密閉型ハウジングは、ハウジングが密閉構造になっているタイプです。音を閉じこめ、外に漏らさない構造ですので、電車や図書館などの公共の場で使うには適しています。構造上、小さな音でも聞き取りやすく、迫力のあるサウンドが特長です。低音域やビートのきいた、ロックやダンスミュージックに向いています。

• 密閉タイプ

開放型ハウジングは、ハウジングのドライバー背面にあたる部分がメッシュ構造などになっていて、開放されているタイプです。当然ながら音漏れがしますし、外部からの音も多少は入ってきますので、屋内のプライベート空間で使用する方に向いています。開放型ハウジングは音の抜けが良く、音質はクリアで高音域に伸びがあるため、女性ボーカルなどの再現性に優れています。

• オープンエアタイプ

オーバーイヤー型は、耳全体をすっぽり覆う、大きなハウジングを使ったタイプです。音表現の幅が広がることや、装着感が良く長時間の使用でも疲れにくいのがメリットです。サイズが大きく重量が増すため、装着時に動きにくく、持ち運びもしにくいデメリットがあります。自宅で使うには適しているでしょう。

オンイヤー型は、ハウジングが小さめで、耳にあてるように使うタイプです。小さく軽いため持ち運びに適しており、手頃な価格で購入できるモデルが多いのが特長です。ただし、ハウジングが小さいために、オーバーイヤー型と比べると音場が狭くなりやすいことや、耳に押しつける形になるため、長時間の使用には向かないというデメリットがあります。

左右のハウジングをバンドでつなぎ、このバンドを頭に載せるように装着するのがヘッドバンド型です。ヘッドホン全体の重量を頭で支えるため、重さや大きさが気になりにくいのが特長で、大きなハウジングを使って幅広い音表現ができます。ですが、ハウジングが大きく重くなってくると首や肩に負担がかかるほか、前後にずれやすくなったり髪型が崩れたりと、使い勝手の面でデメリットがゼロではありません。また、頭や耳の形にフィットするモデルが、なかなか見つからないケースもあります。

• ヘッドバンド型

ヘッドバンドを後方に移動させた形で、後頭部あるいは首を囲むようにバンドがセットされているのがネックバンド型です。見た目が軽快になり、しかも髪型が崩れる心配もありません。ヘッドバンド型のようにハウジングが前後にずれることもなく、安定した装着感が得られます。ただし、形状によっては、壁や椅子の背もたれに寄りかかるときに邪魔になることや、長時間の使用で後頭部や首周りに圧迫を感じることなど、デメリットもあるので注意しましょう。

• ワイヤレスネックスピーカー

通勤・通学の車内や移動中の飛行機の中などで、周囲の雑音を気にせずに音楽を楽しみたい。そんな方に欠かせないのが、ノイズキャンセリング機能。これは、ヘッドホンに取りつけたマイクで周囲のノイズを拾い、それとは逆位相の音を出力することでノイズを打ち消す技術です。音楽はもちろん、映画やゲームなどで没入感を味わいたいときには不可欠といえます。ただし、駅のアナウンスや近づいてくる車の音、誰かの呼びかけまで聞こえなくなってしまうと、不便なだけでなく、時に危険なことにもなりかねません。そのため、外部の音を取り込む「外音取り込み」の機能を持たせたモデルもあります。

• ノイズキャンセリング

CD音源の約6倍もの情報量を持つ高音質音源、それが「ハイレゾリューションオーディオ（High-Resolution Audio）」、通称ハイレゾです。ハイレゾ音源を楽しむなら、そのクオリティを引き出せるハイレゾ対応ヘッドホンがおすすめです。日本オーディオ協会の「ハイレゾオーディオロゴ」がついたものを選んでください。コーデックを利用するため、音質を追求するにはワイヤレスは不利といわれてきました。しかし、近年ではメーカー側の改良・改善が進み、有線ヘッドホンに劣らない高音質モデルもそろっています。特に、ソニーが開発したコーデック「LDAC」なら、ハイレゾの音質をワイヤレスで楽しめるでしょう。

ワイヤレスヘッドホンは充電式ですので、一定間隔で充電が必要です。1回の充電でどれほど連続使用ができるかは、モデルに搭載されているバッテリー容量や使用環境によっても異なります。ほとんど外に持ち出すことがないなら、連続使用時間をあまり気にしなくても構いません。ですが、オンライン会議を多用する方や、オンラインゲームをよくプレイする方は、大容量のバッテリーを備え、長時間の連続使用ができるモデルを選んだほうがいいでしょう。モデルによっては、20時間、30時間という長時間使用が可能なものもあります。コストや重量とのバランスも考えつつ、絞り込んでいってください。また、急速充電に対応したモデルであれば、短時間で充電できますから便利です。

