
秋冬の肌トラブル対処法
2024.9.10 更新
秋から冬にかけては、気温の変化による寒さや冷えによって、肌の機能が弱まり、カサツキやアカギレが起こりやすくなります。このページでは、肌トラブルの原因と治療についてご説明させていただきます。
肌トラブルが起きる前にしっかりと準備をしましょう!
手指のひび・あかぎれ
症状
皮ふに亀裂が入った状態を、「ひび・あかぎれ」と呼びます。これは、皮ふが乾燥することで固くなり弾力を失ってしまうため起きます。
原因
寒さや乾燥などの環境要因だけでなく、水仕事による脱脂や乾燥が原因で肌細胞が元気を失い、ターンオーバー異常が起こります。その結果、古い角層がうまくはがれずに積み重なることで、肌が柔軟性を失い、ひび割れてしまいます。また、その他にも洗剤やシャンプー等によって起こる手湿疹や慢性の接触皮ふ炎が原因でひび・あかぎれの症状が起こることがあります。

治療
アラントイン、パンテノールなどの修復促進成分やトコフェロール酢酸エステルなどの入った治療薬をおすすめします。また、ひび割れた部分に物などがあたって痛い場合は、絆創膏などで保護することも有効です。薬やハンドクリームを使用して保湿や血液の流れをよくするとともに、水仕事の際には軟膏用手袋を使用するなど、ひび・あかぎれの原因を遠ざけることも大切です。(※ただしゴム手袋によるアレルギーのある方はご注意ください。)

かかとのひび・あかぎれ
症状
足の裏、特にかかとはもともと角層が厚いので硬くなって割れやすくなります。しかも、かかとには全体重がかかるので、いったん割れてしまうとひび割れはなかなか治りません。
原因
かかとは、「血行不良」「加齢による代謝機能低下」「乾燥」などの原因によって、皮ふの新陳代謝が適切に起こらないターンオーバー異常に陥ると、古い角層がはがれにくく、どんどん積み重なり、硬くぶ厚いかかとになってしまいます。この結果、かかとでは 硬くなった角層が裂けるささくれ割れ、体重がかかることでひび割れを起こしてしまいます。

治療
アラントイン、パンテノールなどの修復促進成分やトコフェロール酢酸エステルなどの入った治療薬をおすすめします。皮ふのターンオーバーを正常化し、皮ふをなめらかにする働きのあるビタミンA油が配合された外用薬の使用をおすすめします。また尿素が配合している製品もあり体内の水分を皮ふに取りこんで、皮ふをしっとりなめらかにします。
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乾燥肌(かゆみ)
症状・原因
空気が乾燥すると、それにともない肌も乾燥します。乾燥した肌は、見た目にもカサカサした状態になっていますが、実際には皮ふ表面の角層に、微細なひび割れができてしまっています。角層は、外界からの刺激や異物の侵入から身体を守るバリアとして機能しています。つまり、乾燥してひび割れてしまった角層は、バリアとしての役割を十分に果たせなくなっているのです。さらに、かゆみ神経も表皮側に伸びてきてしまいます。こうなると、アレルゲンや多様な外来刺激がどんどん体の中に入ってきてしまい、ちょっとした刺激にも感じやすくなり、これらがかゆみの元になってしまうのです。

治療
かゆみ止め成分と保湿成分が配合された外用薬がおすすめです。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン剤の内服薬も有効です。
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手湿疹
症状
手の甲、手のひらあるいは指の皮ふにできる湿疹です。接触皮ふ炎の一種と考えられています。水仕事の多い女性だけでなく、男性にも起こります。かゆみが強く皮ふが赤くなる、皮ふが割れてくる、小さな水ぶくれができる、かきつぶすとジュクジュクやかさぶたになるなどが混じり合った症状が現れます。手のひらには乾燥傾向の強い症状(ひび割れ、角層がはがれるなど)が現れやすくなります。慢性化すると皮ふが厚くゴワゴワになり、治りにくくなります。
原因
洗剤などを使う水仕事を毎日くり返すことにより、皮ふの皮脂が洗い流され、角層のバリア機能を保っている天然保湿因子なども奪われます。また、手のひらは皮脂腺がなく、角層が厚いため乾燥しやすい部位です。空気が乾燥し始める季節(秋~冬)になると、皮ふは益々乾燥します。さらに悪化すると、洗剤などの様々な刺激により炎症が引き起こされ、一年中症状が治らない場合もあります。
治療
重症で炎症が強い場合にはステロイド外用薬を適切に使用し、まず炎症を抑えることが重要です。炎症が治まってきたら、血行促進や保湿をする成分の入った治療薬を塗り、手の保湿を心がけることが大切です。水仕事などで洗剤を使用する際は、手袋の使用が効果的です。(※ただしゴム手袋によるアレルギーのある方はご注意ください。)できれば、水仕事などを休むと早くよくなります。
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さかむけ(ささくれ)
症状
爪の周囲を覆う皮ふが部分的に剥けた状態で、痛みを伴うことがあります。
原因
皮ふ炎や湿疹なども考えられますが、水分・油分・栄養の不足が主な原因です。空気が乾燥し、指先の皮ふの水分や油分が失われると、爪の周囲の皮ふが部分的にささくれやすくなります。

治療
無理にむしろうとすると傷口を拡げることになり、感染症の原因になりかねないので、小さいハサミや清潔な爪切りで根本から丁寧に切り取ると良いでしょう。
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口角炎・口唇炎
原因
秋冬は、空気が乾燥するため唇が荒れてしまったり、ひどくなるとひび割れたりします。これは唇の皮ふ角質層が薄く水分を溜めこみにくい事とバリア機能が低い事が原因です。また唇を舐める癖や化粧品などによる刺激から起こる場合もあります。さらにビタミンB2・B6の欠乏によって口角炎が起こりやすくなります。
治療
口角炎・口唇炎は、医薬品でしっかり治療することが大切です。医薬品には荒れた唇の修復を促進する成分や皮フの新陳代謝を促すビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)が配合されている製品も多数ありますのでそちらを使用すると良いでしょう。またリップクリームやワセリン等を併用し、普段からこまめに保湿することをおすすめいたします。