
【おすすめ】天体望遠鏡の比較&選び方! 人気のメーカーもご紹介
2025.3.18[更新]
天体望遠鏡は、宇宙を身近に感じることができるアイテムです。高価なイメージがありますが、簡易的なものなら1万円前後から購入できます。天体望遠鏡は、各メーカーからさまざまな製品が登場していますが、初めて選ぶ際は製品ごとの違いや、選ぶ基準がわからないという方も多いでしょう。ここでは、Joshin webのカメラ担当者が、天体望遠鏡を選ぶ際のポイントをご紹介します。メーカーごとの特長やおすすめのモデルについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

Joshin webカメラ担当者「ダブルK」が、天体望遠鏡のポイントやおすすめモデルを紹介いたします!
天体望遠鏡で夜空が天文ショーになる
天体望遠鏡は、肉眼でははっきり見ることができない天体を拡大して観察できる道具です。観察できる星の種類や鮮明さはモデルによって異なりますが、月・火星などの太陽系の惑星や小惑星のほか、星雲、銀河なども見ることができます。
天体望遠鏡の倍率や大気の状態によっては、月のクレーターや土星の環、火星の極冠など、細部まで観察することが可能です。図鑑や教科書でしか見たことのない宇宙の景色を、実際に自分の目で観察し、宇宙の壮大さを体感することができます。
天体望遠鏡の仕組み
天体望遠鏡を構成するのは、レンズや鏡が入っている「鏡筒」、鏡筒を支える「架台」、鏡筒と架台をしっかり固定する「三脚」の3つの部分です。鏡筒には、星の光を集める対物レンズや反射鏡が取り付けられており、光の集め方によって、「屈折式」「反射式」「カタディオプトリック式(反射屈折式)」の3つのタイプに分類されます。レンズや鏡の口径が大きいほど多くの光を集められ、天体を明るい状態で観察しやすくなります。


天体望遠鏡は高価なイメージがありますが、エントリーモデルであれば1万円前後で手に入ります。夜空に輝く星々を手軽に観察することができるので、まずは比較的値ごろ感のあるモデルから試してみてはいかがでしょうか。ビギナーの方には、スマートフォンで見たい天体までナビゲートしてくれる機能を備えたモデルもおすすめです。
天体望遠鏡を選ぶ際のポイントとは?
天体望遠鏡は、1万円前後から数十万円までの価格帯で、さまざまなモデルが登場しています。選ぶ際には、下記のようなポイントをチェックしましょう。
鏡筒のタイプ:ビギナーには屈折式がおすすめ
天体望遠鏡を選ぶ上で最初にチェックすべき点は、鏡筒のタイプです。レンズに光を集める方法によって3つのタイプに分かれます。それぞれの違いについて見ていきましょう。
屈折式
屈折式は、対物レンズを使って光を集めるタイプの天体望遠鏡です。鏡筒の先端にある対物レンズで光を集め、その光は鏡筒内を通過し、後端にある接眼レンズで像を拡大します。この構造により、鏡筒の後方から観察対象に向かってのぞくことができ、観察対象を見つけやすいという特長があります。さらに、視界が明るく安定しているため、ビギナーにも観察がしやすいタイプです。また、お手入れが簡単で、ほこりを取り除いたりレンズを拭いたりするだけで保管できるため、メンテナンスの手間も少ないというメリットがあります。しかし、複数のレンズを使用しているため、ほかのタイプの天体望遠鏡に比べて重い製品が多いことには注意が必要です。

反射式
反射式は、凹面鏡を使って光を集めるタイプの天体望遠鏡です。鏡筒の端にある凹面鏡で光を集め、その光は鏡筒内の斜鏡によって反射され、接眼レンズを通じて像を拡大します。天体の色のにじみや歪みが少なく、観察対象がシャープに見えることが特長です。また、大口径モデルでも比較的手頃な価格で入手することができます。さらに、別売りのアダプターを使用して、天体写真を撮影することも可能です。一方で、反射式は観察対象に対して90°の方向からのぞく構造になっているため、使い方に慣れるまで時間がかかることがあります。さらに、内部の汚れや光軸のずれを防ぐために、こまめなメンテナンスが必要なことから、中級者から上級者向けのタイプだといえます。

カタディオプトリック式(反射屈折式)
カタディオプトリック式(反射屈折式)は、レンズと鏡を組み合わせて光を集める、屈折式と反射式を合わせたようなタイプの天体望遠鏡です。鏡筒が短いので比較的コンパクトで扱いやすく、星などのにじみが少ない観察を行えるのが特長です。また、屈折式と同じく、観察対象に向かってのぞくタイプです。ただし、光軸の調整がやや難しいため、一般的には中級者から上級者向けのタイプとされています。