ワイヤレス接続のヘッドホンは本来、有線接続は不要です。ですが、使用中に充電が切れてしまったら、もうヘッドホンを使うことができません。そんなときにも接続端子があれば、有線接続で使うことができます。また、電波が混線して接続状態が不安定な場所で役立つ場合もあるでしょう。

有線は音声遅延がないため、ゲームプレイや動画の視聴がストレスなくできますし、飛行機の機内のように、通信機能を切らなくてはならない場所でも問題なく使えます。また、有線接続をした場合だけ、ハイレゾ音源の再生ができるというモデルもあります。普段はほとんど使うことはありませんが、接続端子付きのモデルと非常用のケーブルを用意しておけば、いざというときでも安心です。

骨伝導ヘッドホンは、こめかみ付近の頭蓋骨に振動を伝えて、音として脳に伝えるタイプのヘッドホンです。耳をふさがないために周囲の音がよく聞こえるのが特長で、家事などの作業中や屋外でのランニングなどに適しています。耳に引っ掛けて装着するタイプが多いのですが、日頃からメガネを使っている人はフレームに干渉しないか、確認が必要です。

• 骨伝導ワイヤレスヘッドホン

ゲーミングヘッドセットは、ゲームプレイに特化したヘッドホンです。オンラインゲームには欠かせないボイスチャット用にマイクを装着したヘッドセットとなっています。プレイ中は音切れや遅延が大きなミスにつながるために有線タイプが多いですが、独自のワイヤレス規格を使うなどして、レスポンスを高めたモデルもあります。

• ゲーミングヘッドセット

長い歴史と実績を持つ信頼のブランド、ソニー。ヘッドホンの分野では、独自のノイズキャンセリング技術が高い評価を得ています。しかも、メガネの有無や装着ずれなど、ヘッドホンの装着状態を自動検出し、周囲の騒音環境に合わせて最適化する「オートNCオプティマイザー」で、理想的な騒音抑制効果を発揮します。さらに、外部の環境音を適度に取り入れる「外音取り込み機能」も装備していますから、交通の激しい屋外でも安全です。また、独自開発したBluetoothの圧縮規格「LDAC」で、ワイヤレスモデルながらハイレゾ音質を楽しむことができます。

• ソニー

日本生まれのオーディオ機器メーカー、オーディオテクニカは、幅広いラインナップが特長です。「ワイヤレスは初めて」というビギナーはもちろん、スタジオ勤務のプロも満足するモデルがそろっています。特に、ワイヤレスヘッドホンでは、軽さや薄さ、装着感に配慮したモデルのほか、最長60時間という長時間連続再生が可能なモデルもあります。また、いざというときのために、有線接続が可能なタイプも用意されていますので、ユーザーごとに違うニーズをくみ取り、迫力の高音質で応えてくれるメーカーといえるでしょう。

• オーディオテクニカ

マーシャル（Marshall）は、イギリスのアンプブランドで、多くのミュージシャンから愛されてきました。ギターアンプで磨き上げたマーシャルサウンドは、ワイヤレスヘッドホンにも活かされています。響く低音域と滑らかに鳴る中音域、さらにキレのある高音域の伸びと、全域にわたって鮮やかな印象です。約80時間の連続使用時間を実現しただけでなく、15分の充電で約15時間使用できるモデルもあり、電池のもちにも気を配っています。何より、ひと目でマーシャルとわかるルックスは、ほかのブランドにはない魅力です。

• マーシャル

ワイヤレスヘッドホンにはリチウムイオンバッテリーが使われていますが、この充電池は高温多湿に弱いという特性があります。気温が高く、しかも湿気の多い日本の夏は、ワイヤレスヘッドホンにとってはとても厳しい季節です。少しでも長く使いたいなら、ワイヤレスヘッドホンの置き場所にも気を配りましょう。もちろん、あまり神経質になる必要はありません。キッチンのそばや加湿器の近くなど、水や湿気が入り込む所や、陽のあたる窓際など、高温になりやすい所を避けるだけで十分です。

長時間の使用が多かったり、充電回数が増えていったりすると、それに合わせてバッテリーは消耗していきます。ですが、それとは別に注意したいのが、保管中のバッテリーの状態です。ワイヤレスヘッドホンに使われているリチウムイオンバッテリーは、残量ゼロの状態で保管しておくと劣化が急速に進んでしまい、充電ができなくなる可能性があります。長期間使わない場合でも、時々は充電しておくといいでしょう。なお、充電式のバッテリーは、「すべて使いきってから充電しないと寿命が縮む」といわれることがあります。これは「メモリー効果」と呼ばれるものですが、リチウムイオンバッテリーではこの現象は起こりません。