ブラザー レーザープリンタ『JUSTIO』シリーズ
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速さ・読みやすさを重要視するならレーザープリンタ!
今回用意したレーザープリンタは4機種。画像の左から
モノクロタイプの『HL-L2365DW』『MFC-L2740DW』に、
カラータイプの『HL-3170CDW』『MFC-9340CDW』です。もう少し詳しく言うなら、左から「モノクロプリンタ」・「モノクロ複合機」・「カラープリンタ」・「カラー複合機」です。
モノクロモデルとカラーモデルで大きさは異なりますが、それぞれのモデル同士だと幅と奥行きに大きな違いはありません。複合機にはスキャン・コピー機能が備わってますので、その分高さがありますね。
パッと見て、モノクロモデルとカラーモデルのボディデザインが違いますが、幅と奥行きに大きな違いはありません。
しかも、今回取り上げた複合機の機種は、ADF機能(複数枚の原稿を連続して読み取りを可能にする装置)も備わってますので、複数ページの資料の読み取り時にとても便利なんです。
消耗品であるトナーの入替えも確認してみましょう。モノクロもカラーもドラムユニットにトナーカートリッジを装着し、黒・黄・赤・青の計4色を、それぞれボディに並列して装着します。
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[プリンタ] HL-L2365DW
プリント方式 電子写真方式 外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)356×183×360 プリント解像度 2400×600dpi
(HQ1200)インク ブラック 給紙枚数 標準記録紙トレイ250枚
手差し1枚プリント速度:A4 片面 最高30枚/分
両面 最高15ページ/分ランニング
コストモノクロ約3円/枚 -
[複合機] MFC-L2740DW
プリント方式 半導体レーザー+乾式電子写真方式 外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)409×316.5× 398.5 プリント解像度 2400×600dpi
(HQ1200)インク ブラック 給紙枚数 標準記録紙トレイ250枚
手差し1枚プリント速度:A4 片面 最高30枚/分
両面 最高15ページ/分ランニング
コストモノクロ 約3円/枚 -
[プリンタ] HL-3170CDW
プリント方式 電子写真方式
LEDプリンタ外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)410× 240 ×465 プリント解像度 2,400×600dpi
(HQ1200)インク CMYK 給紙枚数 標準記録紙トレイ250枚
手差し1枚プリント速度:A4 片面 最高30枚/分
両面 最高15ページ/分ランニング
コストカラー:18.2円/枚
モノクロ:3.9円/枚 -
[複合機] MFC-9340CDW
プリント方式 電子写真方式
LEDプリンタ外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)410× 410 ×483 mm プリント解像度
(きれいモード)カラー:2400dpi相当
モノクロ:2400dpi相当インク CMYK 給紙枚数 標準記録紙トレイ250枚
手差し1枚プリント速度:A4
(カラー/モノクロ)片面 最高22枚/分
両面 最高7ページ/分ランニング
コストカラー:18.2円/枚
モノクロ:3.9円/枚
ブラザー インクジェットプリンタ『PRIVIO』シリーズ
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カラーの鮮やかさを求めるならインクジェット!
インクジェットプリンタの3機種は、画像の左から
『MFC-J6995CDW』『MFC-J6980CDW』『MFC-J6580CDW』。一番左が、ブラザー社のインクジェット方式のフラッグシップ複合機『MFC-J6995CDW』です。
コピーの時に、用紙サイズを選択しなくても「A4」「A3」と自動認識して、給紙カセットにセットされている用紙に印刷でき、給紙カセットの用紙残量は検知機能でわかるため、用紙切れを未然に防ぐ事もできます。
また、大量の複数ページをコピーまたは印刷する際、内蔵メモリーの容量が512MBと大きいので、パソコンへの負担が軽減されます。
真ん中の『MFC-J6980CDW』は、用紙の自動認識と用紙残量の検知機能がなく、メモリー容量が256MB。
一番右の『MFC-J6580CDW』は、給紙カセットが1段で、原稿の読み取り装置での両面同時読み取りは非対応。両面を読み取りたい時は2回原稿をセットする必要があります。内蔵メモリーが125MBと、モノクロ主体でちょっとコピーしたいという方向けモデルです。
インクジェットでも消耗品のインク交換の確認。ブラザー社お得意の前面での交換は、スッと取り出せて非常に便利、かつカンタンです。
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[複合機] MFC-J6995CDW
外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)575×375×477 プリント解像度 最大1200 × 4800dpi 液晶サイズ 3.7型 インク 4色独立カートリッジ方式 給紙枚数 600枚
最大250枚給紙トレイ×2、他プリント速度:A4 カラー:片面 最高20枚/分
両面 最高11ページ/分
モノクロ:片面 最高22枚/分
両面 最高12ページ/分ランニングコスト A4カラー文書:約4.0円/枚
A4モノクロ文書:約0.9円/枚 -
[複合機] MFC-J6980CDW
