
エアコンを掃除する手順は?注意点やきれいに保つコツを解説
2025.3.24[更新]
エアコンは定期的な掃除が必要です。自分で掃除をするのは難しい部分もありますが、できる範囲でお手入れをすることで、エアコンの内外をクリーンに保ち、快適な室内環境を整えることが可能です。今回は、自分でエアコンを掃除するメリットや、自分でできるエアコン掃除の頻度と手順のほか、掃除をする際の注意点やきれいに保つコツなどを解説します。

Joshin web 家電担当者「K」が、エアコン掃除の手順やポイントをご紹介いたします!
エアコンの掃除はメリットがたくさん
「自分でエアコンを掃除するのは難しそうだから、やったことがない」という方もいるかもしれません。ですが、エアコン掃除には、いくつものメリットがあります。まずは、エアコン掃除のメリットについて見ていきましょう。
カビの発生を予防できる
エアコンを掃除することで、カビの発生を予防できます。エアコンは、室内の空気を取り込み、熱を加えたり取り除いたりした後、再び空気を吐き出します。そのため、使用するうちにフィルターや送風ファンに空気中の汚れやほこりが溜まってしまうもの。こうした汚れには、カビの胞子のほか、カビの栄養となるたんぱく質が含まれています。 また、冷房や除湿運転をするとエアコン内の湿度が上がります。水分はカビの繁殖に不可欠な要素です。 さらに、エアコンは一年中、室温を快適に保ってくれます。 こうして、カビの繁殖に必要な栄養、水分、温度という条件が整うため、エアコン内にカビが発生してしまうのです。カビが繁殖した状態でエアコンを運転すると、部屋中にカビがまき散らされることになります。

嫌なにおいを抑えられる
エアコンを掃除することで、いやなにおいを抑えることができます。室内には、食べ物や人の汗、芳香剤、たばこ、ペットなど、いろいろなにおいの元が漂っています。エアコンが室内の空気を取り込むときに、こうしたにおいの元もエアコン内部のフィルターなどに溜まっていきます。これが、いやなにおいの原因です。また、エアコンの内部に発生したカビも、においの原因となることが考えられます。

エアコンの効きが良くなる
エアコンの掃除をすると、エアコンの効きが良くなります。エアコンのフィルターを掃除せずに放置すると、室内機内の風の通り道がどんどんふさがれていきます。 やがて、「いくらファンを回しても、空気が吸い込めず吐き出せない」という状態になり、エアコンの効きが極端に悪くなってしまうのです。

電気代抑制につながる
エアコン内が汚れているとエアコンの効きが悪くなります。すると、設定温度に到達するまで、エアコンが無駄に電気を使ってフルパワーで動作してしまうのです。 ダイキン工業株式会社の「電気代値上げとエアコンの節電に関する意識調査」では、エアコンのフィルターを1年間掃除しないと、約25%も電気代がアップする場合があるとしています。こまめに掃除をすることで、エアコンの効きが良くなり、電気代の抑制につながるのです。

故障が起こるリスクを下げる
エアコンを定期的に掃除することで、故障のリスクを下げることができます。 エアコンの内部に溜まった汚れやほこりは、細かいパーツの動きを悪くしたり、センサーを覆ったりして、故障をまねく原因となりかねません。 エアコンを掃除することで、大切に⾧く使用することが可能です。

自分でできるエアコン掃除の頻度と手順
自分でエアコンを掃除することにはたくさんのメリットがありますが、エアコンのすべてを掃除できるわけではありません。ここでは、自分でできるエアコン掃除の範囲と頻度、掃除の手順についてご紹介します。 なお、エアコンの掃除をする前には必ずエアコンの電源を切り、プラグをコンセントから抜いておきましょう。
室内機の拭き掃除:週に1回
エアコンの室内機は、週に1回程度拭き掃除をしましょう。空気中のほこりやたばこの煙のほか、キッチン近くに設置されているエアコンは、料理中の油汚れなどで外側が汚れています。
室内機の拭き掃除に必要なもの
・ハンディモップ・雑巾・マスクまたはフェイスシールド

