窓用エアコンのメリットは、第一に手軽さです。一体型のユニットなので、室外機の設置場所を気にすることも、配管工事を行う必要もありません。窓に取り付ければ、すぐに運転を始められます。取り付けには少々手間がかかりますが、決して難しいものではありません。説明書どおりにパーツを組み立てれば、容易に取り付けが可能です。専門の業者に依頼する手間も、コストもかかりませんし、壁に配管用の穴を開けることもありません。引越しをする際にも、簡単に取り外しができます。

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「一人暮らしを始めたけれど、入居したアパートにエアコンがない」という場合には、有力な選択肢のひとつになるでしょう。

窓用エアコンには、どの程度の広さの部屋まで対応できるか、おおよその目安が決められています。これを「適用畳数」といいます。 適用畳数は、「6畳〜8畳用」というように、幅のある表記がされています。これは「木造住宅なら6畳、コンクリート住宅なら8畳に適している」という意味です。木造住宅に比べて、コンクリート住宅は気密性が高く、空調効率が高いため、より広い範囲を冷やすことができるのです。

窓用エアコンは、セパレート型のエアコンと比べると冷房性能が低く、あまり広い範囲を冷やすことができません。設置する部屋の広さと適用畳数があまりに違うと、「エアコンの効きが悪い」「なかなか部屋が涼しくならない」ということにもなるので、注意しましょう。

適用畳数とは別に、エアコンの冷房性能を測る物差しがあります。それは、カタログのスペック表に「冷房能力」と書かれている数値で、単位はkW（キロワット）で表されます。この数値が大きいほど、冷房能力が高く、部屋をパワフルに冷房できます。窓用エアコンの選択に迷ったときは、冷房能力の数値を見て選ぶのもいいでしょう。

なお、東日本と西日本では電源の周波数が異なりますが、その違いが窓用エアコンの冷房能力にも影響します。東日本（周波数50Hz）よりも、西日本（周波数60Hz）のほうが、冷房能力が高くなるのです。そのため、60Hz仕様の製品は、適用畳数が0.5畳から1畳程度、大きく表示されています。窓用エアコンの多くは、電源の周波数が50Hzと60Hzのどちらにも対応可能です。電源の周波数切り替えスイッチがついている窓用エアコンは、使用する地域に合わせて、周波数を切り替えて使用してください。

窓用エアコンのほとんどは冷房専用ですが、中には冷暖房可能な製品もあります。ところが、暖房には冷房以上にパワーが必要。十分な暖房効果が得られず、運転時間が長くなってしまうと、結果として電気代がかさんでしまいます。部屋の環境や使用状況にもよりますが、窓用エアコンを冬場のメイン暖房とするのは、無理があると言わざるをえません。むしろ、窓用エアコンは冷房専用と、割り切ったほうがいいでしょう。

窓用エアコンを選ぶときは、設置予定場所に問題がないかどうかも、併せて確認しておくことが重要です。例えば、玄関ドアのように開閉するスイング窓には、窓用エアコンは取り付けできません。一般的な引き違いの窓であれば問題はありませんが、窓枠には十分な高さが必要です。

窓用エアコンのカタログには、取り付け可能な窓の寸法が記載されています。なお、窓の縦寸法が高すぎる場合でも、メーカーから発売されている延長枠を使用することで、取り付けられるケースもあります。 また、室内の家具の配置も重要です。タンスや本棚などが窓をふさぐように置いてある場合には、窓用エアコンを取り付ける前に、部屋の模様替えが必要かもしれません。

室内機と室外機が一体になった窓用エアコンは、セパレート型に比べると動作音が大きめ。寝室で夜間に使用するといった場合には注意が必要です。窓用エアコンのカタログを見ると、動作音がdB（デシベル）単位で表示されています。掃除機や洗濯機の動作音がおおよそ60dB、セパレート型エアコンの室外機が50dBですから、静音性を求めるのであれば、50dB以下の製品を選ぶのがおすすめです。また、寝室に取り付ける場合は、ベッドの位置を窓用エアコンから遠ざけるといった工夫をするといいでしょう。