外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)575×375×477 プリント解像度 最大1200 × 4800dpi 液晶サイズ 3.7型 インク 4色独立カートリッジ方式 給紙枚数 600枚
最大250枚給紙トレイ×2、他プリント速度:A4 カラー:片面 最高20枚/分
両面 最高11ページ/分
モノクロ:片面 最高22枚/分
両面 最高12ページ/分ランニングコスト A4カラー文書:約6.0円/枚
A4モノクロ文書:約1.3円/枚 -
[複合機] MFC-J6580CDW
外形寸法:mm
(幅×高さ×奥行)575×305×477 プリント解像度 最大1200 × 4800dpi 液晶サイズ 2.7型 インク 4色独立カートリッジ方式 給紙枚数 350枚
最大250枚給紙トレイ×1、他プリント速度:A4 カラー:片面 最高20枚/分
両面 最高11ページ/分
モノクロ:片面 最高22枚/分
両面 最高12ページ/分ランニングコスト A4カラー文書:約6.0円/枚
A4モノクロ文書:約1.3円/枚
実際に印刷して違いを確かめる
[動画] こんな様子で計測してましたよ -
今回の検証では、パソコンからの出力で行なっております。
■パソコンの性能は
・CPU=Core i3
・RAM(メモリー)=4GB
・HDD=総容量750GB/空き563GB
・OS=Windows8.1(64bit)
■ 時間計測のタイミングは、パソコンの操作で「印刷スタート!」のボタンを押した時から、複数枚印刷を完了させた時までを計りました。あわせて、プリンタが動き出すまでの時間も計測。()内に表記しています。
また、カラー対応の機種でモノクロ印刷する時は、モノクロ印刷の設定にしております。
■ 印刷のデータはPDFを使用。
・「ありそうでない旅行パンフレット」DATA1枚を、10枚連続印刷
・「ありそうでない資料」は8枚の校正を1組、印刷
家庭向けのインクジェットプリンタでA4用紙を給紙セットする際、縦が長い状態でセットするかと思いますが、このモデルは横向きでセットします。
A3サイズの印刷に対応している機種のため、用紙幅の余裕があるので横向きで給紙した方が紙送り時に多くの面積が印刷できるので効率は良いですよね。
モノクロプリントの比較
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レーザー MFC-L2740DW 印刷時間(10枚):34秒90(9秒)
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レーザー MFC-9340CDW 印刷時間(10枚):46秒07(7秒)
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インクジェット MFC-J6980CDW 印刷時間(10枚):1分04秒(7秒)
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レーザー MFC-L2740DW 印刷時間(8枚:3部):50秒50(11秒)
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レーザー MFC-9340CDW 印刷時間(8枚:3部):1分06秒95(10秒)
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インクジェット MFC-J6980CDW 印刷時間(8枚:3部):1分21秒30(17秒)
まずはそれぞれのDATAをモノクロで印刷してみました!
1番速く印刷できたのはモノクロ専用機『MFC-L2740DW』! 次にカラーレーザー複合機の『MFC-9340CDW』で、カラーインクジェット複合機『MFC-J6980CDW』が3番目という結果でした。
速いだけではいけません。印刷の仕上がりもしっかり確認すると、正直、私の予想ではレーザー方式の印刷は同じ仕上がりになると思っていたのに、かなりの差が出ています。
1番スピーディーだったモノクロ専用機『MFC-L2740DW』は画像写真や色分けの所は、他2つと比べるとやや粗い印象ではありますが、テキスト資料をターゲットにしているのか、文字や罫線などはクッキリしていて見栄えは良いのです。
カラーレーザー複合機『MFC-9340CDW』は、黒色が濃く、画像も文字も見やすくキレイ!カラーレーザー特有のコーティングがされているのか、薄っすらツヤツヤ感も出ていて本当にパンフレット感覚の印象です。
カラーインクジェット複合機『MFC-J6980CDW』は、グレーの階調が出ているのに、軽やかな仕上がりに。文字はハッキリしていて見やすいのですが、印刷スピードを重視しているのか、画像部分などを見てみると、薄っすらとつぶつぶ感が残っています。
カラープリントの比較
次に全く同じデータをカラー印刷が出来る2機種で印刷してみました。
カラーレーザー複合機『MFC-9340CDW』は、新聞でカラー印刷されているページをより、キレイに印刷したような出来栄えです。色はやはり濃い目で色階調はまあまあかな~?と思うのですが、会議の資料をカラーで印刷するなら納得できる仕上がりです。実際のデータに忠実な色味ですので、画像に質感を求めないのなら安心の印刷結果になっていると思います。
カラーインクジェット複合機『MFC-J6980CDW』は、色階調は少しチューニングが入っているのか、顔写真の肌色感などがきれいになっており、実際のデータよりも見た目のインパクトとしては「こちらの方が良いな~!」と感じました。インクジェット方式は普通紙に滲みやすく、スピードも考えると「薄い仕上がりになるかな?」と予想をしていたのですが、逆に色調はハッキリしている印象でした。
耐水性を比較してみよう
ちょっと意地悪な耐水性テストも行ってみましょう。水をいれた桶に資料をぶち込みます。ここまでビッタビタになるまで水に浸かる事は無いと思いますが、心を鬼にしてやってみました!
