
パソコンが起動しないときはどうしたらいい?原因と対処方法を紹介
2025.3.16[更新]
突然パソコンが起動しなくなると、仕事や生活に大きな支障が出てしまいます。パソコンが起動しない原因は、電力供給の問題やハードウェアの故障、ソフトウェアのエラーなどさまざまです。この記事では、パソコンが起動しないときに考えられる主な原因と最初に試すべきこと、症状別の対処方法などについて解説します。

Joshin web パソコン担当者「牛丼」が、パソコンが起動できない原因と対処法について解説します!
パソコンが起動しない原因とは?
パソコンが起動しない原因は、電力供給の問題やソフトウェアのエラーなど、さまざまなケースが考えられます。パソコンが起動しない主な原因は、下記のとおりです。
パソコンが起動しない主な原因
- 接続不良により正常に電力が供給されていない
- パソコン内部に電気や熱が溜まっている
- モニターやモニターケーブルが故障している
- BIOSの不具合による起動エラー
- ハードウェア(ハードディスク、SSD、メモリ、マザーボード、電源ユニットなど)の故障
ほかにも、メモリ(RAM)やグラフィックボード(GPU)をご自身で取り付けた際、正しく装着されていないと、パソコンが起動しない原因となる場合があります。
パソコンが起動しないとき、最初に試すべきこと
パソコンが起動しない場合、まずはパソコン本体やモニターが故障しているのか、一時的な不具合なのかを確認することが大切です。ここでは、パソコンが起動しなくなったとき、最初に試すべき簡単な対処方法をご紹介します。
電源ケーブルやコンセントの接続を確認する
電源ボタンを押してもパソコンの電源が入らない場合は、電源ケーブルやコンセントの接続状態を確認しましょう。電源ケーブルが、パソコン本体とコンセントにしっかりと接続されていることを確かめます。電源タップを使用している場合は、一度電源タップを外し、壁などに設置されたコンセントに直接パソコンの電源ケーブルを接続します。これは、電源タップの故障や、タコ足配線などで電力不足が起きている可能性を確認するためです。

周辺機器・増設機器を取り外す
パソコンの電源は入るものの起動しない、または起動してもすぐに止まってしまうような場合は、周辺機器や増設機器を外してから再起動してみましょう。
周辺機器を取り外す
パソコンに接続しているUSBメモリ、外付けハードディスク、プリンター、光学ドライブなどの周辺機器を取り外します。USB機器を複数接続していることが原因でパソコンが起動しないこともあるため、すべて取り外してからパソコンを起動してください。その後、パソコンが立ち上がった場合は、あらためてUSB機器を1つずつ接続して起動し、不具合のある周辺機器を特定してみましょう。
また、光学ドライブにディスクが入っていることが、パソコンの起動を妨げている場合もあります。ディスクを取り出すだけでパソコンが正常に起動することもあるため、光学ドライブの中も確認が必要です。

増設機器を取り外す
増設したパソコン内部のメモリを取り外して、起動するか確認しましょう。ほこりなどの汚れが原因でメモリが接触不良を起こしていると、パソコンが起動しなくなったり、一瞬電源が入ってもすぐに止まったりする症状が出ることがあります。ただし、メモリをすべて取り外してしまうとパソコンが起動しません。そこで、メモリをしっかりと挿し直したり、別の空いているスロットに挿し直したり、複数のメモリを挿しているなら1つだけ残したりして起動するか試してみてください。なお、メモリが破損している可能性もあるので、新しいメモリがあれば挿し換えて試すのもおすすめです。
メモリの抜き挿しで改善しないときは、デスクトップパソコンの場合、マザーボードのPCI スロットに挿さったグラフィックボードやサウンドカードなどを抜いて、起動するかどうか試してみてください。
モニターケーブルや電源ケーブルを挿し直す
パソコンの電源が入ってもモニターに何も表示されないときは、モニターと接続するケーブルの断線やコネクタ不良、モニター自体の故障などが原因の可能性が考えられます。その場合の主な対処方法は、下記のとおりです。
パソコンの電源が入ってもモニターに何も表示されないときの対処方法
- モニターとの接続ケーブルを挿し直す
- モニターの電源ケーブルを挿し直す
- パソコンを別のモニターに接続して、表示されるか確認してみる
上記の方法で解消されない場合は、パソコンをモニターにつなぐ接続ケーブルを交換してみてください。なお、接続ケーブルには、HDMI、DisplayPort、DVI、VGAなど、さまざまな種類があります。種類を間違えないよう、注意しましょう。

