Femtech(フェムテック)とは

「FemTech（フェムテック）」や「フェムケア」という言葉をご存じでしょうか？これらは、女性の社会進出やライフスタイルの変化に伴い、新たに生まれた言葉のひとつです。このページでは、フェムテックの意味や背景について詳しく解説するとともに、女性特有の悩みを解決するために開発されたフェムテック商品をご紹介します。

Femtech =
Female +Technology

フェムテックとは、「Female（フィーメール・女性）」と「Technology（テクノロジー・技術）」を組み合わせた新しい言葉です。これは、女性特有の身体や健康に関する悩みを、テクノロジーを活用して解決する商品やサービスを指します。具体的な例としては、生理痛や更年期障害の改善、妊娠中の生活の質向上などが挙げられます。テクノロジーというとアプリや電化製品をイメージしがちですが、吸水ショーツの技術やピルのオンライン処方などもフェムテックに含まれます。明確な定義やルールは確立されていませんが、女性の健康ニーズに応える商品やサービス全般がフェムテックに該当すると考えると分かりやすいでしょう。

注目され始めた理由

女性は月経、妊娠、出産、閉経といった大きな体の変化を人生の中で何度も経験します。これらに伴う不便や悩みはあるものの、従来は「恥ずかしいこと」「隠すべきこと」とされ、タブー視される傾向がありました。また、こうした悩みや課題は個人差が大きいため、「相談するものではない」と思い込んで我慢する女性も少なくありませんでした。

しかし近年、女性の社会進出が進むにつれ、これまでタブーとされてきた問題が徐々に表面化し、議論されるようになりました。これに伴い、女性特有の悩みや課題に着目し、それを解決する製品やサービスを提供する動きが広がっています。

これらの取り組みは、社会のニーズを満たすだけでなく、女性のライフスタイルを向上させることにもつながり、多くの女性から支持を得ています。その結果、「フェムテック」という言葉がさまざまな場面で聞かれるようになりました。

さらに、ジェンダーレスや多様性の浸透、SDGs（持続可能な開発目標）の広がりといった社会的な変化も、女性特有の悩みに対する理解を深める土壌を作り出しています。これらの要因が相まって、フェムテックは今後ますます注目される分野となるでしょう。

生理・月経

月経（生理）は、女性が妊娠するために欠かせない生理現象で、月に1回程度の頻度で起こり、数日間続くものです。月経に伴う「生理痛」は多くの女性が抱える悩みのひとつです。さらに、生理中の痛みや不快感だけでなく、生理前に起こる月経前緊張症候群（PMS）に悩む女性も少なくありません。これらの症状には個人差があり、日常生活にほとんど影響がない軽い症状の方もいれば、動けないほど苦しい症状に悩む方もいます。

女性特有疾患（ウェルネス）

女性の身体的特徴として子宮や乳房が挙げられますが、それに伴い、これらの器官に関連した特有の病気も少なくありません。これらの病気は「女性特有疾患」と呼ばれ、代表的なものとして子宮筋腫、乳がん、子宮がんなどが挙げられます。これらの疾患を予防し、早期発見するためには、定期的な検査や適切なケアが重要です。女性特有の不調については、産婦人科での診察が基本ですが、通院に抵抗がある方や忙しくて時間が取りづらい方は、オンライン診療を選択肢に加えるのも良いでしょう。

また、月経前症候群（PMS）も女性特有の症状の一つです。症状が重い場合は、医療機関での診察を検討することをおすすめします。さらに、女性は筋肉がつきにくい体質のため、冷えやすく、むくみやすい傾向があると言われています。冷えは「万病の元」とも言われるため、普段から体を冷やさないよう心掛けることが大切です。例えば、腹巻きや温かい飲み物を取り入れるなど、日常生活でできる工夫を取り入れると良いでしょう。

セクシャルウェルネス・フェムケア

セクシャルウェルネスとは、「性の健康」を意味し、性を充実させる商品やサービスを指します。これまで女性の性を商品化することはタブー視される傾向が強かったものの、近年では「膣トレ」というキーワードが注目されるなど、女性向けのセクシャルウェルネス商品やサービスが登場し、市場が拡大しています。

また、VIOゾーンやデリケートゾーンのお手入れもセクシャルウェルネスの一環といえるでしょう。デリケートゾーン（フェムゾーン）をはじめとする女性の体や健康に関する悩みをセルフケアすることを「フェムケア」と呼ぶこともあります。デリケートゾーンは皮膚が薄く繊細なため、トラブルが生じやすい部分です。日頃から丁寧にケアを心がけることが大切です。

不妊・妊活

不妊治療や妊活は、長期化することが多く、身体的・金銭的な負担が生じやすいと言われています。また、妊娠は非常にデリケートな問題であるため、ストレスを抱えやすく、精神的なサポートも重要です。辛いと感じている場合は、セミナーや自治体の支援など、さまざまなサポート体制を活用してみてください。最近ではオンラインでの相談やサポートも充実しており、自宅にいながら気軽に利用することが可能です。妊娠しやすい体づくりには、葉酸の摂取が効果的とされています。妊活中の方に向けた葉酸サプリメントも多く販売されているため、取り入れてみるのも良いでしょう。

また、基礎体温を記録することで妊娠しやすいタイミングを把握することができます。手帳やアプリを活用して記録する習慣をつけると便利です。さらに、排卵日を確認できる検査薬も登場しているため、妊活の一助として活用してみてください。このように、妊活にはさまざまな方法やサポートが存在しますので、自分に合ったものを選びながら、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

妊娠・産後ケア

妊娠中はもちろん、産後も骨盤のゆるみや授乳による胸の変化など、体の一部にさまざまな変化が現れます。また、肌質が変わることもあるため、丁寧なケアを心がけて体をいたわることが大切です。最近では、可愛らしいデザインのマタニティ用品が増えており、機能面でも優れたアイテムが登場しています。例えば、授乳期に便利な吸水ブラや産後の骨盤補正ガードルなどは、フェムテック用品として注目されています。

さらに、妊娠前後は心の不調を感じやすい時期でもあり、マタニティハイや産後鬱といった症状が現れることもあります。不調を感じた際には、アプリや医療機関を活用したり、自治体のサービスやママさんをサポートする活動に相談するなど、早めの対応を心がけましょう。自分の心と体を大切にすることが、健やかな妊娠・出産・育児につながります。

更年期

45～60歳の女性の多くが悩む「更年期障害」は、性ホルモンの減少に伴う身体の変化が原因で起こります。更年期は閉経前後の約5年間を指し、この時期にはほてりやのぼせ、冷え、頭痛、めまい、尿もれなど、さまざまな症状が現れることがあります。症状が幅広いため、更年期障害かもしれないと思ったら、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。ホルモン剤の服用などで症状が緩和される場合もありますので、専門医に相談しましょう。

また、医師の指導のもとで漢方薬を取り入れることで、体の調子を整えることも可能です。さらに、相談しづらい尿もれの悩みについても、最近では機能的で使いやすい用品が充実していますので、ぜひチェックしてみてください。適切なケアを行うことで、更年期をより快適に過ごすことができます。