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2024.11.25

Joshin 試用レポート

3メーカー電子ピアノ比較! 弾き心地や音色を確かめる

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3メーカー電子ピアノ比較! 弾き心地や音色を確かめる

電子ピアノが欲しいけど、価格や機能、弾き心地など、どんな電子ピアノを選べばいいのか悩んでしまう…。
そんなお客様に代わって今回は、カワイ・ヤマハ・カシオの3メーカーの電子ピアノで、音色や性能の違いを確かめてみました!
本格的なタッチのピアノが欲しい、設置場所は省スペースがいいなど、お客様に合ったピアノ探しに参考にしてみてください。 ライター:ぴよこ

電子ピアノの特長

電子ピアノはデジタル機能を生かした機能が魅力!

  • ピアノ経験のあるスタッフが演奏してみました
    ピアノ経験のあるスタッフが演奏してみました
  • 電子ピアノは『調律などのメンテナンスがいらない・ヘッドホンが使える・設置スペースが少ない・録音機能が使える・スマホと連携して電子ピアノのスピーカーでスマホの音楽が流せる』など、機械ならではの機能が魅力です。

    特にヘッドホン機能は、マンション住まいの方や、夜に練習したい方には必須の機能!
    でも、弾き心地はグランドピアノなどと比べてどうなの?と気になるのではないでしょうか?

    そこで今回は、カワイ・ヤマハ・カシオの3大メーカーの電子ピアノを比較!
    学生時代にピアノ教室はやめた筆者やスタッフたちが記憶を頼りに演奏してみました。

今回試用する電子ピアノ

  • カワイ CA(Concert Artist)シリーズ CA501

    カワイ CA(Concert Artist)シリーズ CA501

  • ヤマハ クラビノーバ CLP-845

    ヤマハ クラビノーバ CLP-845

  • カシオ セルヴィアーノ AP-550

    カシオ セルヴィアーノ AP-550

今回試用するのは『カワイ CA501』、『ヤマハ クラビノーバ CLP-845』、『カシオ セルヴィアーノ AP-550』の、各メーカーラインナップで、ミドルクラス的な位置付けとなっている3つの電子ピアノです。
電子ピアノは、ホワイト調・木の温かみを感じる茶・ピアノらしい黒の3色が用意されている事があり、今回の3台も色味は異なりますが3色展開となっています。

筐体が大きく存在感のある電子ピアノ。
クラシカルな印象と重厚感のある姿は、部屋に圧迫感をもたらす場合もありますので、最近では見た目に軽やかなホワイト調の人気も高まっています。
部屋の印象に合わせてお好みのカラーをお選びください。

3社とも弾き心地にこだわった木製鍵盤を採用

  • カワイ CA501
    カワイ CA501
  • ヤマハ CLP-845
    ヤマハ CLP-845
  • カシオ AP550
    カシオ AP550

昔の電子ピアノは「樹脂鍵盤」が一般的でしたが、最近では弾き心地を重視して木製鍵盤を採用するモデルも多くなっています。
今回の3モデルは木製鍵盤を採用し、グランドピアノのハンマー構造も意識した設計ですので、ご自宅で本格的にピアノを練習したい方にも適したモデルです。

タッチや打感の表現力

カワイ CA501は鍵盤を押した時の動きはグランドピアノと同じ「シーソー式」を採用しています。
押し心地や跳ね返りの感触、音の強弱といったグランドピアノができる表現を電子ピアノで再現します。

ヤマハ CLP-845は、非常に弱いタッチで鍵盤を押してもその感触を表現できる機構を搭載。
ヤマハ独自の「グランドタッチ-エス鍵盤」により、繊細な音色から雄大な音色までを表現します。

カシオ AP-550は、ハンマーアクション機構を採用しており、独自のデジタル制御により、押した時の感触に合わせて音の強弱などもコントロールします。

詳しい感想は下記『演奏してみた』の欄で動画と共にご確認いただけますが、3社とも実際に演奏すると鍵盤の重さや指の滑り、強弱の表現などは本格的です。

操作部・内蔵曲・音色の違い

  • カワイ CA501は有機ELディスプレイ搭載
    カワイ CA501は有機ELディスプレイ搭載
  • ヤマハ CLP-845はフルドットLCDが配置
    ヤマハ CLP-845はフルドットLCDが配置
  • カシオ AP-550はタッチパネルを採用
    カシオ AP-550はタッチパネルを採用

