2020.12.05
Joshin 試用レポート
片手で持てるソニーのフルサイズミラーレス機『α7C』実機レビュー!


ソニー フルサイズミラーレス一眼カメラ α7C
フルサイズのカメラというと『ボディが大きくて重さもある』というのが当然だと思っていたのですが、ソニーから登場したα7Cはその常識を覆す、軽量でコンパクトなモデル!
もはやAPS-Cセンサーのα6000シリーズと変わらないような大きさで「本当にフルサイズなのか」と疑ってしまうほど。
センサーサイズよりも軽量・コンパクトを重視されていた方には、ヒジョーにねらい目のα7シリーズとなっていますよ!
ライター:ぴよこ
フルサイズなのにコンパクト! カジュアルに撮影が出来るα7C
モニターはボディの左側に出せるバリアングルのタッチ対応モニターで、ハイ/ローアングルの撮影や自撮りもカンタンに行えます。
筆者は、フルサイズα7シリーズには、本格的な撮影を行う目的が色濃く、サイズよりも連写性能や操作性などにかなりこだわっているイメージがあるので、EVFも本体から飛び出すものとばかり思っていましたが、α7シリーズとしては初めてEVFが本体に埋め込まれている形状になっています。
背面の操作部は、ソニーユーザーなら使い慣れた配置です。
どちらかというとα6000シリーズに近い見た目ですが、本体上部のモードダイヤルがしっかり突起していて操作しやすく、露出補正ダイヤルが独立して配置している辺りは、α7シリーズらしい操作性です。
ただし、フロントダイヤルと2つのカスタムボタンはなくなり、録画ボタンが大きく配置されています。
左側面に3つのカバーがあるので開けてみましょう。
上のカバーには、ヘッドホン出力、マイク入力、中央のカバーはSDカードスロット×1、下部にはHDMIとUSB Type-C端子が配置。
α7Cとα6400を持ちくらべてみる
α7C | α6400 | |
---|---|---|
外形寸法(幅×高さ×奥行)mm | 約124.0×71.1×59.7 | 約120.0×66.9×59.7 |
質量(本体のみ) | 約424g | 約359g |
撮像素子 | 35mmフルサイズ(35.6×23.8mm) ExmorR CMOSセンサー |
APS-Cサイズ(23.5×15.6mm) Exmor CMOSセンサー |
姿形がよく似ているα6400シリーズと持ち比べてみました。
手に持った印象はほんとに近い!
大きさが同じで重さはα6400より約80g重いので、ややズッシリしているようにも感じますが、女性でも片手で操作を行える重さと大きさには納まっています。
とんでもなくコンパクトなフルサイズ機です。
α7IIIとも大きさを比較してみる
α7III | α7C | α6400 | |
---|---|---|---|
外形寸法(幅×高さ×奥行)mm | 約 126.9×95.6×73.7 | 約 124.0×71.1×59.7 | 約 120.0×66.9×59.7 |
質量(本体のみ) | 約565g | 約424g | 約359g |
撮像素子 | 35mmフルサイズ(35.6×23.8mm) ExmorR CMOSセンサー |
35mmフルサイズ (35.6 x 23.8mm) Exmor R CMOSセンサー |
APS-Cサイズ(23.5×15.6mm) Exmor CMOSセンサー |
同じフルサイズのα7IIIも用意して、3つ並べてサイズを見比べてみましょう。
レンズを外して中をのぞくと…α7Cは、まごう事なきフルサイズカメラだと証明されるセンサーサイズ!
同じフルサイズのα7IIIも、比較的ボディは小さいですが、重さは500gを超えて厚みもあります。
最高約10コマ/秒の連写性能と、リアルタイムでトラッキングを行う瞳AF
AF/AE追随連写…最高約10コマ/秒
これだけコンパクトなのにも関わらず、α7Cは最高約10コマ/秒の連写性能があり、サイレント撮影にも対応しています。
サイレント撮影は全くシャッター音が聞こえないので、動物などを驚かせたりすることもなく、被写体の自然な姿を捉える事ができますよ。
AIテクノロジーを駆使したリアルトラッキングによって、AFの追従性も高く、動く被写体もしっかりとらえて離しません。
瞳AFも進化し、リアルタイムで瞳を追いかけ続ける事も可能になりました。
MENUより設定をみてみると、動物の瞳にも対応し、左右どちらの瞳にAFをあてるかの設定も行えるので、よりイメージどおりの撮影が行えるかと思います。
暗い場所にも強い! 常用ISO感度が最大51200!
センサーサイズが大きいと、光を1度で取り込める量も多くなるので、暗い場所での撮影にも力を発揮します。
α7Cの常用ISO感度はなんと51200と非常に高感度。
51200ならどれくらいのノイズなのか、拡張ISOならどうなるのか、ISO感度を変えて同じ被写体を撮影して試してみました。
ISO51200でも黒塗りの部分のノイズが少ない
ISO100、ISO51200、ISO204800で撮影を行ってみました。
クリックしていただくと画像を拡大してご覧いただけますが、ISO51200はややザラつきを感じるものの『え?この程度?』だと筆者は感じました。
ISO204800だとさすがにざらつきを感じますが、ログ目的で撮影をしたりするなら充分です。
もっと寄って画像を確認してみましょう。
画像の一部を抜粋して並べてみました
ISO値を刻んで撮影した画像の一部を抜粋して並べました。
ISO100~1600前までは、ほぼ変わりませんでしたが、ISO1600くらいから床に反射した光の部分にザラつきが現れはじめます。
引きで見たISO51200も、拡大してみるとノイズが目立ちますが、光の無い黒い部分のザラつきはかなり少ないかと思います。
拡張ISO感度まで行くと、黒塗り部分へのノイズはかなり目立ち始めます。
作例
まとめ
筆者は普段マイクロフォーサーズの比較的重量のあるミラーレスカメラを使用しています。
カメラが好きなので撮影をするぞ!という時には持ち運びますが『ちょっとそこまで』という場面では「重たいし、今日はいいかな…」と家でお留守番をさせて、行先でシャッターチャンスに出会い「持ってくればよかった」となる事が多々あります。
α7CはAPS-Cサイズのカメラと変わらないようなコンパクトサイズになっており、片手でシャッターが切れるほどの重さです。
『大きくて重たい』と、フルサイズ機の購入に二の足を踏んでいた方には、かなりオススメです!
他のα7シリーズに比べると機能的にはやや劣るかも知れませんが『よりよい画質にこだわりながらも、気軽な撮影を楽しみたい』という方にはピッタリのα7シリーズとなっています。
「ちょっとそこまで」という時でも持っていきやすいフルサイズのカメラがここにありますよー!
2020.12.05 (ぴよこ)