窓用エアコンを使用すると、熱交換器に水がつきます。この排水をホースで排出するのが「ドレンタイプ」、エアコン内部の熱で蒸発させて排水不要としたのが「ノンドレンタイプ」です。窓用エアコンを設置しているのが2階以上の部屋で、階下に水を垂らしたくない場合には、ノンドレンタイプを選ぶといいでしょう。ただし、ノンドレンタイプであっても、あまりに湿度が高いときは水分を処理しきれず、背面から水しぶきが飛ぶことがあります。

窓用エアコンは、セパレート型のエアコンと比較すると消費電力が大きく、電気代も高くなる傾向があります。「なるべく電気代を抑えたい」という場合は、カタログ内の「消費電力」をチェックしましょう。この数値が小さいほうが、電気代は安く済みます。カタログには「年間電気代の目安」が記載されていることもありますので、こちらも参考にしてください。なお、窓用エアコンにも、設定温度に合わせて自動運転する機種や、人感センサーで人のいないときには運転をセーブする機種などがあります。電気代が気になる場合は、こうしたモデルを選ぶのもいい方法です。

窓用エアコンは、冷房運転や除湿運転中、本体内部のアルミフィン部分に結露することがあります。そのまま放置しておくと、カビや雑菌が繁殖して、嫌なにおいの原因となることも。送風運転を行い、本体内部の水分を乾燥させる「内部乾燥機能」搭載モデルであれば、そうしたトラブルを防ぐことができるでしょう。なお、内部乾燥機能で、カビや雑菌の繁殖を抑制することができますが、すでに繁殖してしまったカビや雑菌を除去することはできません。

定期的に清掃も行い、窓用エアコン内部を清潔に保つことが大切です。

セパレート型と同じく、窓用エアコンも日常的なメンテナンスが必要です。特に、空気の取り入れ口であるフィルターは、ほこりが溜まってしまうと冷房能力の低下に直結するため、定期的な手入れは欠かせません。 多くの製品は、フィルターが簡単に外せる構造となっています。中には、前面パネル全体を取り外して内部を掃除できるモデルや、フィルターを丸洗いできる物などもあります。

昭和の時代から、冷暖房機器や給湯機器を開発・発売してきたコロナ。その長い歴史と実績に支えられた信頼感で、ユーザーから多くの支持を得ています。また、毎年のようにモデルチェンジを繰り返す家電業界にあって、基本設計がほとんど変わらないのも、このメーカーの特長。それだけ、完成度が高いともいえます。

コロナの窓用エアコンは、快適さに配慮した機能を搭載しているのがポイント。室内の空気を排出する「換気機能」により、室内の二酸化炭素やたばこのにおいなどを抑制します。また、「マイナスイオン発生機能」は、マイナスイオンの発生量に応じて、「滝モード」と「高原モード」の2つのモードを切り替え可能です。 なお、コロナの窓用エアコンは、冷房・除湿専用機だけでなく、冷暖房兼用機もラインナップしています。

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生活家電や美容家電を幅広くラインナップする、コイズミ。コイズミの製品は、基本機能に絞り込んだシンプルな物が多いのですが、使いやすさや便利さを高める工夫が凝らされています。 窓用エアコンでは、手入れのしやすい「洗えるグリル」と「洗える熱交換器」を採用。前面グリルは汚れがつきやすく、カビやにおいの原因になりがちですし、背面の熱交換器に汚れが溜まると、冷房性能にも影響します。コイズミの窓用エアコンは、前面グリルと熱交換器のどちらも水洗い可能です。定期的に手入れをすることで、長く性能を維持できるでしょう。 そのほか、「マイナスイオン発生機能」や、睡眠中に快適な室温をキープする「快眠タイマー」など、かゆい所に手が届く機能を搭載しています。

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中国を本拠とする総合電機メーカー、ハイアール。日本に上陸して20年が経ち、冷蔵庫や洗濯機、窓用エアコンなど、さまざまな家電を送り出しています。 ハイアールの製品は、シンプルさが特長。窓用エアコンとしての基本機能に絞り、付加機能を排した設計は、潔さすら感じさせます。もちろん、便利さと快適さはしっかりサポート。丸ごと外して水洗いできるフロントパネルや、マイナスイオンを発生させて、室内をリフレッシュする機能なども搭載しています。また、就寝時の冷えすぎを防ぐ「おやすみ運転機能」や、暗い部屋でも見やすいバックライト付き液晶リモコンなど、ユーザーの視点に立った細やかな配慮が光ります。