2016年10月5日にHi-STANDARDが事前告知なしで16年半ぶりとなるシングル『Another Starting Line』をリリースした衝撃からHi-STANDARDは、バンドが結成された90年代を彷彿とさせるような勢いで音楽シーンを席巻した。
「AIR JAM 2016」「AIR JAM 2018」の開催、カバーEP『Vintage & New, Gift Shits』、約18年ぶりとなるアルバム『THE GIFT』のリリース、初のアリーナ公演を含む全国ツアーの開催、ドキュメンタリー映画の公開などなど、現在進行系でぶっちぎりでカッコいいパンクバンドの活躍は、多くの人々の胸を熱くした。
2023年2月14日、恒岡章(Dr.)が急逝した。彼を失ったことは日本の音楽シーンにとっても大きな損失であったが、何よりHi-STANDARDに残された2人を、言葉にし尽くせない深い悲しみが襲ったことは想像に難くない。
バンドとしては、水面下で進行中のいくつものプロジェクトは、恒岡を失った後ほとんど全てが一旦仕切り直しになった。
しかし、2人はバンドを止めなかった。訃報の2か月前にレコーディングをしていた「I’M A RAT」を4月にリリースし、6月には恒岡とともに出演するはずだった「SATANIC CARNIVAL ‘23」に出演。EKKUN、ナヲ、ZAXという3人のサポートドラマーを迎えたステージは、間違いなく“Hi-STANDARDのライブ”だった。
そしてこの場で、横山も(「また必ず戻ってくるよ」)、難波も(「またハイスタをつくってくるからね、じっくりじっくり」)、Hi-STANDARDを続ける意志を明言。
実際、その約束はすぐに果たされた。2024年に開催されたNOFXの「The Final Japan Tour」ではZAXをサポートとして迎え、4本のライブを敢行。
Hi-STANDARDをフックアップし、彼らが世界的に飛躍するきっかけを与えた恩人でもある、西海岸の大御所のエンディングに花を添えたのだった。
それから1年半以上が経ち、2人は再び表舞台へ帰ってきた、ZAXという新たな仲間とともに――。
「Screaming Newborn Baby」と名付けられた6曲入りのミニアルバムは、まとまった音源としては『THE GIFT』以来8年ぶり、ミニアルバムとしては1stミニアルバム『LAST OF SUNNY DAY』以来約31年3か月ぶりの作品となる。
もちろん、新メンバーZAXが参加したレコーディング音源はこれが初めてとなる。
当然、この作品にたどり着くまでの道のりは平坦ではなかった。
横山が自身のコラムで書いた<皆さんが慣れ親しんだトライアングルは終わってしまった>という言葉にもあるように、2人は言葉では言い表せない感情を胸に、必死でもがいていた。
前には進みたい、簡単には進めない。絶望もあった、虚無もあった。
しかし、バンドに残された2人は、今を生きている。であれば前に進むしかない。
前に進みさえすれば、形や結果は後からついてくる。新たな作品を発表することで否定的な意見もあるかもしれないが、そんなことは関係ない。
たとえそんな姿が世間にとってどう映ろうが、それすらハイスタの生き様として見せていく。
壊しては創り、壊されては創り、壊れてしまっては創り、転がり続ける。それがロックンロールなんだ――そんな覚悟の末に辿り着いたのが本作なのである。
『Screaming Newborn Baby』と名付けられた6曲入りのミニアルバムは、まとまった音源としては『THE GIFT』以来8年ぶり、ミニアルバムとしては1stミニアルバム『LAST OF SUNNY DAY』以来約31年3か月ぶりの作品となる。もちろん、新メンバーZAXが参加したレコーディング音源はこれが初めてとなる。 (C)RS