
エアコンを処分する方法6選!処分する際の注意点も解説
2025.3.24[更新]
エアコンの寿命は、10年程だといわれています。古いエアコンは、最新のエアコンに比べて省エネ性能が劣ることもあり、故障などを機に買い替えを検討する方も多いでしょう。なお、エアコン買い替えの際には、古いエアコンを適切な方法で処分する必要があります。本記事では、エアコンを処分する方法や処分にかかる費用のほか、処分する際の注意点、新しいエアコンを選ぶ際のポイントについて解説します。

Joshin web 家電担当者「K」が、エアコンを処分する方法について紹介いたします!
エアコンは家電リサイクル法にもとづいて処分する
エアコンは、粗大ごみとして捨てることはできません。一部の家電製品は、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)という法律により、有用な部品や材料を再利用することがメーカーに義務付けられています。エアコンを捨てる際には、この法律にもとづいた処分が必要で、基本的にはリサイクル料金や収集運搬料金を支払って、家電販売店や回収業者に引き取ってもらいます。
なお、家電リサイクル法の対象となっている家電は、「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」の4品目です。
エアコンに関しては、家庭用機器であれば「壁掛け形」「床置き形」「窓付け形」など、どのようなタイプのものでも対象になります。一方、業務用機器にあたる天井や壁に埋め込むタイプのエアコンや、天吊り形のエアコンなどは、家電リサイクル法の対象外です。
エアコンの処理には、リサイクル料金と収集運搬料金がかかる
エアコンの処分には、リサイクルや収集・運搬の料金が発生し、処分方法によって必要な費用が異なります。処分にかかる料金は、主に「リサイクル料金」と「収集運搬料金」の2つです。
リサイクル料金は、エアコンのメーカーや製品ごとに金額が決められています。どの家電販売店や回収業者に引き取ってもらった場合も同じ金額で、一部のメーカーを除いて、エアコン1台あたり990円もしくは2,000円(税込)のケースがほとんどです。
収集運搬料金は、家電販売店や回収業者によって異なりますが、一般的には2,000~3,000円代となっています。
指定引取場所に持ち込む場合はリサイクル料金のみ
ご自身で指定引取場所にエアコンを持ち込む場合は、収集運搬料金がかかりません。指定引取場所とは、家電販売店や回収業者が収集した家電を引き取る場所としてメーカーが指定した場所のことで、全国に326ヵ所(2024年8月現在)あります。
指定引取場所の場所は、一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センターや各市区町村のウェブサイトで調べられます。

リサイクル料金の支払方法
リサイクル料金の支払方法には、エアコンを引き取ってもらう際に直接支払う「料金販売店回収方式」と、回収前に郵便局などで料金を支払う「料金郵便局振込方式」の2つがあります。それぞれの違いについて見ていきましょう。
料金販売店回収方式
料金販売店回収方式では、エアコンを家電販売店や回収業者に引き渡す際、もしくは家電販売店で新しいエアコンを購入した際に、家電リサイクル券を受け取ります。どちらの場合でも、事前に郵便局で家電リサイクル券を購入する必要がなく、手間をかけずにエアコンを処分できるのがポイントです。
リサイクルの具体的な手順は、まず家電販売店や自治体に問い合わせを行い、エアコン回収の予約をします。指定の回収日に、やって来た回収業者から家電リサイクル券を受け取り、必要事項を記入してからリサイクル料金を支払いましょう。すると、処分するエアコンと引き換えに家電リサイクル券の控えを受け取ることができます。
なお、家電販売店で新しいエアコンを購入して、家電リサイクル券を受け取っている場合は、回収日の前に必要事項を記入しておけるので、当日の受け渡しがスムーズです。
料金郵便局振込方式
処分するエアコンをご自身で指定引取場所に持ち込む場合は、料金郵便局振込方式の家電リサイクル券を利用します。
具体的な手続きとしては、郵便局の窓口でリサイクル料金を支払い、家電リサイクル券を購入します。その後、家電リサイクル券をエアコンに貼り付けて、指定引取場所に持って行きましょう。
エアコンの主な処分方法
ここまで、家電リサイクル法に則ってエアコンを処分する方法についてご紹介してきましたが、エアコンの動作に特に問題がない場合、中古品として売却する方法もあります。
そのようなケースも含め、エアコンの主な処分方法には、下記の7つが挙げられます。
家電販売店に処分を依頼する
エアコンを買い替える場合、新しいエアコンを購入する家電販売店などに処分を依頼し、引き取ってもらうことができます。新しく購入せず処分だけを希望する場合は、処分したいエアコンを購入した店舗に依頼しましょう。なお、どちらの場合もリサイクル料金と収集運搬料金がかかります。

