2024.09.25
Joshin 試用レポート
AIが新しいPC選びの基準!?Copilot+ PCを最新のSurfaceとASUS Vivobookで体験してみた!



Surface Pro 第11世代 / ASUS VivoBook S15
AI処理に特化したプロセッサ「NPU」を搭載した、新世代のWindows PC『Copilot+ PC』。
高パフォーマンスはもちろん、高度なAI機能で作業効率を上げ、創造性も引き出します。
最新のCopilot+ PCから、持ち歩きに最適な2-in-1タイプの「Surface Pro 第11世代」と、定番サイズの15.6型パソコン「ASUS VivoBook S15」をお借りしたので、実際に使ってみましょう。 ライター:もあ
新世代のWindows PC『Copilot+ PC』とは
「Copilot+ PC」とは、Microsoftより登場した新世代のWindows PC。
Qualcomm社の超高速CPU「Snapdragon® Xシリーズ」に内蔵※のAI処理に特化したプロセッサ「NPU」を活用した、これまでで最も速く、最も高性能な Windows PCです。
※2024年9月現在
Copilot+ PC 用のハードウェア要件(※2024年9月現在)
・毎秒45兆回以上の高速演算処理を実行する「NPU」を搭載
・メインメモリ:16GB以上 / ストレージ:256GB以上
※Copilot+ PCの認定には、上記ハードウェア要件に加えてマイクロソフトの認定が必要です
Copilot+ PCの大きな魅力は、パフォーマンスの向上と高度なAIを使った独自機能です。
最高クラスの処理性能を持つプロセッサを搭載しているため、反応速度や動作にストレスがなく、電力効率にも優れてバッテリーは1日中長持ち。
Copilot+ PCはARM版Windows機ですが、多くのアプリがARMネイティブに対応しています。
また、ネイティブ対応していないx86/x64アプリも、エミュレーションを通じて動作するものが多数あります。
今回は、最新のCopilot+ PCの中から「Surface Pro(第11世代)/ Surface Laptop(第7世代)」と「ASUS VivoBook S15」をお借りしたので、AIを活用した便利な機能を実際に試してみます。
※一部のCopilot+ PCの機能は、ネット接続が必要です。
Copilot+ PC専用の機能
PCで行った全てを見直す「リコール機能」
-
1週間あたり約5時間の時短が叶う「リコール機能」 -
Copilot+ PC専用の機能1つ目は、作業の時短を目的とした「リコール機能」。
PC上に表示された画面のスナップショットをリアルタイムに保存して記憶する機能で、キーワードを入力すると名前を忘れたファイルやwebサイト、チャット履歴などを探し出してすぐに再アクセスできます。いわば「PCの全録画機能と検索機能」です。
検索も、実際に画面に表示されていたテキストと、画像やビジュアルの内容自体から行えます。例えば「円グラフ」で検索 → 過去に閲覧した円グラフと実際に文字で「円グラフ」と表示されていた資料を一覧表示、施設の名前で検索 → 過去に調べた施設に関する情報を再表示といった感じですね。
「あれどこで見たっけ?」を解決し、作業再開がとてもスムーズになることから平均で1週間あたり約5時間の短縮が叶うと謳われています。個人的にCopilot+ PCの機能で最も使用頻度が高そうですが、リコール機能は2024年9月時点では未実装。近日中に使える予定とのことです。
手書きと文字で画像を生成「コクリエーター機能」
「コクリエーター機能」は常設アプリ「ペイント」に追加された、画像生成AI機能です。
自分の書いた絵に完成イメージのプロンプト(言葉)を入力することで、思い描く構図に近いAI画像を生成できます。
言葉入力欄の下にある「創造性」のレベルを上げるほどAIが強くなります。
実際に「家と大きな猫」をイメージして入力すると、構図や雰囲気はそのままに絵のタッチが変わりました。
創造性レベルをMAX近くにすると手書きの原型はほぼなくなりますが、60~70%くらいなら上の画像3枚目のように部分的にリアルになるだけで手書き感は残ります。
生成した画は、右側からキャンパスに持ってきて自由に書き足し・修正・色塗りができます。
創造性レベルを上げてAIがどんどん強くなっていく様子を、上の動画でご確認ください。
ラフスケッチでも色を入れた方がより本格的な画になりそうです。
創造性レベルが低い状態でも猫の座り方が即修正されて笑いました。多分猫はこんな風に座らないのでしょう。
AIで仕上がったポーズや構図を真似して描くと画力がアップするかも・・・?
