
エアコンのポコポコ音は故障?原因と対処法を解説
2025.3.24[更新]
エアコンを使っているとき、ポコポコという音を耳にしたことはありませんか?ポコポコ音が聞こえるのはエアコンの故障かと不安になり、どうすれば直るのか知りたいという方もいるでしょう。この記事では、エアコンのポコポコ音の主な原因と、対処法について解説します。具体的な直し方の手順についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

Joshin web 家電担当者「K」が、ポコポコ音の原因や対処法をご紹介!
エアコンのポコポコ音は故障ではない
エアコンから異音がすると不安になりますが、エアコンのポコポコ音は必ずしも故障ではありません。ポコポコ音の原因の多くは、「ドレンホース」が原因です。
ドレンホースとは、エアコン本体から発生した水を屋外に排出するためのホースのこと。エアコンの室内機の設置場所を建物の外から確認すると、ジャバラ状の細いホースが床面や地面のあたりまで伸びているのが確認できます。これがドレンホースです。

エアコンは、冷房運転や除湿運転の際に熱交換を行うとき、内部で結露することがあります。そうした結露水を室外へ排出するのが、ドレンホースの役割です。しかし、屋外で風が強く吹いているとき、ドレンホースから吹き込んだ空気が、エアコン内部のドレンパン(結露水の受け皿)を通過して、ポコポコという音を出すことがあるのです。また、気密性の高い部屋で換気扇などを使用しているとき、室内外の気圧差でドレンホースが空気を吸い込んでしまい、ポコポコ音の原因となることもあります。ほかにも、ドレンホースに汚れなどが溜まってしまい、結露水がうまく排出されずにポコポコという音が発生するケースもあります。ポコポコ音はエアコンの正常な動作音の一部であるケースが大半ですが、ポコポコ音の原因を特定した上で、適切に対処することが大切です。
ポコポコ音の原因が風のときの対処法
ポコポコ音の原因が、風によるものかどうかは、日を変えて確認してください。屋外で強い風が吹いている日はポコポコ音がするけれど、風のない日は音がしない場合、ドレンホースから外気が吹き込んでいる可能性があります。ポコポコ音の原因が風であるときは、下記のような対処法がおすすめです。
ドレンホース先端の向きを変える
ポコポコ音の原因が風である場合は、ドレンホースの先端の向きを別の方向へと変えてみてください。風が吹き込みにくくなり、ポコポコ音が解消するケースも少なくありません。

ドレンホースの先端を水の入ったペットボトルに入れる
ドレンホースを水の入ったペットボトルに差し込み、先端が水に浸った状態にすることでポコポコ音が解消することがあります。ドレンホースの先端が水でふさがれることで、内部に空気が入らなくなるからです。 ただし、この方法はあくまでも応急処置。ドレンホースが⾧時間水に浸かっているとカビが発生する原因となったり、ホースの劣化を早めたりするおそれがあります。

市販のアイテムを使用する
ポコポコ音の原因が風であれば、エアコンのドレンホースに市販の「逆止弁(逆流防止弁)」を取り付ける方法が効果的です。水を排出する機能を維持したまま、ドレンホースから空気が入るのを防ぐことができます。 また、ドレンホースの先端に「防虫キャップ」を取り付けることでポコポコ音が軽減するケースもあります。防虫キャップは本来、ドレンホースを伝って虫が室内に侵入するのを防ぐためのアイテムですが、ドレンホースの先端が狭くなることで、空気が入りにくくなるのです。 アイテムによっては、逆止弁と防虫キャップの機能を兼ねているものや、「消音バルブ」「エアーカットバルブ」といった名称で販売されていることもあります。数百円から購入できるので、ポコポコ音を解消したい方や予防したい方は試してみてください。

ポコポコ音の原因が気圧差のときの対処法
室内外の気圧差がポコポコ音の原因かどうかは、部屋のドアや窓を開閉することによって確認できます。ドアや窓を開けた際にポコポコ音が聞こえなくなり、閉めると再び聞こえ始めるようなら、室内外に気圧差が生じていることが原因です。下記のような対処法を試してみてください。
窓を開ける
窓を少し開けることによって室内の気密性が低くなり、ポコポコ音が軽減される場合があります。これは、空気の通り道が確保されることで、ドレンホースから空気が入らなくなるため。ただし、エアコンを使用するたびに窓を開けるのは現実的ではありませんし、住宅の環境によっては窓を開けられないこともあります。あくまで、窓を開けるのは一時的な応急処置と考えてください。

室内の換気扇を止める
キッチンなどの換気扇を動かしていると、部屋の空気が屋外へ排出されるため、気圧差が生じてドレンホースから空気が入ってくる原因となります。換気扇を止めることでポコポコ音が収まるかどうかを確認してください。 なお、24時間換気システムが設置されている場合、洗面所やトイレにある換気扇が常に稼働しています。一時的に換気システムを停止して、ポコポコ音が収まるかどうか確認しましょう。

市販のアイテムを使用する
風が原因でポコポコ音がするときと同様、ドレンホースに市販の逆止弁や防虫キャップを取り付けるのも効果的です。 こうしたアイテムは、水を排出する機能を邪魔することなく、ドレンホースから空気が入るのを防いでくれます。