架台のタイプ:気軽に観察するなら経緯台
天体望遠鏡は、製品ごとに備えている架台のタイプが異なります。主に「経緯台」と「赤道儀」の2タイプがあるので、特長を理解しておきましょう。
経緯台
経緯台は、鏡筒を縦横に動かして天体を捉えるタイプの架台です。このタイプは、組み立てや操作が比較的簡単で、天体観測のビギナーにも扱いやすくおすすめです。しかし、星の日周運動を長時間追跡するのには向きません。短時間の観察や、特定の天体を素早く捉える場合には便利ですが、長時間の精密な追尾をしたい場合は、赤道儀タイプの架台を検討しましょう。

赤道儀
赤道儀は、天の北極(地球の自転軸を北に伸ばしたとき天球と交わる点)を中心に、回転するように動かすタイプの架台です。動きが独特なので扱いに慣れる必要がありますが、星の日周運動に合わせて、長時間にわたる本格的な観察をすることができます。天体を高倍率で見たい方や、天体写真を撮影したい方におすすめのタイプです。

口径:ビギナーは80~130mm程度が目安
天体望遠鏡を選ぶ際は、口径のサイズにも注目しましょう。口径が大きいものは多くの光を集められるので、暗い天体や遠くの天体の観察に最適です。ただし、口径が大きいほど本体サイズも大きくなります。ビギナーには、80~130mm程度の口径のものがおすすめです。
倍率:観察対象に合った倍率を選ぶ
天体望遠鏡を選ぶ際は、適切な倍率のものを選ぶことが大切です。倍率が高いからといって必ずしも天体がよく見えるわけではなく、望遠鏡には最適な倍率の範囲が存在します。一般的には、最低倍率と適正倍率(口径の2倍)がその基準です。最低倍率以下や適正倍率以上では、視界がぼやけてしまうことが多いため、観察対象に合わせて適切な倍率を選ぶ必要があります。
例えば、月を観察する場合、月全体を見るには約50倍、月のクレーターや海を見るには約70倍、月面の細かな起伏を見るには約150倍の倍率が目安となります。

明るさ:口径比が小さいほど明るい
天体望遠鏡を使って暗い天体をはっきり観察したい場合は、明るさの数値にも注目しましょう。明るさの指標は、「対物レンズの焦点距離」を「対物レンズの有効径」で割った口径比で表され、この数字が小さいほど観察対象を明るく見ることができます。

分解能:天体を細部まで観察したいなら数字が小さいモデルを
天体望遠鏡で星や月の細部まで観察したい場合は、分解能を確認しましょう。分解能とは、観察対象をどれだけ細かく見分けることができるかを示す指標です。数字が小さいほど細部まで観察できることを示しています。
大きさや重さ:持ち運びを考えて選ぶ
天体望遠鏡を選ぶ際には、持ち運びのしやすさも重要な要素です。天体望遠鏡は屋外で使用することが多いため、大きすぎたり重すぎたりすると持ち運ぶのが難しく、それが原因で天体観測への意欲が減少することもあります。そのため、自身の体力や移動手段に合った、無理なく持ち運べる大きさと重さのモデルを選ぶことが大切です。

カメラ・スマートフォン接続:撮影したいなら接続可能なモデルを
天体望遠鏡で観察だけでなく撮影も楽しみたいなら、カメラやスマートフォンと接続できるモデルがおすすめです。また、より本格的な撮影をしたい方には、「拡大撮影」や「直焦点撮影」に対応している製品をチェックしてみてください。ただし、カメラやスマートフォンを天体望遠鏡に接続するためには、アダプターや専用ホルダーを別途購入する必要がある点には注意しましょう。

自動追尾機能:長時間観察する際に便利
天体望遠鏡には、自動追尾機能を搭載するモデルもあります。自動追尾機能とは、時間の経過とともに動く天体を、自動的に追跡してくれる機能です。この機能があると、天体の動きを手動で追跡する手間が省け、より集中して観察や撮影をすることができます。長時間の観察や撮影を行いたい方におすすめの機能です。
自動導入機能:探すのが難しい天体も簡単に観察できる
天体望遠鏡には、見たい天体を自動で探してくれる、自動導入機能がついているモデルもあります。この機能は、専用のコントローラーやスマートフォンのアプリを使用して、観察したい天体を自動で探し出し、視野に収めてくれます。
通常、天体望遠鏡で天体を観察するには、肉眼で観察対象の位置を特定し、ファインダーを使って鏡筒の向きを微調整する必要がありますが、ビギナーにとっては難しい作業です。自動導入機能があれば、観察したい天体を指定するだけで、自動でその天体を捉え、視野に入れてくれるため、すぐに天体観測を始めることができるでしょう。