操作部は各社とも鍵盤の左側に配置し、内蔵音色やレッスン曲、録音、メトロノーム機能が呼び出せます。

カワイには2.4インチの有機EL、ヤマハにはフルドットLCDによるモニターを搭載。
その下のボタンを押すとメニューがモニターに表示されるので、選択中の状況を目で見て確認ができます。

カシオはタッチパネル式を採用しており、ボタンと鍵盤を合わせて使うことで、音色やメトロノーム、曲の選択などの設定が変更できます。
設定時には鍵盤の前側(ビジュアルインフォメーションバー)に情報が表示されますが、小さく英語で表記がされるため、よく使う機能や音色は使う内に体で覚えそうな印象でした。
電源ボタンが唯一、鍵盤の前側にあり、パネルに埋め込まれた目立たないデザインになっています。

音色数
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
45音色 38音色 26音色

カワイは最高峰のフルコンサートピアノ「SK-EXコンクールグランド」や「EXコンサートグランド」「SK-5」を含む45音色。
ヤマハは世界的に有名な2つのコンサートグランドピアノ「ヤマハ CFX」「ベーゼンドルファー インペリアル」をサンプリングした音色を含む38音色を収録。
カシオは演奏曲のジャンルやイメージに合わせて使い分けることができる、独自の2つのグランドピアノ音色を含む26音色より演奏が楽しめます。

レッスン曲
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
365曲 303曲 60曲

電子ピアノには様々なレッスン曲が内蔵されており、曲を再生しながら演奏の練習が行なえます。
カワイとヤマハは、ハノン、バイエル、チェルニー、ブルグミュラー、ソナチネといった教則本のレッスン曲を300曲以上収録しており、カシオはクラシックなどの定番60曲が収録されています。

カワイとヤマハに内蔵されている教則本はピアノ教室では必ずと言っていいほど通るので、正しい音とリズムをピアノの前で確認しながら練習が出来る曲がたっぷり内蔵されているのは、これからピアノを始める方には心強い機能です。

譜面立て

  • カワイ CA501は角度調整+ストッパー付き
    カワイ CA501は角度調整+ストッパー付き
  • ヤマハ CLP-845は固定式+ストッパー付き
    ヤマハ CLP-845は固定式+ストッパー付き
  • カシオ AP-550は差し込んで固定する
    カシオ AP-550は差し込んで固定する
角度調整
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
3段階 固定 固定
譜面ストッパー
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
あり あり なし

カワイは譜面台の角度を3段階に調整でき、譜面を安定して立てられます。
譜面ストッパーもついているので、演奏中にページがめくれるのも防げます。

ヤマハは固定式で、譜面が90度に近いような角度で譜面が立っている、というような角度です。
アップライトピアノなどに使い慣れている方だと見慣れた角度かも知れません。
楽譜が立つような角度だと、演奏中に楽譜が落下することもありますが、譜面ストッパーが支えてくれます。

カシオは固定式で譜面台は着脱式です。
譜面ストッパーはありませんが、譜面を支える台は後ろに傾斜しているので、ストッパーがなくてもしっかり支えられている印象でした。

イスとペダル

  • カワイ CA501
    カワイ CA501
  • ヤマハ CLP-845
    ヤマハ CLP-845
  • カシオ AP-550
    カシオ AP-550
イス
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
高低自在イス 高低自在イス 高低自在イス

イスは3社とも本体カラーと同じカラーの高低自在イスが付属します。
ペダルは3社とも3本ペダル(ダンパー・ソステヌート・ソフト)で、カラーはカワイ・ヤマハがシルバー、カシオがゴールドとなっています。

イスに座ってペダルを踏んだ時の配置は、3社とも特に違和感の無い配置だと感じました。
踏み心地はどれもグランドピアノのようなしっかりとした重さがありましたが、その中でも最も重かったのはヤマハ、軽く感じたのはカワイです。

各社、グランドピアノのように踏んだ分だけ音がコントロールされるような繊細な設計がされており、今回スタッフから「ペダルに違和感がある」という意見はなく、踏み心地や音色の変化はとても自然な印象でした。

スピーカー

  • カワイ CA501
    カワイ CA501
  • ヤマハ CLP-845
    ヤマハ CLP-845
  • カシオ AP-550
    カシオ AP-550
スピーカー
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
8×12cm×2(ディフューザー付)
13cm×2
16cm+8cm×2(ディフューザー付) 12+3.5cm×2

