1998年に活動を開始したイギリスのドーリック弦楽四重奏団。2008年の大阪国際室内楽コンクール優勝を機に日本でも高い人気を誇り、古典派から現代音楽まで深く誠実な解釈で世界を魅了してきました。結成25周年を機にベートーヴェンの全曲録音を始動し、作曲者の没後200年にあたる2027年の完結を目指しています。この第3集でも、初期・中期・後期の作品を入れて作曲家の創作の軌跡を概観できるよう構成。作品18でのみクラシカル・タイプの弓を使用していますが、そのアプローチは大胆でエネルギッシュ。チェロのマイヤーズコフは作品18について「きわめて古典的で洗練されていると同時に、ベートーヴェンならではの大胆で思い切った仕掛けがある」「いわばターボチャージャー付きのハイドン」と語っています。第9番のシンフォニックでエネルギッシュなアプローチ、第10番の精妙さ、そしてベートーヴェンの弦楽四重奏曲創作最後の2曲では、楽想の急変や不協和音も容赦なく強調しつつ、雄大さや抒情も備え、作品の深遠さに相応しい演奏となっています。 (C)RS