天体観測のビギナーなら、扱いやすさを考えて、屈折式かつ経緯台タイプのモデルを選ぶのがおすすめです。口径が大きくなると本体サイズも大きくなるので、持ち運びを考えた上で、適切な大きさと重さであるかどうかもチェックしましょう。
メーカー別・天体望遠鏡の特長
天体望遠鏡は、各メーカーから多種多様なモデルが登場しています。ここでは、主要メーカーの代表的な製品の特長をご紹介しますので、製品選びの参考にしてください。
ビクセン:ビギナー向けから上級者向けまでさまざまなモデルがそろう
ビクセンは、1949年創立の総合光学機器メーカーです。「多くの方が星空を楽しみたくなる」時代や文化を作り出すことを目指し、「星を見せる会社」になるというビジョンを掲げています。天体望遠鏡や双眼鏡、フィールドスコープなどを開発・販売しており、星空鑑賞会なども開催している企業です。天体望遠鏡は、ビギナー向けから上級者向けまで、高機能ながら比較的リーズナブルなモデルをそろえています。ビギナーにも使いやすいものでは、組立てやすく扱いやすい「ポルタII」や、小型で持ち運びにも便利な「スペースアイ600」などがあります。

セレストロン:惑星や星雲の観察に幅広く使える
セレストロンは、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く天体望遠鏡メーカーです。1950年代に事業を始め、世界で初めてシュミットカセグレン式天体望遠鏡の大量生産に成功したメーカーです。日本では、ビクセンが総代理店となっています。同社の代表的な天体望遠鏡「C8 SCT OTA CG5」は、惑星や星雲などの観察に幅広く使える優れもの。ビギナーにもおすすめな、エントリークラスのモデルもそろっています。

ミザールテック:ビギナー向けやコンパクトな卓上モデルも
ミザールテックは、天体望遠鏡や双眼鏡、フィールドスコープなどを製造・販売する光学機器メーカーです。天体望遠鏡は、1万円台から5万円程の価格帯で、ビギナー向けのモデルやコンパクトな卓上モデルなどをそろえています。持ち運びもしやすく、気軽に天体観測を楽しみたい方にピッタリです。

ケンコー・トキナー:自動追尾機能付きで長時間の観察も可能
ケンコー・トキナーは、写真用品と光学製品の製造・販売を行う光学製品メーカーです。天体望遠鏡は、ビギナー向けのモデルから、自分で別売りのアクセサリーを追加してカスタマイズできる上級者向けのモデルまで、幅広く取り揃えています。ビギナー向けには、軽量かつコンパクトで自動追尾機能もついた「スカイエクスプローラー」シリーズや、天体観測だけでなく自然観察にも使える「SKY WALKER」シリーズなどが人気です。