パソコンの放電を行う
パソコンを⾧時間使用していると、パソコン内部の回路や部品に電気が溜まる「帯電」という現象が発生して、起動しないことがあります。その場合、下記の手順で放電を行いましょう。
パソコンの放電方法
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ノートパソコンの場合は、バッテリーを取り外す(取り外し可能な場合)
- 電源ボタンを15秒間⾧押しし、パソコン内部に残った電気を放出する
- 2分以上放置してから、再度電源ケーブルやバッテリーを接続して起動する
パソコンの内部パーツの熱を冷ます
パソコンの内部パーツ、特にパソコンの性能を左右する重要なCPUなどが熱を持ちすぎると、起動しなかったり、突然のシャットダウンを引き起こしたりすることがあります。その場合は、下記の手順でパソコンの内部パーツの熱を冷ましましょう。
パソコンの内部パーツの放熱方法
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ノートパソコンの場合は、バッテリーを取り外す(取り外し可能な場合)
- 30分~1時間程度、パソコンにふれずに放置し、再度パソコンを起動する

上記の手順を試しても問題が解決しない場合は、メーカーサポートに相談しましょう。
パソコンが起動しないときの対処方法
これまでご紹介した対処方法を試してもパソコンが起動しないときは、パソコン内部の掃除やセーフモードでの起動、システムの復元といった対処をしてみましょう。詳しい方法は下記のとおりです。
パソコン内部を掃除する
パソコンが起動しないときの対処方法のひとつが、パソコン内部の掃除です。特に、デスクトップパソコンの場合、内部の冷却ファンやパーツなどにほこりが溜まり、起動しなくなることがあります。この場合、電源を切った上で電源ケーブルも抜き、パソコンの各種パーツを収めているPCケースを開けて、内部のほこりをエアダスターや帯電防止ブラシなどで掃除しましょう。なお、ほこりが原因でパソコンが異常な動作をすることもあるので、定期的な掃除は重要です。
F1キーを押して画面の指示に従い起動する
パソコンの電源を入れ、黒い画面に「Press F1 to Resume」「Strike the F1 Key to continue」といったメッセージが表示された場合、指示に従ってキーボードの「F1」キーを押すと、パソコンが起動する可能性があります。この現象が発生するときは、パソコン内部のパーツやバッテリーの劣化などが原因であることも考えられます。一時的にパソコンが起動できたとしても、根本的な問題解決をするには、メーカーや専門の業者による点検・修理などが必要です。

システムの復元を行う
パソコンのOSがWindowsであれば、搭載されている「システムの復元」ツールを使用するのも、パソコンが起動しないときの対処方法のひとつです。システムの復元を行うことで、システムファイルやレジストリ(Windowsのシステムやソフトウェアの設定に関する情報が記録されたデータ)などを、不具合が発生する前に作成された、復元ポイントの状態まで戻すことができます。
システムの復元の手順(Windows 10・Windows 11の場合)は下記のとおりです。メーカーやモデルによって手順が変わることがあるため、詳しくはパソコンの取扱説明書またはメーカーのウェブサイトを確認してください。
Windows のシステムの復元の手順
- パソコンの電源を入れ、起動画面の表示後、電源ボタンを押し続けて強制終了する動作を何度か繰り返す
- 「自動修復を準備しています」と表示後に「PCを診断中」という表示がされるのでそのまま待つ
- 自動修復画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「トラブルシューティング」を選択する
- トラブルシューティング画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「システムの復元」を選択する
- システムの復元画面で、使用するアカウントを選択してパスワードを入力後、「続行」を選択する
- システムの復元画面で、「次へ」を選択する
- 復元ポイントの一覧が表示されたら、希望する「復元ポイント」を選択し、「次へ」を選択する
- 復元ポイントの確認画面で詳細を確認した後、「完了」を選択する
- 画面の指示に従って、システムの復元を進める
リカバリーを行う
リカバリーとは、パソコンを購入時の初期状態に戻すことです。リカバリーを行うと、OSの不具合や破損したシステムファイルを修復できるほか、不要なプログラム・設定を削除して、システムを最適化する効果が期待できます。ただし、リカバリーを行うと保存しているデータはすべて消去されるため、重要なデータは事前にバックアップをとっておくことを忘れないようにしましょう。
リカバリーの手順(Windows 10・Windows 11の場合)は下記のとおりです。メーカーやモデルによって手順が変わることがあるため、詳しくはパソコンの取扱説明書またはメーカーのウェブサイトを確認してください。

