0コマになった高速連続撮影を使えば、走り回るお子様やスポーツ選手、素早く動くペットなどの一瞬の表情を逃さず撮影できますよ。
常用ISO感度は静止画撮影時に100-25600と幅広く、夜間や室内などの暗いシーンでも暗部がつぶれず明るい写真に仕上げます。
背景をキレイにぼかし、被写体を目立たせられる別売りのレンズ「EF50mm F1.8 STM」と「EF40mm F2.8 STM」もお借りしたので、実際に撮影しながらX10iの魅力をレポートしていきます。