サッポロビールの歴史

1876年【開拓使麦酒醸造所誕生】
開拓使は日本人として初めて本場ドイツで修業したビール醸造人中川清兵衛を迎え入れ、1876年6月から醸造所の建設に着手し、9月に「開拓使麦酒醸造所」を完成させます。サッポロビールの歴史はここに始まります。

1880年～1900年頃【日本麦酒醸造会社誕生〜ビール業界競争激化】
ビール事業の将来性に着目した東京や横浜の中小資本家が集まり、1887年9月、サッポロビールの前身となる「日本麦酒醸造会社」が設立されました。会社設立から2年後の1889年10月、現在の東京・目黒区三田にヱビスビール醸造場が完成。醸造設備はすべてドイツから購入。醸造技師もドイツから招き入れ、すべてが整った同年12月からビール醸造を開始しました。
1890年には、恵比寿ビールが誕生し発売からわずか1カ月後の内国勧業博覧会で最良好の評価を得ます。恵比寿ビールの宣伝を目的とした日本初のビアホール「恵比寿ビール　BEER HALL」が1899年、東京・銀座8丁目にオープン。当初の目的を超えた売り上げとなり、立派な商売にもなるという一石二鳥の成果がありました。
1900年以降、恵比寿ビールはパリ万国博覧会で金賞、セントルイス万国博覧会でグランプリを受賞し日本だけでなくヨーロッパ、アメリカでも認められます。

1890年代後半のビール業界は札幌麦酒株式会社(札幌ビール)、日本麦酒株式会社(恵比寿ビール)、ジャパン・ブルワリー・カンパニー（麒麟麦酒）、大阪麦酒会社（朝日ビール）の大手4社が激しい販売競争を行っており、工場が札幌にあるという立地上の不利を免れるため東京工場の建設を決意し、札幌麦酒の東京進出により、1905年にはビールの製造量が業界トップになります。

1949年～1960年頃【「ニッポンビール」から「サッポロビール」へ】
大日本麦酒は過度経済力集中排除法の適用会社となり、1949（昭和24）年9月、日本麦酒株式会社と朝日麦酒株式会社に分割されます。日本麦酒は大日本麦酒から「サッポロ」「ヱビス」を継承しますが、両ブランドとも地域ブランドであったため、どちらかを新社名に採用するには難があったようです。そこで、全国的な広がりをもち、また大日本麦酒を継承する意味で、日本麦酒として再スタートを切ります。
1951（昭和26）年12月、ビール各社のブランドが復活します。日本麦酒は新ブランド「ニッポンビール」を発売。しかし馴染みのないブランドの力は弱く、ビールの消費が年々伸びているにも関わらず、日本麦酒だけが苦しい状況が続きました。シェア低下が続くなかで、1954年ごろから消えていたサッポロビールの復活を望む声が高まりはじめたのです。
1956年3月、札幌工場創業80年記念を兼ねて、発祥の地、北海道限定でサッポロビールを復活発売させました。発売直後から売れ行きは極めて好調で、こうした状況を受け、翌年1月、全国復活発売に踏み切り、1964年1月には、会社名をサッポロビール株式会社と変更しました。

商品ラインナップ

★サッポロ生ビール黒ラベル

2022年に、誕生45周年を迎えた黒ラベル。
黒ラベルのルーツである「サッポロびん生」は、1970年代熱処理ビールが主流だった時代に、本当に美味しい生ビールを皆様のご家庭でも味わっていただきたいという想いから発売されました。正式なブランド名は「サッポロびん生」でしたが、ファンの間では黒を基調としたラベルから「黒ラベル」という呼び名が広まり、1989年には、愛称だった「黒ラベル」が正式なブランド名になりました。名付け親はお客様であり、まさにお客様と共に長い歴史を歩んできたブランドです。2010年から10年以上放映しているテレビCM「大人エレベーター」にも象徴されるように、こだわりを持つ大人たちに愛されるビールを目指し進化を続けています。

★サッポロ　GOLD STAR

ヱビスのホップと黒ラベルの麦芽というサッポロ2大ブランドを掛け合わせて誕生したのがGOLD STARです。
（本商品はビールではありません。リキュール（発泡性）②の商品です。）
「うまい、どこまでも。」がキャッチコピーになっている通り、何度飲んでも飲み飽きない、1杯飲みきる最後までおいしさが続くという特長があります。それを作り出すための素材が、ヱビスの「ドイツ産アロマホップ」と黒ラベルの「旨さ長持ち麦芽」です。

• ヱビスの「ドイツ産アロマホップ」
  世界のホップ生産量の約3割を占めるドイツバイエルン産のホップの中でも“華やかで強い香り”が特長の「アロマホップ」を一部使用。

  

• 黒ラベルの「旨さ長持ち麦芽」
  ビールの風味を劣化させる成分を持たない大麦から生まれた麦芽を使用。
  
  

  

ヱビスと黒ラベルと同じ仕込み方法を行っていることで、新ジャンルでもビールに欠かせない飲みごたえや飲み飽きない後味を実現しています。
泡がクリーミーで飲みごたえ抜群のサッポロ　GOLD STAR。一日の終わりに晴れやかな気持ちでゴクゴク味わえる喜びをお楽しみください。

★SORACHI 1984

サッポロビールは、1876年に開拓使麦酒醸造所を開業した翌年からホップの研究開発をはじめ、1984年にフラノエースとソラチエースの開発に成功しました。
北海道の空知郡の地名にちなみ、今後国産ホップのエースになってほしいという思いを込めて名付けられたソラチエースは、個性的な香りを持つため主力ビール向けとして採用されることがなく、なかなか活躍できない年月が過ぎ、その後アメリカに渡ります。アメリカでクラフトビール人気が高まった2000年代半ばに、ヒノキや、レモングラス、ディルなど様々なハーブに例えられる個性的な香りで世界の醸造家を魅了し大人気になりました。
140年以上に及ぶホップへのプライドを胸に、開発から35年以上経ち、ようやく日の目が当たったソラチエースの香りをぜひSORACHI1984でお楽しみください！

★Draft One

「うまくて安い新しい〈生〉」をキャッチフレーズにスタートしたドラフトワンは、2004年に誕生したロングセラー商品です。
「苦味が少なくスッキリした味」のニーズにこたえるため、麦芽や麦を全く使わないアルコール飲料の開発を始め、4年の歳月をかけ麦の代わりとなる原料として「エンドウたんぱく」を見つけ出しました。特定アレルギー物質に含まれていないこと、遺伝子組み換え品種が流通していないことも選定の重要な基準になりました。
新ジャンルのパイオニアであるドラフトワンは、爽快なのどごしが特長のすっきりとした味わいでゴクゴク飲めるおいしさです。キレのあるすっきりとした味わいに“ちょっと飲みたいとき”の1本や“ゴクゴク飲みたいとき”の1本としていかがでしょうか。