
エアコンの取り付け工事とは?費用と注意点を解説
2025.3.23[更新]
エアコンの新規購入、買い替え時に必要となるのが、エアコンの取り付け工事です。住宅ごとにエアコンの設置場所が異なるため、購入予定のエアコンを問題なく取り付けられるのか不安に感じる方もいるでしょう。この記事では、エアコンを取り付ける際の工事内容や費用の目安、工事前に確認しておきたい注意点についてわかりやすく解説します。追加費用が発生するパターンや、古いエアコンの取り外し工事についてもふれていますので、エアコン購入時の参考にしてください。

Joshin web 家電担当者「K」が、エアコンの取り付け工事のポイントをご紹介いたします!
エアコン標準取り付け工事の概要
エアコンの取り付け時には、基本的な工事内容と費用を把握しておくことが重要です。まずは、エアコンの標準取り付け工事の内容や所要時間の目安、工事費用の相場について解説します。
エアコン標準取り付け工事の内容
エアコン標準取り付け工事(標準据付工事)とは、一般的な家庭にエアコンを設置する際に必要な、基本的な作業を指します。標準取り付け工事には、一般的に下記の工事内容が含まれています。
<標準取り付け工事に含まれる工事内容>
・配管パイプ4mまで
・室内側ドレン断熱1mまで
・室外機用樹脂台(庭・ベランダ置き)
これらの範囲を超える工事に関しては、別途費用が必要になる場合があります。

エアコン標準取り付け工事の所要時間の目安
エアコンの新規購入時の標準取り付け工事は、1台あたり1時間半~2時間程度で完了します。ただし、追加工事が必要な場合は、追加工事分の時間がかかることになります。

エアコン標準取り付け工事の費用の相場
エアコン標準取り付け工事の工事費用は、エアコンの能力(出力:kW)によって異なります。
Joshin web ショップでは、エアコン新規購入時の標準取り付け工事費用を下記のように設定しています。
※エアコンは、本体価格+標準取り付け工事費用を含む価格で表示しています。
■エアコン標準取り付け工事の工事費用
工事内容 | 適用エアコン(能力) | 工事費用 |
標準取り付け工事A | 3.6kWまで | 1万5,400円 |
標準取り付け工事B | 4.0kw | 1万7,600円 |
標準取り付け工事C | 5.6kw以上 | 2万2,000円 |
エアコン標準取り付け工事の前に確認しておくべき点
エアコンを取り付ける際は、事前に確認しておくべきポイントがあります。室内機・室外機の設置場所が条件を満たしていなかったり、工事のスケジュールに空きがなかったりすると、せっかく購入したエアコンが設置できないこともあります。スムーズな取り付け工事のため、以下の4点をチェックしておきましょう。
室内機の設置場所:天井まで5cm以上、左右5cm以上
エアコンの室内機を設置する際には、本体の上端から天井までと、本体の左右にそれぞれ最低5cmの余裕を確保してください。機種によっては10cm以上のスペースが求められる場合もあるので注意しましょう。これらのスペースは、設置時に壁掛け金具へ取り付けるときや、メンテナンス作業に必要なものです。また、本体上面にある吸い込み口をふさがないためにも、スペースを空けておく必要があります。
なお、室内機の設置位置よりも壁の配管穴の位置が高い場合、本体から排出された水が逆流することがあります。配管穴の高さと本体の設置位置との関係を確認しておくことをおすすめします。
<エアコン室内機の設置条件>
・室内機上端から天井まで5cm以上
・室内機の左右5cm以上

室外機の設置場所:前面と側面・背面にスペースがあるか
エアコンの室外機を設置する際には、前面に25cm以上、側面・背面に5cm以上のスペースを確保する必要があります。また、高さは室外機のサイズに加えて約10cm、奥行きは樹脂製台のサイズ約40cmが収まるスペースが必要です。室外機が冷風・温風を問題なく排出できるかどうかは、冷暖房の効率に大きく影響します。室外機の周囲に十分な空間が確保されていない場合、排出された冷風や温風を再び取り込んでしまうため、冷暖房効率が低下するおそれがあります。室外機の設置場所が極端な高温や低温にさらされる場所ではないかも確認しておきましょう。
<エアコン室外機の設置条件>
・室外機前面25cm以上
・室外機側面・背面は壁から5cm以上

ブレーカー(分電盤)のアンペア数:30A以上の電気容量が必要
エアコンを快適に使用するためには、一般的に30A以上の電気容量が必要です。ブレーカー(分電盤)のアンペア数をチェックして、30A以上の契約になっているかを確認しましょう。30A未満の契約の場合は、電力会社に連絡して契約アンペア数を30A以上に変更してください。