エアコン室内機の拭き掃除の手順
1. エアコン室内機の上部から、ハンディモップでほこりを取り除く(周囲にほこりが舞い飛ぶので、マスクやフェイスシールドの着用がおすすめ)
2. エアコン室内機の前面、側面、最後に室内機の下側と、上から下へほこりを取り除く
3. 固く絞った雑巾で全体を水拭きして完了
フィルター掃除:2週間~1ヵ月に1回
家庭用エアコンのほぼすべてのモデルが、2週間に1回のフィルター清掃を推奨しています。オフシーズンでエアコンを使用しない時期もあるので、使用状況に合わせて掃除してください。
フィルター掃除に必要なもの
・タオル・中性洗剤・古い歯ブラシ・ハンディモップ・掃除機

フィルターの掃除の手順
1. エアコン室内機の前面パネルを開けて、フィルターを静かに抜き取る(フィルターにほこりが溜まっている場合は、周囲に舞ってしまわないよう、フィルターを外す前にざっと掃除機でほこりを吸う)
2. 室内機内部のほこりをハンディモップで払って掃除機をかける
3. 外したフィルターを新聞紙などの上に置き、フィルターの表側からほこりを掃除機で吸い取る
4. フィルターの裏側からシャワーをあてて、細かいほこりを流す
5. フィルターが油煙を吸って油が固まっている場合は、ぬるま湯と中性洗剤で洗い、古い歯ブラシで細部の汚れを落とす
6. タオルでフィルターを挟むようにして水分を取り、しっかり乾燥させて完了
吹き出し口:1ヵ月に1回
エアコンの吹き出し口周辺は、結露が起こりやすい部分です。エアコンの使用頻度が高い夏や冬は、カビが発生しないよう、月に1回程度は確認し、清潔に保ってください。なお、吹き出し口の奥にある送風ファンは、とてもデリケートなパーツです。ご自身で掃除をするのは避け、プロのクリーニングに依頼することをおすすめします。
吹き出し口の掃除に必要なもの
・キッチンペーパー・割り箸・輪ゴム・中性洗剤

吹き出し口の掃除の手順
1. 割り箸の先にキッチンペーパーを巻き、輪ゴムで止めて「お掃除棒」を作る
2. お掃除棒の先に中性洗剤を少量つけて、ルーバーを手で開き、吹き出し口の内側の汚れを拭き取る
室外機の掃除:1年に1、2回
エアコンの室外機の掃除は、1年に1、2回程度がおすすめ。室外機は、風雨にさらされる場所に置かれることがほとんどです。定期的にお手入れをすることで、エアコンの性能を保つことができます。
室外機の掃除に必要なもの
・ほうき・ちりとり・掃除機・大きめのブラシ・古い歯ブラシ・割り箸・キッチンペーパー・輪ゴム

室外機の掃除の手順
1. ファンから吹き出す風をさえぎる物がないか、周囲を確認する
2. 室外機のカバーについたほこりやごみ、落ち葉などを取り除く
3. 室外機近くにドレンホース(排水ホース)があれば、詰まりがないかを確認し、汚れていれば、古い歯ブラシや、割り箸にキッチンペーパーを巻いた「お掃除棒」で掃除をする
エアコン掃除をする際の注意点
エアコン掃除をする場合には、注意したい点がいくつかあります。エアコンの故障や掃除時のトラブルを避けるためにも、下記の点に気をつけましょう。
エアコンに直接水をかけない
エアコンには精密機器が組み込まれています。これらの精密機器に水がかかってしまうと、エアコンが誤作動を起こしたり故障したりする可能性がありますので、決して濡らさないようにしてください。 また、水拭きをするときも、固く絞ったタオルや雑巾を使うのが原則です。水拭きの後は、しっかり乾燥させてください。 なお、フィルターを水洗いした場合は、タオルやキッチンペーパーでしっかり水気を拭きとり、十分に乾燥させてからエアコンの室内機にセットしてください。

足場に注意する
エアコンを掃除するときは、足場に注意してください。エアコンは、基本的に天井近くの高い位置に設置されているため、掃除をするには足場が必要です。この足場が不安定だと、作業中に転倒する危険があります。 回転椅子などを足場にするのは避け、脚立や4本脚のしっかりとした椅子を使ってください。また、可能であれば別の人に足場を支えてもらいましょう。