ポコポコ音の原因がドレンホースの詰まりのときの対処法
ドレンホースに汚れなどが溜まって詰まっていると、エアコン内部の結露水がうまく排出されません。ドレンホースの先端を確認して濡れていない場合、内部が詰まっているケースが考えられます。 ドレンホースが詰まった状態のままエアコンを使い続けていると、エアコンの風から悪臭がしたり、室内機から水漏れして壁や床を汚してしまったりする可能性があります。さらに、ドレンホース内の汚れに害虫が集まり、エアコン内部に侵入して故障の原因となることも。できるだけ早めに掃除することをおすすめします。 ドレンホースの掃除は、自分で掃除機や専用クリーナーを使って行う方法と、プロのエアコンクリーニング業者に依頼する方法があります。
掃除機を使って掃除をする
一般的な家庭用の掃除機を使って、ドレンホース内部の汚れを吸い出すことができます。自宅にあるもので対応できる可能性が高いため、特別な道具などを新たに購入する必要がなく、費用をかけずにドレンホースの掃除が可能です。
<用意するもの>
・掃除機
・輪ゴム
・タオルや手ぬぐいなどの薄い布

<掃除手順>
1.エアコンのコンセントを抜く
2.ドレンホースの先端をタオルや手ぬぐいなどの薄い布でふさぎ、輪ゴムで縛る
3.布越しにドレンホースの先端に掃除機の吸い込み口をあてる
4.掃除機のスイッチを入れ、3 秒程吸い込む
5.ドレンホース内のゴミをかき出す
掃除機がドレンホース内に溜まっていた水を吸いこまないよう、3秒程吸いこんだらすぐにスイッチを切ってください。掃除機が水を吸ってしまうと、掃除機の故障の原因となるおそれがあります。 可能であれば、エアコンのコンセントを抜いて半日程度の時間を置き、ドレンホース内部を乾燥させてから掃除機で吸い込むといいでしょう。
内部に詰まっていたゴミがドレンホースの入り口付近まで吸い出されていれば、簡単にかき出すことができます。掃除機で汚れを吸い取るのではなく、あくまでもドレンホース内の汚れを移動させるために掃除機を利用するのがポイントです。
ただし、サイクロン式など掃除機のタイプによっては吸引力が十分ではなく、ドレンホース内部の汚れが吸い出せない可能性もあります。このようなケースでは、次で紹介する市販のドレンホース用クリーナーの活用がおすすめです。
市販のドレンホース用クリーナーを使う
ホームセンターやネットショップでは、ドレンホース専用のクリーナーが販売されています。こうした市販のドレンホース用クリーナーを活用することで、ドレンホース内部を簡単にきれいな状態にすることが可能です。主なドレンホース用クリーナーとしては、「真空式パイプクリーナー(ドレンホース用サクションポンプ)」や「パイプクリーナー」があります。具体的な掃除の手順を紹介しましょう。
<用意するもの>
・ドレンホース用クリーナー(真空式パイプクリーナー、パイプクリーナーなど)

<掃除手順>
1.エアコンの電源を落とす
2.ドレンホースの排出口に、ドレンホース用クリーナーの先端を押し当てる
3.ハンドルを引いて、ドレンホースの詰まりを吸い出す
4.ドレンホースからドレンホース用クリーナーの先端を外し、ハンドルを戻す
5.詰まりが取れるまで「2」~「4」を繰り返す
ドレンホース用クリーナーはハンドルを引くと空気を吸い込み、ドレンホース内部の気圧を下げることで汚れを吸い出す仕組みです。
ドレンホース用クリーナーを使うときのポイントは、ハンドルを1回引くたびにポンプの先端をドレンホースから外すこと。1回の吸引でドレンホース内部の汚れを吸い出せることもありますが、ゴミが詰まっている場合などは、複数回の吸引が必要になることがあります。
ハンドルをポンプの先端から外すことなく連続して吸引すると、引いたハンドルを戻す際に吸い出された水が逆流し、エアコン室内機の吹き出し口から水が漏れる原因にもなりかねません。ハンドルを1回引くごとに必ずポンプをドレンホースの先端から外し、空気中でハンドルをもう一度押し込んでから、再びドレンホースの先端にあてて次の吸引を行ってください。
なお、ドレンホース用クリーナーを使用すると、ホースから内部の水が勢い良く出てくることがあります。排出された汚水が衣服などにかかる可能性があるため、汚れても構わない服装で作業することをおすすめします。
プロのエアコンクリーニング業者に依頼する
ドレンホースの掃除は、プロのエアコンクリーニング業者に依頼するのもひとつの方法です。エアコンのクリーニング業者の多くは、室内機の分解清掃のほか、室外機やドレンホースの掃除にも対応してくれます。ドレンホースが詰まっていると、エアコン内部の水をうまく排出できないため、ポコポコ音以外にも気づいていないところでエアコンに不調が現れている可能性があります。ドレンホースの掃除と併せて、室内機や室外機の清掃も依頼すると安心です。また、エアコンクリーニング業者に依頼する際に、ポコポコ音が気になっていることを伝えておくと、ドレンホースを重点的に清掃してもらえます。
なお、賃貸物件の場合、あらかじめ備え付けられていたエアコンの清掃に関しては、オーナーまたは不動産管理会社に確認した上で、エアコンクリーニング業者に依頼することをおすすめします。契約内容によっては、オーナーまたは不動産管理会社が、清掃費用を負担してくれることもあるからです。 エアコンを使い続けていくうちに不調が生じることは十分に想定されるもの。賃貸契約にエアコンのメンテナンス保証などが含まれているかどうか、確認することが大切です。

エアコンのポコポコ音がしたら焦らず対応しよう
エアコンからポコポコ音が聞こえたとしても、エアコン本体が故障しているわけではない場合が大半です。焦らずに対応することで、ポコポコ音を解消できる可能性が高いと考えられます。ポコポコ音が聞こえたときは、何が原因で音が発生しているのかを確かめ、この記事で紹介した対処法を試してみてください。
また、原因がドレンホースの詰まりだった場合、早めに対処することでエアコンの不調や故障を未然に防げる可能性があります。ご自身での掃除、またはプロのエアコンクリーニング業者に依頼して、エアコンのポコポコ音を解消しましょう。