エアコン標準取り付け工事の予約空き状況:事前に確認が必要
エアコンの取り付け工事の多くは予約制です。冷房や暖房を利用する機会が増えるシーズンには、工事の予約が混み合うことが予想されます。時期によっては購入後すぐに取り付け工事ができない場合もあるため、事前に工事の予約の空き状況を確認することが得策です。混雑する時期を避けるためにも、エアコンの購入・買い替えはできるだけ早めに検討しておくことをおすすめします。

エアコン標準取り付け工事に含まれない追加工事の費用
エアコンを設置する際に、標準取り付け工事に含まれない工事が必要な場合は、追加工事の費用が発生します。以下のポイントについて事前に確認し、必要な追加工事があれば、あらかじめ取り付け業者に伝えて、見積もりを取っておくと、当日のエアコンの設置工事がスムーズに進行します。
エアコンの室内機を設置する壁に配管穴がない場合
エアコンの室内機を設置する壁に、配管を通す穴がない場合は「配管穴貫通工事」が必要です。なお、壁面素材がモルタル壁、ALC壁以外の場合、追加費用が発生します。マンション、公団などで壁に穴を開ける場合は、管理組合等の許可が必要なため、事前に確認をしておいてください。なお、壁に穴が開けられない場合は、窓にアルミパネルを設置してパイプを通す「配管パイプ窓貫通パネル工事」で対応できます。Joshin web ショップでは、以下のように価格を設定しています。
壁面素材 | 工事費用 |
モルタル壁、ALC壁の場合 | 0円~ |
ブロック塀、タイル壁の場合(壁の厚み10cm以内) | 5,800円~ |
コンクリート壁の場合(壁の厚み20cm以内) | 1万5,700円~ |
※タイル壁の場合、配管穴を開けることができない場合があります。
■配管パイプ窓貫通パネルの工事費用
窓の種類・高さ | 工事費用 |
標準窓(窓の高さ0.28~0.38m) | 6,000円~ |
標準窓(窓の高さ0.83~1.4m) | 8,500円~ |
テラス窓(窓の高さ1.15~1.92m) | 1万1,000円~ |
庭・ベランダ置き以外で室外機を設置する場合
エアコンの標準取り付け工事では、室外機は庭(地面)やベランダに設置することを想定しています。それ以外の方法で室外機を設置する場合には、追加費用が必要です。この場合、エアコンの能力(出力:kW)によって設置費用が異なるため注意しましょう。なお、庭・ベランダ置き以外で室外機の設置を実施する場合は、事前に工事費用の見積もりを取ってください。Joshin web ショップでは、以下のように価格を設定しています。
■庭・ベランダ置き以外の室外機の工事費用
工事内容 | 適用エアコン(能力) | 工事費用 |
室外機の壁掛け設置(※) | ~3.6kW | 1万5,400円 |
4.0~9.6kW | 1万6,500円 | |
室外機の公団吊り設置(※) | ~3.6kW | 1万5,400円 |
4.0~9.6kW | 1万6,500円 | |
室外機の屋根置き設置(※) | ~3.6kW | 1万5,400円 |
4.0~9.6kW | 1万6,500円 | |
屋根置き2階部分作業費 | - | 3,900円 |
屋根置き3階部分作業費 | - | 6,000円 |
屋根置き安全対策費 | - | 6,600円 |
※既設の壁掛け・公団吊り・屋根置き金具を使用できる場合は5,500円~。お手持ちのキャッチャーを組み立て・取り付けする場合は上記とは別に、作業費用6,800円が発生。そのほか、既設やお持ちの金具・部材・カバーなどを利用する場合も別途、工事費用が発生。
■室外機の2段置きの工事費用
工事内容 | 工事費用 |
室外機2段置き(重量60kg×2台まで) | 1万9,800円~ |
室外機2段置き(重量80kg×2台まで) | 2万4,800円~ |
※2段置きは、庭・ベランダ置きのみ対応。既設の室外機と組み合わせて2段置きとする場合は、2段置き工事料金に加えて室外機乗せ換えのため3,400円~の追加料金が発生。
エアコンからポコポコ音がするのを防ぐ場合
エアコンからポコポコ音がするのは、ドレンホースの出口から吹き込んだ空気が、エアコン内部のドレンパン(結露水の受け皿)を通過する際に音を出すことが原因です。強風がドレンホースに吹き込んだり、気密性の高い部屋で換気扇を使用したりすると、空気の逆流が起こりやすくなります。エアコンからのポコポコ音は、ドレンホースにエアカットバルブ(逆止弁)を取り付けることで防ぐことが可能です。
また、エアカットバルブを装着することで、虫が侵入するのを防ぐ効果も期待できます。冬季には、ドレンホースからの冷風の流入を防ぐことができるというメリットもあるため、エアコン購入時にエアカットバルブの購入も検討しておくといいでしょう。

