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音楽の聴き方を永遠に変えた巨匠、ニコラウス・アーノンクール。その革新の精神とヨーロッパ室内管弦楽団との軌跡。
20世紀の音楽界において、最も深遠な影響を与えた指揮者、ニコラウス・アーノンクール。
彼は、私たちの音楽体験そのものを根底から変革した、真のパイオニアです。
チェリストとしてキャリアをスタートさせた彼は、自ら創設した「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」を率い、
まずバロック音楽の演奏に歴史的な革命を巻き起こしました。
しかし、その飽くなき探求心はバロックに留まりません。彼は、古典派、さらにはロマン派のレパートリーにおいても、作品誕生当時の「発見の精神」を呼び覚ますことのできる理想のアンサンブルを追い求めました。
1986年、若き「ヨーロッパ室内管弦楽団」との運命的な出会いが、音楽史に新たな章を刻むパートナーシップの幕開けとなります。
アーノンクールが楽団に要求したのは、安住の地からの脱却でした。
「歴史情報に基づいた演奏(HIP)」のアプローチを古典派や初期ロマン派のレパートリーにまで拡大する上で、極めて重要な意味を持ちました。
そこには極限まで研ぎ澄まされた色彩、聴き手の五感を直撃する生々しい緊張感、そしてリスクを恐れぬ大胆な挑戦――。
彼は楽団員たちに、慣習的な演奏との決別を迫り、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンといった巨匠たちの作品に秘められた、真の革新性を再発見させたのです。
当初「試み」として始まったこの関係は、やがて数十年にわたり、音楽界を震撼させ続ける画期的なコンサート、オペラ、そしてレコーディング活動へと昇華しました。聴衆に衝撃を与えたベートーヴェンの交響曲全集は、ピリオド奏法を採り入れたモダン楽器とナチュラル・トランペットを融合させ、一切の無駄を削ぎ落とした、エネルギッシュかつ極めてドラマティックなサウンドを創出しました。
この全集は、1992年のグラモフォン賞「レコード・オブ・ザ・イヤー」受賞をはじめ批評家から絶賛され、全世界で100万枚を超えるセールスを記録しました。
そしてシューマン、さらにはガーシュウィンに至るまで、彼らの演奏は常にセンセーションを巻き起こしました。
この比類なき共同作業は、ヨーロッパ室内管弦楽団を世界最高峰のアンサンブルへと変貌させただけではありません。
それは、演奏史における不滅の金字塔を打ち立て、今なお世界中の音楽家たちにインスピレーションを与え続ける「解釈の新たな世界基準」を確立したのです。
【演奏】
ニコラウス・アーノンクール(指揮)
ヨーロッパ室内管弦楽団
《DVD》
ベートーヴェン:
交響曲第8番 ヘ長調Op.93(全曲)
交響曲第6番 ヘ長調Op.68『田園』(全曲)
メイキング・オブ・シンフォニー
(交響曲第1-8番のリハーサルやインタビューなどを収録)
[収録]1.VII.1990, Stefaniensaal, Graz, Austria (Op.93 & 68, live)
NTSC 4:3 · Region code: 2 3 4 5 · PCM Stereo
字幕:英,独,西,仏,伊