水彩や油絵など、スタイルを変更すると画の雰囲気がガラッと変わります。
テキストだけでなく手書きを元に作成するので、従来のAI生成アプリよりもイメージ通りに仕上がり、独自のアイデアを引き出しやすいです。
オンラインで提供されている画像生成サービスは回数制限や応答に時間が課せられている場合が多いですが、本体にAI作業に特化したNPUを搭載している Copilot+ PC では、回数制限もなく何度でも試行錯誤できますよ!
Web会議を快適にする「スタジオエフェクト機能」
PCに内蔵のカメラやマイクをWeb会議に適した環境に自動調整する「Windows Studio エフェクト」がパワーアップしました。
ZOOMなど、使っている会議アプリの種類に関係なく設定できる便利な機能です。
・カメラに描画/アニメ/水彩画の特殊効果を与える「クリエイティブフィルター」
・照明を自動調整する「ポートレートライト」
・PC画面上のどこを見てもカメラ目線を維持する「テレプロンプター」
・画面内で多少移動してもブレにくい「人物背景用ぼかし」
・周囲の雑音を除去してクリアな声を届ける「音声フォーカス」の、5つの機能が使えます。
実際に試したところ特にスゴイと思ったのが「人物背景用ぼかし」で、画面内でどれだけ動いてもぼかしが外れませんでした。
「テレプロンプター」は画面上に複数の資料を開いて目線をあちこちに動かす際は若干カメラ目線が増えますが、手元のキーボードを見ると外れてしまいました。
Copilot+ PC限定の機能ではありませんが、画面上のどこにいても中央にズームされる「自動フレーミング」は人物背景用ぼかし同様、追従がとても優秀で重宝します(上の画像3枚目)。
「Surface Pro 第11世代」vs「ASUS VivoBook S15」
Surface Pro 第11世代 | ASUS VivoBook S15 | |
---|---|---|
OS | Windows 11 | |
無線LAN | Wi-Fi 7 対応 | |
CPU | LCDディプレイ:Snapdragon X Plus OLEDディプレイ:Snapdragon X Elite |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
GPU | Qualcomm Adremo GPU | |
リフレッシュレート | 最大120Hz | |
メモリ / ストレージ | 16GB / 512GB SSD | 32GB / 1TB PCI Express 4.0 x4 |
ディスプレイ | 13インチ(2-in-1型) 解像度:2,880×1,920 (267PPI) |
15.6インチ 解像度:2,880×1,620 |
タッチスクリーン | ○ | - |
本体の重さ(約) | 895g 専用キーボード装着時:1.17kg |
1.42kg |
バッテリー駆動時間(約) | 最大14時間 | 最大18時間 |
インターフェイス | ・USB 4.0/Thunderbolt 4 搭載 USB-C x2 ・Surface Pro キーボード専用ポート ・Surface Connect ポート x 1(充電ポート) |
・USB 3.2(Type-A gen 1)x2 ・HDMI 2.1 ・USB 4.0(Type-C gen 3)x2 ・microSD カードリーダー ・オーディオジャック |
ここからは『Surface Pro 第11世代』と『ASUS VivoBook S15』それぞれの魅力に迫りましょう。
Surface Pro 第11世代は、ノートパソコンとタブレット両方のスタイルで使える2-in-1タイプ。
ASUS VivoBook S15は、2024年9月現在発売されているCopilot+ PCで1番大きな15.6型ラップトップパソコンです。
Surface Pro 第11世代は本体の重さが900g未満で、別売のキーボードとスリムペンを含めても約1.17kgと持ち歩きに最適。