配管パイプに化粧カバーを取り付ける場合
室内用・室外用の配管パイプに化粧カバーを取り付ける際には、別途費用がかかります。化粧カバーを取り付けることで配管パイプが露出しなくなるため、見た目が良いだけでなく、配管の経年劣化を防ぐことが可能です。
配管は、径の大きさで、6.35mm(2分)、9.52mm(3分)、12.7mm(4分)、15.88mm(5分)…といった規格があります。家庭用エアコンの場合、配管は2本1組で、2分3分(にぶさんぶ)か2分4分(にぶよんぶ)の組み合わせです。メーカーやモデル、能力によってどちらの組み合わせなのかは異なり、配管の種類によって室内化粧カバーの工事費用も異なる点に注意しましょう。
配管パイプの⾧さや形状は、室内機・室外機を設置する場所によって異なるため、化粧カバーの取り付け費用は、取り付け工事当日に見積もりをした上で、工事完了時に料金を支払うのが一般的です。化粧カバーの設置費用に関しては現金支払いのみの場合も多いため、事前におおよその費用を確認して、現金を用意しておくことをおすすめします。Joshin web ショップでの価格は以下のとおりです。
■室外化粧カバーの工事費用
工事内容 | 工事費用 |
室外化粧カバー(2mまで) | 5,500円~ |
接続部材(各コーナーなど) | 追加1個につき1,300円 |
■室内化粧カバーの工事費用
工事内容 | 工事費用 |
2分3分配管 | 1万1,000円~ |
2分4分配管 | 1万6,200円~ |
加湿・換気・排出型フィルター自動清掃機能付きエアコンの配管(2分3分配管、2分4分配管にかかわらず) | 1万6,200円~ |
※2mまで。追加費用1mにつき3,300円~。各コーナー等接続部材1個追加につき1,300円。

配管パイプ延⾧工事が必要な場合
エアコン本体に付属している配管パイプでは⾧さが足りない場合、配管パイプの延⾧工事が必要となります。Joshin web ショップの標準取り付け工事には配管パイプが4mまでが含まれますが、室内機から離れた場所に室外機を設置せざるをえないケースでは、配管の⾧さが不足することも少なくありません。
延長工事の費用は、配管の⾧さの1m単位で計算するのが一般的です。配管の設置環境やルートによっては、追加部材の費用がかかることがあります。
壁にエアコン用配管が埋め込まれている場合
住宅の壁にエアコン用配管が埋め込まれている「隠蔽配管」の場合は、事前に見積もりが必要です。配管の位置や形状に合わせ、室内機・室外機の配管をカットして設置しますが、隠蔽配管の場所や形状によっては、エアコンの取り付けができない可能性もあります。必ず事前に取り付け業者と相談し、詳細な確認を行ってください。
壁の中に埋め込まれている隠蔽配管を利用してエアコンを取り付ける場合、室内機側、室外機側ともにパイプをカットし、加工、接続する必要があります。配隠蔽管には、換気や酸素チャージ用の配管、フィルター清掃機能で集めたほこりを室外へ排出するためのパイプが設置されていないことが多いのが現状です。高性能エアコンを設置する場合、隠蔽配管を使わずに、配管穴貫通工事や配管パイプ窓貫通パネル工事での取り付けを提案されることもあります。

エアコン取り付け時の電源工事の費用
エアコンの取り付け時には、電源工事が必要かどうかも確認しておいてください。電源工事が必要になるパターンとして、主に下記の2つが挙げられます。
専用電源があるが工事が必要な場合