Windows のリカバリーの手順
- パソコンの電源を入れ、起動画面の表示後、電源ボタンを押し続けて強制終了する動作を何度か繰り返す
- 「自動修復を準備しています」と表示後に「PCを診断中」という表示がされるのでそのまま待つ
- 自動修復画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「トラブルシューティング」を選択する
- トラブルシューティング画面で、「このPCを初期状態に戻す」を選択する
- 画面の指示に従って操作を進める
BIOSを初期化する
BIOSは、パソコンの電源を入れたときに最初に起動するプログラムで、OSの読み込みやハードウェアの制御などを行うものです。BIOSの不具合によりパソコンが起動しないこともあるため、BIOSの初期化を試みましょう。
BIOSの初期化には、パソコンの起動直後に「F2」キー(機種によっては「Delete」キーや「F10」キーなど)を連打して、BIOS画面を表示させることが必要です。BIOS画面が表示されたら、「Load Default」を選択します。続いて「Save & Exit」を選び、画面に「Save configuration and reset?」のメッセージが表示された後に「Yes」を選択し、Enterキーを押せば、初期化が完了します。
なお、メーカーやモデルによって、具体的な操作方法や表示される項目名が異なることもあるので、詳しくはパソコンの取扱説明書またはメーカーのウェブサイトを確認してください。
症状別・パソコンが起動しないときの対処方法
パソコンが起動しない症状には、エラーメッセージが表示されたり、起動が途中で止まったりするケースなど、さまざまなパターンがあります。ここでは、症状別の対処方法について見ていきましょう。
黒い画面に白い文字が表示された状態で止まる
パソコン起動時、黒い画面に白い文字でエラーメッセージが表示されて止まってしまうことがあります。この場合、エラーメッセージの種類によって対処方法が異なります。
Reboot and Select proper Boot device
「Reboot and Select proper Boot device」と表示されているときは、BIOSが起動可能なドライブを認識できないか、OSがインストールされているドライブを認識できない状態です。この場合、パソコン起動時にBIOS呼び出しキーを連打してBIOS画面を表示し、「Boot Order(ブート順序)」を確認します。OSがインストールされたハードディスクやSSDが最優先に設定されていないときは、順序を変更すると起動できるようになることがあります。BIOS呼び出しキーと設定方法は、メーカーやモデルによって異なるため、取扱説明書またはメーカーのウェブサイトを確認してください。
NTLDR is missing
NTLDRとは、Windowsを起動させるために必要なファイルのことです。「NTLDR is missing」という表示は、NTLDRファイルが見つからないため、パソコンを起動させることができない状態を意味します。データやシステムファイルが破損している可能性があるため、メーカーや専門業者に修理の相談をすることをおすすめします。
Windows のロゴで止まってしまう
パソコン起動時に、Windows 10・Windows 11のロゴで止まってしまう場合は、システムファイルを読み込むのに時間がかかっている可能性が考えられます。これは、Windows Update を行った後や、新しいアプリケーション・周辺機器用のドライバーをインストールした直後によく見られるトラブルです。
このようなときは「スタートアップ修復」を利用し、「更新プログラムのアンインストール」か「システムの復元」を実行すると改善する可能性があります。Windows Updateが原因でエラーが発生している場合は更新プログラムのアンインストールを、何らかの理由でシステムファイルが破損していて起動に必要なファイルを読み込むことができない場合は、システムの復元を行いましょう。原因がわからないときは、ひとつずつ試してみてください。
スタートアップ修復から上記の作業を行う手順(Windows 10・Windows 11の場合)は下記のとおりです。メーカーやモデルによって手順が変わることがあるため、詳しくはパソコンの取扱説明書またはメーカーのウェブサイトを確認してください。なお、スタートアップ修復には、1時間程度かかることもあります。
Windows のスタートアップ修復を利用する手順