タッチスクリーン対応なので動画視聴やWebの閲覧が手軽で、AIにより反応が強化されたスリムペンでメモやイラストをスラスラ書けます。
ASUS VivoBook S15は、非常に薄型で重さは一般的な14型パソコンほどの軽量モデルですが、外出時にはA4サイズ以上のバッグが必要です。
搭載しているプロセッサが性能の高い「Snapdragon X Elite」のため処理速度とバッテリー持ちはかなり優秀で、メモリ/ストレージも大容量。
軍用規格である「MIL-STD 810H」に準拠するタフな設計や、PCを使う上で必要なポートが全て揃った接続性の高さもポイントです。
カメラ性能を比較
同じ明るさで、クリエイティブフィルターを「アニメ」に設定して撮影しました。
Surface Pro 第11世代の新しくなったフロントカメラは、Windowsデバイスで最も広い視野角を実現しており、背景までしっかり取り込めます。
色は全体的に明るくて、肌色はフィルターをかけたような色白肌になりました。
ASUS VivoBook S15は被写体を明るくして際立たせている印象で、背景色とメリハリがあります。
クリエイティブフィルターによってシワや毛穴の見えないスベスベ肌に補正されていますが、色は自然に近いと感じました。
Surface Pro 第11世代
持ち運びに最適な2-in-1タイプ
Surface Pro 第11世代は液晶ディスプレイだけでなく、OLED(有機EL)モデルも追加されました。
今回は液晶モデルを使いましたが明るさは充分に感じたので、これ以上高コントラストで発色がいいと映像の没入感が凄まじいことになりそう・・・!
映画や動画視聴の満足度が大きく変わることは間違いないでしょう。
Surface Proシリーズは別売の専用キーボードをドッキングして使用しますが、今回2-in-1パソコンで初めてキーボードを本体から外した状態で使える「フレックスキーボード」が誕生しました。
フレックスキーボードは膝の上など接地面が不安定でも問題なくタイピングできます。
これなら新幹線など充分なスペースが取れない場所でも使いやすいですし、本体を台などに乗せてデスクトップPCスタイルも可能です。
本体サイズと重さは13インチになった「Surface Pro 8」からほとんど変わらず、ロゴマークのみのシンプルなデザインや触れるとヒンヤリとする質感も健在です。
4色のカラーバリエーション
カラーバリエーションは、ブラック/サファイア/プラチナ/デューンの4色。
背面のキックスタンドの裏側も同色なワンカラーデザインです。
あまり光を反射しないと感じたブラック以外は、光のあたり方で雰囲気が結構変わります。
今回メインで使ったサファイアはブルーシルバーっぽい色になりました(下の動画1:45参照)。
キーボードも各カラーに合ったものがありますので、一緒にご用意ください。
タッチパネル対応の「PixelSense Flowディスプレイ」
タッチスクロールがとても滑らかでカクツキや残像は見られず、画像表示もすごく速いです。
従来モデルよりも表示領域が広がり、どの角度から見ても色鮮やかなままでした。
液晶モデルでも黒色がハッキリしていて、長文記事や電子書籍の細かい文字も見やすかったです。
別売のキーボードとSurface Slim ペン
別売のフレックスキーボードはSurface Pro 第11世代と同時に発売した最新版(Surface Pro 8以降で互換性あり)で、ペンは従来と同じです。
キーボードは本体とドッキングすると少し傾斜ができ、薄型ですがしっかりとキーを打ち込めます。
タイピング音は一般的なノートパソコンと比べてとても静かで、カフェなどで周りの目を気にすることはなさそうです。
キーボードの充電は本体と接続すると自動で開始、Surface Slim ペンはキーボードの上部にあるペンホルダーに収納して充電します。
Surface Slim ペンはAIによって反応が良くなっており、遅延がほとんどありません。
ツルツルとした画面上に書くので紙の書き心地とはまた違いますが、4096段階の筆圧検知により手書き感はしっかり出ます。