指定引取場所に持ち込む
処分したいエアコンを購入した店舗がわからなかったり、店舗がすでに閉店していたりする場合は、指定引取場所に持ち込んでエアコンを処分することが可能です。この方法は収集運搬料金がかからないため、費用の節約になります。
ただし、ご自身で取り外し工事業者を手配したり、エアコンを運んだりする手間がかかる点がデメリットです。

自治体の回収業者に依頼する
家電販売店などに引き取りを依頼できないけれど、自分で指定引取場所まで持って行くのが難しい場合は、各自治体が指定する回収業者に処分を依頼することも可能です。
この方法をとる場合、料金郵便局振込方式で事前に郵便局の窓口でリサイクル料金を支払い、家電リサイクル券を購入する必要があります。また、収集運搬料金もかかります。

リサイクルショップに売却する
古いエアコンを廃棄する以外には、リサイクルショップに買い取ってもらう方法があります。リサイクルショップに売却すればリサイクル料金がかからず、査定金額に応じて現金を受け取ることができます。
ただし、エアコンの買い取りを行っている店舗は限られており、エアコンの年式や状態によっては買い取りをしてもらえないので注意しましょう。

知人に譲る
古いエアコンを、エアコンが欲しい知人に譲る方法もあります。自宅まで取りに来てもらえば、運搬の手間や配送料もかかりません。
また、リサイクル料金もかからないため、金銭的負担が少なく済むのがメリットです。ただし、エアコンの取り外しだけは、専門業者に依頼する必要があります。

不用品回収業者に依頼する
エアコンの処分は、不用品回収業者に依頼することもできます。不用品回収業者は、エアコンの取り外し工事を行ってくれることが多く、リサイクル料金もかからないため、手軽に処分できる点がメリット。
ただし、家電リサイクル法を守らない違法業者もいるので注意が必要です。引き取ったエアコンを不法投棄されたり、エアコンを回収した後に高額な料金を請求されたりといったトラブルに巻き込まれるおそれもあります。

エアコンを処分する際の注意点
エアコンを処分する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。余計な出費をせず、トラブルを防ぐためにも、下記の点に注意しましょう。
エアコンが本当に故障しているのか確認する
エアコンが故障して処分するしかないと思っても、実は故障ではなく、適切な処置をすれば問題なく使えることがあります。
例えば、エアコンの風が弱いときは、フィルターにほこりが溜まって目詰まりを起こしている可能性があります。この場合は、フィルターの掃除をすることでエアコンを使い続けることが可能です。また、不具合が発生しても、電源プラグを差し直して再度電源を入れると、解消されることも少なくありません。
故障が疑われる場合は、まず取扱説明書を見て対処法を確認し、フィルターの掃除や電源の入れ直しなどで解決できないか確認しましょう。

エアコンの取り外しは業者に依頼する
エアコンの取り外しには専門的な知識と技術が必要なので、ご自身で作業するのは避けてください。
取り外しに失敗すると、本体が落下して破損したり怪我をしたりするリスクがあるほか、エアコン内部の冷媒ガスが漏れてしまうことがあります。専門の業者に依頼することで、安全に取り外しを行うことができます。

家電リサイクル券の控えを保管する
業者にエアコンの取り外し工事や回収を依頼すると、引き取りが完了した際に家電リサイクル券の控えを渡されます。この控えは、正しい方法でエアコンを処分した証明になるので、大切に保管しておきましょう。控えを渡さない業者は違法業者の可能性があるため注意してください。

新しいエアコンを選ぶ際のポイント
エアコンを買い替える際には、古いエアコンの取り外し工事や回収と同時に、新しいエアコンの取り付け工事を行うのが一般的です。ここからは、新しいエアコンを選ぶ際のポイントを解説します。
適用畳数:部屋の広さに合ったものを
エアコンの適用畳数とは、そのエアコンが備えている空調能力がどれくらいの広さの部屋に対応しているのかを示す指標です。部屋に対して適用畳数が小さいと十分な冷房・暖房ができず、反対に大きすぎると電力の無駄遣いになってしまいます。使いたい部屋の広さに合った適用畳数のエアコンを選びましょう。なお、「6~9畳用」といった表記がある場合は、木造住宅なら6畳、鉄筋コンクリート住宅なら9畳に適していることを意味します。