- パソコンの電源を入れ、起動画面の表示後、電源ボタンを押し続けて強制終了する動作を何度か繰り返す
- 「自動修復を準備しています」と表示後に「PCを診断中」という表示がされるのでそのまま待つ
- 自動修復画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「トラブルシューティング」を選択する
- トラブルシューティング画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「更新プログラムのアンインストール」「システムの復元」のいずれかを選択する
- 更新プログラムのアンインストールの場合は削除したい更新プログラムを選択、システムの復元の場合は復元ポイントを選択して実行する
- 処理が完了したら、パソコンを再起動する
ブルースクリーン(青い画面)が表示された状態で止まる
パソコンの画面が青くなり、白い文字列が表示されている状態をブルースクリーンといいます。ブルースクリーンが表示された場合は、Windows のOSに深刻なエラーが発生している可能性があります。ブルースクリーンが表示された場合の対処方法は、下記のとおりです。
Windowsでブルースクリーンが表示された場合の対処方法
- 周辺機器を取り外してパソコンを起動する
- BIOSを初期化する
- 更新プログラムをアンインストールする
- システムの復元を実行する
- リカバリーを行う
- メモリを挿し直す、または交換する(メモリ関連のエラーの場合)
なお、更新プログラムのアンインストールを行うには、下記の手順(Windows 10・Windows 11の場合)を確認してください。
Windowsの更新プログラムのアンイストールの手順
- パソコンの電源を入れ、起動画面の表示後、電源ボタンを押し続けて強制終了する動作を何度か繰り返す
- 「自動修復を準備しています」と表示後に「PCを診断中」という表示がされるのでそのまま待つ
- 自動修復画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「トラブルシューティング」を選択する
- トラブルシューティング画面で、「詳細オプション」を選択する
- 詳細オプション画面で、「更新プログラムのアンインストール」を選択する
- 画面の指示に従って操作を進める
起動途中に止まり異音がする
パソコンが起動途中で止まり、異音がする場合は、ハードディスクやマザーボードなどの不具合が考えられます。異音の種類が「カチカチ」「カタカタ」という場合はハードディスクの故障、「ピピッ」「ピー」という電子音の場合はマザーボードやCPU、メモリの不具合の可能性があります。こうした音が聞こえるときは自己解決が難しいため、メーカーや専門の業者による点検・修理をおすすめします。
パソコンが起動しないときは修理や買い替えの検討も
これまでご紹介した対処方法を行ってもパソコンが起動しないときは、修理や買い替えを検討する必要があります。パソコンの修理や買い替えを検討する際のポイントについて見ていきましょう。
保証が過ぎている場合の修理依頼について
使用しているパソコンがメーカーの保証期間内であれば、無料または割引価格で修理対応してもらえることが多いです。メーカー保証期間が過ぎていても、有償で修理を受けることが可能ですので、一度メーカーへ相談してみましょう。 また、メーカーサポート以外にも、専門の修理業者に依頼する方法もあります。修理業者を選ぶ際は、評判や口コミを確認し、修理費用の見積もりを事前に取った上で、納得のいく業者を選びましょう。

修理より買い替えのほうが安く済むこともある
パソコンの使用年数が⾧い場合は、経年劣化による故障の可能性が高くなるため、修理よりも買い替えをするほうが、費用を抑えられる可能性があります。パソコンの買い替えを検討する目安は、使用年数が5年以上経過している場合、修理費用が新しいパソコンの半額以上になる場合、OSのサポートが終了または近々終了予定である場合などです。

パソコンが起動しないときは、症状を見定めて適切な対処を行おう
パソコンが起動しないときは原因を特定し、症状に応じた対処方法を試すことが重要です。電源ケーブルやコンセントの接続確認、放電、内部パーツの熱を冷ますなどの基本的な対処方法を行っても起動しない場合は、セーフモードでの起動、システムの復元、リカバリー、BIOSの初期化なども検討してみてください。
それでも改善しない場合は、メーカーや専門の業者の点検・修理を検討するか、パソコンの使用年数と修理費用を考慮して、買い替えを検討するといいでしょう。