Surface Slim ペンの天面と中央にボタンがあり、パソコンの設定画面よりそれぞれクリック、ダブルクリック、長押しの操作を振り分けできます。
メモアプリがすぐに立ち上がるようにしたり、ペイントソフトのショートカットを設定すると動作がとてもスムーズでした。
キーボードはタブレットスタイルで平置きした際の滑り止めになり、持ち運び時には画面保護の役割も果たします。
Surface Slim ペンはイラストだけでなく、メモを残したり書類をデータでやり取りする際に便利。
2つ用意すると高価ですが、Surface Pro 第11世代の実力を充分に発揮するには必須級です。
ASUS VivoBook S15
15.6インチのOLEDディスプレイ
本体はアルミニウムボディのシンプルなデザインで、15.6インチPCの中では圧倒的に軽量。
バッテリーは最大18時間持続、約49分の充電で60%回復する高速充電にも対応しています。
接続ポートはPCを使う上で必要なものを網羅しており、変換アダプターが必要ありません。
大型OLEDディスプレイは高彩度で解像度も高く、Webサイトや動画の閲覧、画像の編集、ゲームなどを楽しめます。
タッチスクリーンは非対応なので、ペンタブレットを用意しないとイラストを書くのは難しいですが「コクリエーター機能」を使うとタッチパッドで書いた簡単な絵でもイメージ通りのAI画像を作れました。
画面を180度フラットな状態まで倒せるので、タッチ対応なら手書きしやすかっただろうな・・・。
タッチパッドが使いやすい「RGBキーボード」
キーボードにはシングルゾーンのRGBバックライトを搭載しており、暗い場所で使うとまるでゲーミングPCです。
発光するのは1色だけですが、点滅モードや色が次々と変わるレインボーモードで動きを出せます。
色やパターンの変更はWindowsの設定項目や「MyASUS アプリ」から行えます。
キーピッチはフルサイズと同程度でキーストロークも約1.4mmと深いため、長い時間タイピングしても疲れにくいです。
長文記事の作成にも充分使えると感じました。
タッチパッドはとても大きく、指3本を使うジェスチャー操作もスムーズでした。
従来モデルよりもクリックの深さが向上して約0.23mmとなり、自然な押し心地で誤操作が起こりにくかったです。
タッチパッド ジェスチャー操作の一部
・3本指で左右にスライド:アプリの切り替え
・上にスライド:現在開いているアプリを一覧表示
・右端をスライド:明るさを調整
・左端をスライド:音量を調整
まとめ
これまでで最も速く、最も高性能を謳う『Copilot+ PC』は、最高クラスの処理性能でどの作業もスピーディーに行え、バッテリーは1日中長持ち。
高度なAIを使った専用の機能は、作業の時短や創作活動のサポート、Web会議の環境の向上など、あらゆるシーンをより快適なものにします。
今回使った「Surface Pro 第11世代」と「ASUS VivoBook S15」は同じ最新のCopilot+ PCですが使い方は大きく変わるので、どのような生活スタイルに取り入れるかでお選びください。
Surface Pro 第11世代は持ち歩きを前提にメモやペイント、動画視聴など主にタブレットとして使いつつ、Web会議や資料の作成など仕事でも活用したい方。
ASUS VivoBook S15は高パフォーマンスなメインパソコンをお求めの方、調べ物や執筆作業に向いているので仕事用に最適です。
今回は詳しく紹介できませんでしたが、Surfaceの新しいラップトップパソコン「Surface Laptop(第7世代)」も発売しており、こちらもCopilot+ PCです。
13.8/15インチの2サイズ展開でタッチスクリーン対応なので、家でクリエイティブ作業を中心に使いたい方はSurface Proよりも合っていそうです。
今後もAIによるパフォーマンスの向上や便利な機能が追加されることで、日常的な作業時間はどんどん短縮され、時間に余裕も生まれるでしょう。
ぜひ新世代の『Copilot+ PC』を使って、AIがどれだけ役立つのかを実感してください。 2024.09.25 (もあ)