スピーカーの数が多いほど、音の強弱や音色の変化の表現力が上手くなります。
どのメーカーも4スピーカーではありますが、カワイ CA501は上面放射スピーカー(ディフューザー付)を搭載しており、音を上方向に放出する事でグランドピアノと同様の音の広がりを再現します。

筆者が演奏した印象としては、カワイは圧倒的に音が良くてかなり差があると感じました。
ヤマハは音がピアノの内側で響くような音、カシオはダイナミックで元気な音、というような印象でした。
カシオはグランドピアノのように天板が開く、電子ピアノにはあまり見かけない遊び心のあるデザインです。

鍵盤カバーは3社ともスライド式

  • カワイ CA501
    カワイ CA501
  • ヤマハ CLP-845
    ヤマハ CLP-845
  • カシオ AP-550
    カシオ AP-550
鍵盤カバーの重さ
カワイ CA501 ヤマハ CLP-845 カシオ AP-550
重め 重め 軽い

鍵盤カバーは3社ともスライド式です。
カバーを少し持ち上げて押し込むと本体の中にカバーが収納されますが、カワイ・ヤマハのカバーは厚みがあり重さもありました。
カシオはカバー自体が軽い上に、スライダーで滑りやすくなっているので、小さなお子様でも開閉が楽にできるような軽さです。

演奏してみた

実際に過去にピアノ教室に通っていたスタッフが、違いを体感してみました。
それぞれ自宅の練習では、筆者(ぴよこ)は電子ピアノ、くれあはアップライト、ぴよ太郎はキーボードを使用。
覚えている感触を元に、今回の電子ピアノはどう感じるか確かめます。

ちなみに動画は筆者の演奏によるものです。
もう何年も弾いていない状況から、初見の曲で、自宅の電子ピアノと事務所に設置した電子ピアノの両方を使って、1日4~5時間、1週間は毎日弾いた後に録音をしたものです。
その練習中の時の弾き心地も踏まえて感想をまとめました。

カワイ CA501

スタッフが演奏してみました カワイ CA501

ぴよこの感想

まず鍵盤の質感や押した時の感触が古い電子ピアノとはくらべものにならないくらい本格的でグランドピアノのような重さです。
久しぶりにピアノを弾く場合には「うわ!重い!」と、長時間引くとしっかり指の疲れる練習になります。
3台の内鍵盤が最も角ばった印象で、見た目にシュッとしててカッコイイ鍵盤です。

鍵盤の重さもさることながら、タッチ通りに音の強弱がつき、ペダルもしっかり重いです。
ちょっとでも力を抜けばアラが出る、というのが分かるので、現役でピアノ教室に通われている方や、これから通う予定のある方の練習にもしっかり答えてくれるかと思います。
音はハリのあるクリアな音で、スピーカーの性能や配置が良いのだと思いますが、ピアノから違和感なく音が鳴っていました。

長時間練習して指が疲れて動きが遅れ、筆者の場合は鍵盤の奥(黒鍵近く)を押しがちになりますが、それでも音の鳴りが安定しているように感じました。
個人的には本気で練習を再開するならカワイが良いなと感じました。

くれあの感想

比較的、軽いタッチで弾けると感じました。
鍵盤の質感はサラサラとしており、手に汗をかいてもつっかかりや滑りは抑えられそうです。
指を高速移動させて弾く「乙女の祈り」だと1番弾きやすく感じました。

ぴよ太郎の感想

鍵盤を押した感覚が3つの中でちょうど中間、重すぎず軽すぎずちょうどいい押し心地でした。
音域ごとに弾き心地が違い、強く弾くとより音の重みが感じられて、実際のグランドピアノを弾いているようです。
ヘッドホンの音質もとても良かったので、マンションでも好きな時間に好きな音量で演奏できるのが魅力的だと感じました。

ヤマハ CLP-845

スタッフが演奏してみました ヤマハ CLP-845

ぴよこの感想

カワイと同様に鍵盤・ペダルがしっかり重く、本格仕様です。
実際に演奏しているとカワイよりも重く、長時間の練習で鍵盤の奥(黒鍵近く)を押して指が浮いている時なのか、そのミスタッチをしっかり拾って音に反映していたので、カワイの時よりも演奏時の音が下手に感じました。