印刷用紙は普通に市販されている、レーザーにもインクジェットにも適合するような、表面に凹凸の少ないちょっと価格の良い普通紙です。わかってはいますが、インクジェットが圧倒的に不利な状況。紙が破れない程度にカラー印刷したものを水にビッタビタします。
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レーザー -
レーザーのプリントは水はじきが強い
結果は上の写真のように、レーザー方式では紙が耐久性の限界ギリギリの状態です。
インクジェット方式はカラー印刷の裏うつりがハッキリしています。現場ではビチャビチャにしたので、紙から水の滴りが、おさまるまで手で持って待っていたのですが、赤系のインクが滲んで水も少し赤くなり、青系の滲みも少し出ていました。
やはりレーザー方式はビクともせず、それどころか印刷面は水を弾く感じで水玉が出来ていました。
正直、ここまでレーザー方式が強いとは思ってもいませんでした。提案してはみましたが、実際にやってみるもんですね!
小さな文字も読めるのか比較
ビジネス用途で一番重要なのが文字の仕上がり。どこまでクッキリ・ハッキリ見られるのか?もチェックです。こんなに小さい文字の会議資料を出したら怒られるぞ、というような少し厳しいサイズまで確認してみます。フォント(文字の形)も2種類印刷しました。
レーザー方式では「4pt」まではクッキリ・ハッキリしています。ただ、小さいサイズの文字にはチューニングが入るのか、少し太めになってきて「2pt」になると文字が潰れてしまいました。ここまで小さい文字の印刷はなかなか行わないと思いますが、もし使用されるようでしたらフォントを選ぶ必要がありそうです。
インクジェット方式では大きい文字は何となく滲みかな?と思うぐらいでパッと見ではハッキリ・クッキリしています。小さい文字はインクの量を少なくしてしまうので、やや擦れているかのような仕上がりに。潰れている感じはありませんが、少し読みにくく感じます。
はがき印刷比較
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『プリントテラス』のサイトから無料素材をチョイス! -
レーザー インクジェット -
レーザー方式ではフチなし印刷が出来ないんです
ハガキ用紙にも印刷をしてみました。
厚手の紙になるので給紙に負担がかかるハガキ印刷。 レーザー方式は高温でトナーを溶かして印刷するので不利だろう!というのが私の予想です。
素材はブラザー社が運営する『プリントテラス』のホームページから素材を選んで3枚プリントしました。(『プリントテラス』は年賀状印刷などに役立つ素材が無料でダウンロードできますよ!)
■ 時間計測の結果は・・・
・カラーレーザー複合機『MFC-9340CDW』は、36秒
・カラーインクジェット複合機『MFC-J6980CDW』は、3分40秒
大差でレーザー方式が速かった! ・・・チョット予想と違いましたね。でも、よくよく考えると、そうでした。
レーザー方式は同じ内容の印刷ならば、版画を刷るみたいに次々と紙に転写していくだけですが、インクジェット方式はカンタンに言ってしまうと、横に筋作るようにインクを落として絵を作るので、ヘッドは何度も左右に往復しないと1枚に仕上がりません。そう考えるとこの結果は当たり前だったんです。
そうなんです!レーザー方式は印刷スピードがやはり速いのです。が、弱点が一つございます。パソコンからは全く同じデータを送信しましたが、インクジェット方式ではフチまで印刷が出来ているのに対して、レーザー方式ではフチが出来てしまいました。トナー・感光体ユニットを通る所の関係で、どうしてもレーザー方式ではフチなし印刷は出来ないのです。
ビジネスマンには重要なポイント! 消せるペンで耐久比較
とてもコアな実験もやってみました。最近の文房具に書いても消せるインクペンがありますよね! ビジネスマンには必須アイテムで、ものすごい人気のアイテム。今やスッカリ手放せない方も多いと思います。そんなペンを使って、実際に印刷した物にマーカーを引き、間違ってマーカーしてしまったぞ!という状況を仮定して、マーキングした部分を消してみましょう。
ブラザー社の営業の方が「会議資料でこういった場面によく出会うから試してみたい!」との事でやってみました。ここまでの検証で相当な時間がかかっているのに、突然増やされたニッチな検証。この営業の方をこすって消・・・やめておきましょう。
結果はインクジェット方式では印刷のインクが伸びるように黒ずんでしまいました。レーザー方式(カラー印刷の出来る機種)では耐水実験の時と同様に、表面コーティングのおかげでビクともしません。重要な会議資料の印刷には考慮していただければ良いのかな~?という感想になりました!