Joshin webカメラ担当者が厳選! おすすめ天体望遠鏡
ではここで、プロの視点で厳選した天体望遠鏡をご紹介しましょう。いずれもJoshin web のカメラ担当者によるセレクトです。こちらを参考に、ぜひご自身にピッタリのモデルを見つけてください。
担当者おすすめの天体望遠鏡
- 会員様web価格 4,310円 (税込)44 円相当(1%) ポイント進呈限定 「おひとり様1点」最短 4月25日( 金 ) 出荷◆キュートなコンパクト望遠鏡です。
◆見やすい倍率で、天体観測も地上観察もこれ一台で楽しめます。 - 会員様web価格 8,664円 (税込)87 円相当(1%) ポイント進呈最短 4月25日( 金 ) 出荷2023年06月 発売◆スカイウォーカーSW-50Aは、天体観測も地上観測もできる望遠鏡
◆スマートフォンアダプターも標準装備されていますので、スマートフォンを取りつけて写真や動画も撮影することができ、見た感動を映像として残すことができます
◆付属品が充実していて、買ってすぐにお使いいただけます - 会員様web価格 13,000円 (税込)130 円相当(1%) ポイント進呈「おひとり様3点まで」最短 4月25日( 金 ) 出荷◆カバーを開けると鏡筒の中が見えるようになっており、望遠鏡の仕組みが学べる学習用天体望遠鏡キット
◆学習用ながら本格的な光学系を採用し、月面のクレーターやガリレオ衛星なども観測可能
◆スマートフォンアダプターが付属しているので、満ち欠けにより毎日表情を変えるその月のクレーターまで手軽に写真に残せます - ◆軽量3.3kgのコンパクトな天体入門機。組立、操作ともにとても簡単です
◆架台部には上下、水平方向に微調整で動かせるハンドルがついていますので、目的の星を導入しやすく観測の際は便利です
◆簡易ウェッジを内蔵しているため、赤道儀としても簡易的に使用できます
- 会員様web価格 24,000円 (税込)240 円相当(1%) ポイント進呈最短 4月25日( 金 ) 出荷◆軽量コンパクトな天体・地上兼用望遠鏡
◆三脚はワンタッチ開脚式、鏡筒はネジ1本で固定、工具レスで簡単組立て
◆天体・地上兼用タイプですので、月や惑星、さらには野鳥や風景などの観察ができます - 会員様web価格 33,636円 (税込)337 円相当(1%) ポイント進呈お届け:4~5ヶ月2024年05月 発売◆主鏡直径70mm、焦点距離1,080mmの天体望遠鏡鏡筒・経緯台式架台・三脚のセット
◆光学系は、コンパクトながら高倍率の観察に適したマクストフカセグレン反射式を採用
◆月面のクレーターや土星の環、木星の模様やガリレオ衛星などが観測可能 - 会員様web価格 38,500円 (税込)385 円相当(1%) ポイント進呈「おひとり様1点」最短 4月26日( 土 ) 出荷2019年02月 発売◆エントリー向け口径70mmの屈折式鏡筒セット
◆惑星や月面の観測、写真撮影に!
◆A70Lf鏡筒搭載モデル - ◆40,000個以上の天体情報を内蔵したハンドコントローラーで観たい天体を簡単に導入
◆スターブライトXLTコーティングによる優れた透過率
◆バッテリー容量約84Wh、約7時間使用可能な天体望遠鏡用のポータブル電源
天体望遠鏡を上手に使うコツ
天体望遠鏡を上手に使うためには、事前準備やお手入れが欠かせません。下記でご紹介する3つのコツを押さえておきましょう。
ファインダーを事前に調整しておく
天体望遠鏡は、はじめに見たい天体をファインダー(鏡筒の横に付いた小さい望遠鏡)で捉えることで、鏡筒の向きを調整します。そのため、望遠鏡とファインダーがピッタリ同じ方向を向いていなくてはなりません。そこで、事前に次のような調整が必要です。
<ファインダーを事前調整する手順>
1. 天体望遠鏡に、一番倍率の低い接眼レンズをセットします。
2. 1km以上離れた対象物を選び、望遠鏡の視野の中心で捉えます。対象物は、建物や鉄塔など何でも構いません。
3. ファインダーをのぞいて、対象物が十字の真ん中に位置しているかを確認します。
4. ずれている場合は、ファインダーの光軸調整ネジを回して、真ん中に位置するように調整します。
見たい天体の位置を調べておく
天体望遠鏡で上手に天体を観察するためには、星座盤などを使って見たい天体の位置を調べておくことが重要です。天体の場所がわかったら、最も倍率の低い接眼レンズをセットし、ファインダーをのぞいて、見たい天体が視野の中心に来るように調整します。見たい天体を捉えたら、接眼レンズをのぞきながら視野の中心に来るように鏡筒をゆっくりと動かし、ピントを調整します。倍率を上げたい場合は、接眼レンズを高倍率のものに交換しましょう。

使用後はきちんとお手入れ
天体望遠鏡はデリケートな機器のため、使用後のお手入れをしっかり行うことが、性能を長く維持するためのコツです。レンズにほこりがついた場合は、さわらずにエアダスターで除去します。指紋や汚れがついてしまったら、市販のクリーニング液とクリーニングペーパーを使って拭き取りましょう。
使用後は、レンズにほこりが入らないように必ず鏡筒にキャップをし、寒暖差が小さいところで保管します。湿気はカビの発生などにつながるので、風通しの良い場所を選んでください。

ファインダーの調整や、見たい天体の位置を調べるのが難しいと感じる場合は、自動導入機能を使う方法もあります。専用のコントローラーやスマートフォンのアプリで見たい天体を選択するだけで視野に入れてくれるので、調整の手間やストレスがありません。
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天体望遠鏡があれば、宇宙がより身近に!
天体望遠鏡は、専門的な知識がなくても星や惑星を観察でき、宇宙を身近に感じられるアイテムです。高価で手の届かないものと思われがちですが、エントリーモデルは1万円台からそろっています。ビギナー向けのモデルであれば操作も難しくないので、お子様から大人まで気軽に天体観測を楽しむことができます。この記事を参考に、ぜひご自身にピッタリの一台を選んでみてください。