エアコンは一般的な電化製品とは異なり、専用の電源を使用します。なお、電圧や電流の異なる電源にプラグを挿してしまうことのないよう、専用電源は特殊な形状をしています。
まず、設置するエアコンのプラグに必要なのはどの形状のコンセントなのかを確認し、家のエアコン専用電源のコンセントの形と同じかどうかを確認してください。すでに専用電源があっても形状が異なる場合には、電源の回路を交換する工事が必要です。Joshin web ショップでは、以下のように電源交換の工事の価格を設定しています。
■エアコンの電源交換の工事費用
工事内容 | 工事費用 |
コンセント延長(10mまで) | 5,500円~ |
ブレーカー取り付け・交換(100V電源を200V電源に交換) | 漏電保護なし:4,400円~ 漏電保護付:7,700円~ |
電圧変換(専用ブレーカー部の電圧切替が必要な場合) | 2,100円 |
コンセント交換 | 2,400円 |
専用電源を増設・新設する必要がある場合
エアコンの設置場所にエアコンの専用電源がない場合には、電源の増設工事や新設工事が必要です。200Vのエアコンを設置する際には、自宅のブレーカーが200Vに対応しているかも確認しておきましょう。ブレーカーによっては、100Vと200Vを切り替えられるタイプのものもあります。200Vへの切り替えができないようなら、ブレーカーそのものの交換工事が必要です。Joshin web ショップでは、以下のように価格を設定しています。
■エアコンの専用電源がない場合の工事費用
工事内容 | 工事費用 |
ブレーカー取り付け・交換(100V電源を200V電源に交換) | 漏電保護なし:4,400円~ 漏電保護付き:7,700円~ |
電気増設(漏電保護付き)10mまで | 1万3,200円~ ※2階への配線および10m以上の配線などにより価格が異なります。 |
新設(電気増設ができない場合) | 4万3,000円~ ※電力会社への申請と別途見積もりが必要です。 |
エアコンの取り外しとリサイクルにかかる費用
これまで使用していたエアコンと新しいエアコンを入れ替える場合には、古いエアコンの取り外し作業や家電リサイクル費用が発生します。状況に応じて、必要な工事と費用の目安を押さえておくことが大切です。
新規購入に伴い、古いエアコンの取り外し工事が必要な場合
新たにエアコンを購入し、古いエアコンと同じ場所に設置する際には、エアコンの取り外し工事を行います。室外機を庭・ベランダ以外の場所に設置している場合は、取り外しの工事費用に加えて取り付け金具の処分代金がかかることがあります。Joshin web ショップでは、以下のように価格を設定しています。
■エアコン室外機の取り外しの工事費用
工事内容 | 工事費用 |
室外機(庭・ベランダ置き)の取り外し | 6,600円~ |
室外機(公団吊り・屋根置き)の取り外し | 8,800円~ |

エアコンの回収が必要な場合
取り外したエアコンを回収する際には、家電リサイクル料金が発生します。なお、家電リサイクル料金と回収費用(収集運搬料)は、エアコンのメーカーやお住まいの地域によって異なります。Joshin web ショップでの回収費用の目安は、下記のページを参考にしてください。
新規購入に伴い、エアコンの移設工事が必要な場合
新規購入に伴い、エアコンの移設工事が必要な場合取り外したエアコンを別の場所に取り付ける(移設する)場合、取り外し工事費用、取り付け工事費用、配管費用がかかります。なお、エアコンの移設工事は、エアコンを新規購入したときしか対応してもらえないケースがほとんどです。Joshin web ショップでは、エアコンの移設工事の価格を以下のように設定しています。
■エアコンの移設の工事費用
工事内容 | 適用エアコン(能力) | 工事費用 |
取り外し工事 | 3.6kW(12畳用まで) | 8,800円~ |
4.6kW(14畳用まで) | 9,900円~ | |
5.6kW(18畳用まで) | 9,900円~ | |
9.6kW(29畳用まで) | 9,900円~ | |
取り付け工事 | 3.6kW(12畳用まで) | 2万2,000円~ |
4.6kW(14畳用まで) | 2万2,000円~ | |
5.6kW(18畳用まで) | 2万8,300円~ | |
9.6kW(29畳用まで) | 2万8,300円~ | |
2分3分配管の配管費用(4mまで) | - | 8,400円~ |
2分4分配管の配管費用(4mまで) | - | 1万500円~ |
配管延⾧(1m) | - | 3,520円~ |
エアコンの取り付け工事はシーズンオフがおすすめ
エアコンの取り付けには、事前に工事の見積もりを取ったり、工事日程を決めたりする必要があるため、思っている以上に時間がかかることがあります。特に、冷暖房の使用頻度が高まるシーズンには、工事が混み合うことが予想されるので、スケジュールに余裕を持って工事を依頼することが大切です。Joshin web ショップでは、取り付け工事の見積もりを、ウェブサイトの見積もりフォームでスムーズに行えます。エアコンの取り付けや取り外し、回収にも対応していますので、ぜひご活用ください。