前モデルから一番大きく変わったのは、この背面部でしょう。
十字キーが廃止され、液晶画面は下方向に180度開く可動式モニターが採用されました。
X-Pro2では固定式モニターでしたが、X-Pro3は可動式になった事で、ローアングルでの撮影も楽になりますね。又、液晶画面はタッチ操作にも対応しています。
ただし、この液晶画面は、背面パネルに設置された1.28インチの小型モニターの裏側(内向き)に配置されています。
本来、背面モニターは確認を行う頻度が高いので、外向き配置が一般的ですが、X-Pro3では、撮影時には小型モニターで撮影設定を確認するだけと、かなり個性的な面を持っています。
マルチセレクターは健在ですのでAF測距点へのレスポンスの良さはそのままです。
背面部を可能な限りシンプルにしたことで、撮る事に集中する環境を作り出した、という事でしょうか。
有機ELを採用。アドバンスハイブリッドビューファインダー
ファインダーには光学ファインダー(OVF)と電子ファインダー(EVF)をワンタッチで切り替える事ができるFUJIFILM独自の『アドバンスハイブリッドビューファインダー』が搭載されています。
これにより、被写体をありのままの状態で確認できる光学ファインダーのメリットと、露出などの撮影条件を確認しながら撮影できる電子式ファインダーのメリットを使い分ける事ができます。
また、単に切り替えるだけではなく、光学ファインダー内の一部に小型EVFを同時表示する事も可能で、ありのままの被写体を捉えながら、小型EVFで合焦部の拡大表示が行えるなど、双方のメリットを組み合わせて使用する事ができ、高い利便性を発揮します。
前機種のX-Pro2にも搭載されていた機能ですが、X-Pro2と比べても明るく鮮やかな有機ELを採用し、残像感を抑えた滑らかな映像が表示できるように進化しています。
SDカードを2枚挿入できるデュアルカードスロットが採用されています。
スロット1は書き込み速度に優れたUHS-II規格に対応しており、連続記録、バックアップ、RAW・JPEG振り分けの3種の記録方法が選択できます。
グリップが大きくなった事でしっかりとカメラをホールドする事ができ、夜景やイルミネーションの撮影の際、手持ちで撮影しても手ブレを起こさず撮影することができました。
イルミネーションや夜景を背景にした人物撮影にもおすすめでき、多重露光で一風変わった写真も撮れますよ。
作例
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シャッター速度:1/52
絞り値:F1.4
露出補正:-0.3
ISO感度:160 -
シャッター速度:1/8
絞り値:F4.5
露出補正:-0.3
ISO感度:160 -
シャッター速度:1/450
絞り値:F3.2
露出補正:0
ISO感度:1600
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シャッター速度:1/120
絞り値:F1.8
露出補正:0
ISO感度:1600 -
シャッター速度:1/42
絞り値:F1.4
露出補正:-0.3
ISO感度:160 -
シャッター速度:1/27
絞り値:F1.4
露出補正:-0.3
ISO感度:160 -
シャッター速度:1/26
絞り値:F16
露出補正:0
ISO感度:1600
まとめ
X-Pro3は背面のモニターがチルトパネルとなり、メインモニターは普段は内側に隠れています。
代わりに外側に搭載された小型画面には選択中のフィルム設定や、ISO感度、WB等の設定がシンプルに表示され、メモリ液晶により、電源のON/OFFに関わらず、設定情報を確認できる事は今回の機種の一番の特徴でもあり、面白いポイントです。
十字ボタンも廃止されており、背面は非常にシンプルに変化。
余計な事は考えず、ファインダーを覗いて『撮る』事に集中できる様に。というメーカーの撮影に対する強いこだわりを感じる仕様となっています。
私自身も富士フイルムのPROVIAの使用経験がありますがフィルムシュミレーション(PROVIA)ではフィルムで撮影したような色彩が再現でき懐かしいと感じる写真を撮ることができました。
FUJIFILMのカメラならではのフィルムシュミレーションをはじめ、アドバンスフィルター等個性を発揮しやすい機能が数多く搭載されていますので、カメラ初心者でも気軽に「自分だけ」の写真を撮影することができるかと思います。
フィルムの色彩が懐かしいと思われている方には、是非試して頂きたいカメラです。
2020.03.09 まーくん
幅や高さのサイズは前モデルのX-Pro2と変わらず小型ボディを継承しています。X-Pro2よりも厚みがやや増しているのは、グリップの高さが高くなったためです。
ですので本体の薄さは変わらず、小型軽量のまま、グリップ形状の進化により持ちやすくなり、より手ブレにも強くなっています。
ボディには軽くて強い素材のチタンが採用されています。
今回試用したブラックにはありませんが、他のカラーバリエーション(DRブラック・DRシルバー)には、シチズンの加工技術であるデュラテクト加工が施され、擦り傷にも強いボディとなっています。
ボディ内部のフレームにはマグネシウム合金を使用し、堅牢性・剛性も兼ね揃え、防塵防滴耐低温に対応と、とてもタフネスです。
画像処理エンジンと撮影素子はX-T30と同じですので、しっかりと写真表現ができるカメラとなっています。
X-Pro2と同様、フィルムカメラを彷彿とさせるダブルファンクション式のISOダイヤルも健在です。