安易に市販のエアコン洗浄剤を使用しない
ドラッグストアなどで販売されている、エアコン清掃用の洗浄剤を、むやみに使用するのは避けたほうがいいでしょう。こうした洗浄剤がエアコン内部に残ると、樹脂部品の劣化を引き起こす可能性があります。また、電機部品の絶縁不良を誘発し、最悪の場合には発煙・発火ということにもつながりかねません。
エアコン内部の掃除はクリーニングのプロに任せる
エアコンをきれいに保つコツ
エアコンは使っているうちに汚れが溜まっていきますから、定期的なお手入れが必要です。しかし、定期的なお手入れ以外にも、エアコンをきれいに保つコツがあります。ここでは、エアコンの寿命を延ばし、快適に使い続けるためのコツをご紹介します。
冷房のあと1時間送風運転する
夏にエアコンを使用すると、電源を切った後、エアコンの室内機と室温との温度差によって、エアコン内部が結露しやすくなります。この水分は、エアコン内部にカビを発生させる大きな原因のひとつです。 そのため、冷房運転後は1時間程度、送風運転をしてから電源を切るのがポイント。また、エアコンに内部乾燥機能がついている場合は、積極的に利用しましょう。

こまめに部屋の換気をする
エアコンは基本的に、室内の空気を吸い込み温度調節をしてから吐き出す仕組みなので、換気を行いません。部屋の空気が汚れていると、いつまでも汚れた空気が循環し続けることとなり、エアコン内部が汚れやすくなります。 料理の後や掃除機をかけたときなど、こまめに窓を開けて換気をすることが、エアコンをきれいに保つコツです。

エアコン掃除に関するQ&A
エアコン掃除の基本的な手順やポイントをご紹介しましたが、疑問をお持ちの方もたくさんいらっしゃることでしょう。ここでは、店頭で多くの方から質問を受ける、2つの疑問点についてお答えいたします。
掃除機能付きエアコンは掃除しなくていい?
エアコンの中には、掃除機能を搭載したモデルがあります。こうしたモデルなら、定期的な掃除はいらないと思う方もいるかもしれません。ですが、お掃除機能がついたエアコンでも、定期的なお手入れは必要です。
エアコンに搭載された掃除機能の多くは、「フィルター自動清掃機能」です。フィルターに溜まったほこりを自動的にかき落として、ダストボックスに収納してくれますが、このダストボックスを定期的に掃除する必要があります。また、フィルターに油汚れがついた場合は水洗いが必要ですし、フィルター以外の場所に発生したカビなどを自動清掃することはできません。そのため、掃除機能付きエアコンでも、定期的に掃除をしましょう。

エアコンの室内機につける社外品の不織布フィルターは効果的?
エアコンの室内機に取り付ける、市販の不織布フィルターがあります。この不織布が事前に空気中のほこりをキャッチするため、エアコンの掃除が不要になるというものです。 ですが、エアコンはそもそも内蔵以外のフィルターを使うことを想定して作られていません。そのため、フィルターが目詰まりしたときのように空気の流れが悪くなり、風量や冷暖房の効きに悪影響を与える可能性があります。また、運転中の異音の原因にもなりかねません。

エアコン掃除で一年中快適に
エアコンは、定期的に掃除をすることで、一年を通して部屋の環境を快適に整えてくれます。こまめなお手入れはエアコンの寿命を延ばす効果もありますから、日々の習慣にしてしまいましょう。 また、⾧く使っていると、日常の掃除では落としきれない汚れも溜まっていきます。「エアコンの効きが悪くなってきた」「嫌なにおいがする」といった場合は、エアコン掃除のプロにクリーニングを依頼するのがおすすめです。Joshin では、エアコンクリーニングのサービスも行っています。 なお、エアコンの寿命は7~10年といわれます。エアコンの動作に不具合を感じるときは、買い換えてしまうのもひとつの方法です。自動清掃機能付きのモデルなら日々のお手入れが楽になりますし、省エネ性能の高いニューモデルへの買い換えなら、電気代の節約も期待できるでしょう。
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