音はカワイよりも少しこもったような音に聞こえます。
演奏中には少し違和感がありましたが、演奏している方の音を聞いているとそこまで違和感はありませんでした。
イスに座って音を聞くのと、ピアノから離れて音を聞くのでは印象が違うかも知れません。
自宅でヘッドホンを着ける事が多い方ならそこまで気にならないかも。

くれあの感想

普段はヤマハのアップライトピアノで練習していますが、鍵盤の重みや軽いタッチだと音が出にくいといった箇所は、アップライトピアノの弾き心地に近いと感じました。
音はクリアに感じ、低音の奥行きがありました。
「ピアノソナタ悲愴第2楽章」を弾きましたが、強弱の表現もつけやすく、主旋律を際立たせた演奏をしやすかったです。

ぴよ太郎の感想

弾き心地が一番グランドピアノに近いと感じました。
鍵盤を押すときの重みと返しがグランドピアノを弾いているときの感覚のようです。
音についても部屋全体に響き渡るような音がして、音量を小さくしても聞き取りやすかったです。
鍵盤の重みのわりに少しの力加減でも強弱を感じ取ってくれるので、クラシックを弾くのに適していると感じます。

カシオ AP-550

スタッフが演奏してみました カシオ AP-550

ぴよこの感想

電子ピアノも天板が開く時代がやってきました。
開閉することで音の響き方に大きな違いはないようですが、見た目にちょっとテンションが上がります。

カシオの鍵盤も押すと重みがあります、押した後にスッと奥まで沈む感覚がカワイとヤマハに比べて軽い印象で、アップライトピアノの鍵盤の感触に近いとも感じられました。
今回は他の2社と比較していますので、もしカシオだけを触っていたら、樹脂製鍵盤が主流だった電子ピアノがこんなグランドピアノらしくなったのか…と思っていたのは間違いありません。

音は元気でハリのある音が鳴るので、演奏していて楽しかったです。
他の2社に比べて少し伸びがあるので、ペダルを使わなくても音と音のバトンタッチが途切れにくいです。
元気な音と伸びのある音色に、他よりも少しタッチが軽かった分、筆者のように昔弾いていたので趣味として演奏を楽しみたい、というような方なら充分すぎる弾き心地です。

ぴよ太郎の感想

1番鍵盤が軽く、テンポが速く指の動きが速い曲でもとても弾きやすく感じました。
個人的に鍵盤の質感がとても好きでした。つるつるではなく木目が感じられて、クラシックな雰囲気があります。
リッドシミュレーターがとても気に入りました。
グランドピアノでしか表現できない大屋根を開閉したときの音の表現が、電子ピアノでここまで鮮明に表現できるのかととても感動しました。

まとめ

カワイ CA501-A ヤマハ CLP-845-WB カシオ AP-550-BN
鍵盤 木製(白鍵) 木製(白鍵) 木製(白鍵)
音色数 4538 26
レッスン曲 365 303 60
アンプ出力 50W+50W×2 45W+45W×2 20W+20W
スピーカー 4ユニット 4ユニット 4ユニット
付属イス 高低自在イス 高低自在イス 高低自在イス
譜面台の角度調整 3段階 固定式 固定式
外形寸法:W×D×H
譜面立て含まず
1425×485×930mm 1450×460×927mm 1401×440×891mm
質量 65kg 60kg 49.5kg
ヘッドホン 付属 付属 別売

今回登場した電子ピアノは全て木製鍵盤を採用し、現在ピアノ教室に通っていてご自宅でもグランドピアノの弾き心地や音の表現を求める方にも、しっかり練習になるモデルです。
その中でも、スピーカー性能にこだわるならカワイのCA501、しっかりとした重さのある押し心地ならヤマハ CLP-845、趣味として演奏を楽しむならカシオ AP-550、操作性を求めるならディスプレイが搭載されたモデルなど、特長や性能によって個性は違います。

電子ピアノの定番機能である録音機能やヘッドホン機能はもちろん搭載されておりますし、録音機能を使って左手・右手でのパート分け練習も行なえます。
カシオとヤマハに付属するヘッドホンは、着け心地が良くてかなり音も良く、スタッフにも好評でした。

電子ピアノの購入でお悩みの方が、お客様が電子ピアノの機能でどの部分を特に重要視しているか、優先するかを考えつつ、この比較特集も参考にしていただければ幸いです。

2024.11.25(ぴよこ)

スタッフが使ってみました

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