定格出力:使用環境によっては大きめのものを選ぶ
定格出力とは、エアコンの冷暖房能力を示すもので、kW(キロワット)を単位として、数字が大きいほど能力が高いことを表します。
通常は適用畳数を基準にエアコンを選べば問題ありませんが、西日が強く差し込むなど、使用環境の厳しい場所で使う場合は、同じ適用畳数のエアコンの中でも定格出力が大きいものを選ぶのがおすすめです。
省エネ性能:省エネ基準達成率でチェック
エアコンは、消費電力が大きく、夏季・冬季の家庭での電力消費の30%以上を占める家電です。省エネ性能が高いエアコンを選ぶことは、地球環境に優しいだけでなく、電気代の節約にもつながるでしょう。
エアコンの省エネ性能は時代と共に進歩しているため、新しいエアコンと10年以上前のエアコンでは、省エネ性能にかなりの違いがあります。資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、2013年製のエアコンを2023年製に交換した場合、約15%の省エネになるとされています。
エアコンの省エネ性能を判断するには、エアコンについている「統一省エネラベル」をチェックしてください。そのエアコンの省エネ基準の達成率や、年間の電気代の目安などが確認できます。

そのほかの機能:必要な機能を備えたものを選ぼう
前述したもの以外にも、エアコンにはさまざまな機能があります。シンプルな自動お掃除機能やタイマー機能は比較的多くのモデルに搭載されていますが、中には空気清浄機能やセンサー機能、AI機能などを備えた多機能なモデルもあります。下記を参考に、ご自身が欲しい機能を搭載したエアコンを探してみてください。
自動お掃除機能
フィルター自動お掃除機能がついたエアコンなら、通常2週間に1回程必要なフィルター掃除の手間が省け、フィルターの目詰まりを防止できます。
エアコンの中には、熱交換器やファンを自動で掃除してくれたり、エアコン内部の湿度を調整してカビの発生を抑制してくれたりといった、お手入れの手間を軽減するさまざまな機能を備えたモデルもあります。
タイマー機能
タイマー機能は、スイッチをオン・オフする時間を設定できる機能で、多くのエアコンに搭載されています。単純に「◯時にスイッチオン」「◯時間後にスイッチオフ」といった指定だけでなく、スイッチをオフにした後も、温度や湿度をチェックして、状況によっては再運転を行うといった機能を搭載したモデルもあります。
空気清浄機能
空気清浄機能は、エアコンで吸い込んだ室内の空気をきれいにする機能です。空気中を浮遊するカビやほこり、ウイルスなどをキャッチすることで、室内の空気を清潔な状態に保ちます。
センサーやAI機能
一部のエアコンには、室内外の温度を検知する温度センサーや、室内に人がいるかどうかを検知する人感センサーが搭載されており、センサーで読み取った情報をもとに適切な運転を行ってくれます。また、たくさんのセンサーから得た情報をAI が処理し、無駄なく効率的な自動運転を行うAI 機能を搭載したモデルもあります。
スマートフォン連携機能
スマートフォン連携機能に対応したエアコンなら、スマートフォンのアプリでエアコンを遠隔操作できます。この機能があれば、帰宅前にエアコンのスイッチを入れて部屋を冷やしておいたり、家の中で別の部屋のエアコンを操作したりすることが可能です。
除湿・加湿機能
エアコンの除湿機能は梅雨時や夏場に、加湿機能は空気が乾燥しやすい冬場に重宝します。除湿を行うと室温も多少下がりますが、再加熱除湿という除湿方法を採用しているエアコンなら、室温を下げずに湿気だけを取り除くことができます。これは、除湿時に冷えた空気を再び暖めてから放出することで、温度を下げずに湿度だけを下げる技術です。
正しい手順と方法でエアコンを処分しよう
エアコンは、家電リサイクル法によって処分の手順が決められています。新しいエアコンを購入する店で引き取ってもらったり、回収業者に依頼したり、指定引取場所に持ち込んだりと、さまざまな方法があります。
いずれの場合も、リサイクル料金や収集運搬料金を支払い、家電リサイクル券の控えを受け取るという正規の方法で処分することが大切です。
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