エアコンを使用すると喉が痛くなる原因として最も多いのが、空気の乾燥です。エアコンを使用すると室内の湿度が下がり、空気が乾燥します。これは冷房、暖房いずれの場合も同様です。 冷房使用時は、エアコンが室内の暖かい空気を吸い込んで冷却する過程で、空気中の水分が結露して外に排出されるため、湿度が下がります。一方、暖房使用時は、空気中の水分の量は増えずに室内の温度だけが上昇するため、相対的に湿度が下がります。 このように、エアコンの使用で湿度が下がると、乾燥した空気を吸い込むことで喉の粘膜が乾いて、痛みや不快感が生じるため、注意しましょう。 また、喉には、ウイルスや細菌などを体内に侵入させないようにする防御機能が備わっていますが、乾燥するとこの機能が低下します。そのため、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、喉の痛みがさらに悪化するおそれがあります。

エアコン内部に溜まるほこりやカビも、喉の痛みを引き起こす要因のひとつです。エアコンは、室内の空気を吸い込み、冷却または加熱して再度室内に放出していますが、この過程で空気中のほこりなどがエアコン内部に蓄積されることがあります。 また、冷却過程でエアコン内部に結露が発生すると、カビも発生しやすくなります。これらを放置すると、エアコンの風と共にほこりやカビの胞子が室内にまき散らされるため注意しましょう。 なお、ほこりやカビを含む空気を吸い込むと、喉が痛くなるだけでなく、アレルギー症状などの健康被害につながることもあります。

エアコンの使用により乾燥した空気を吸い込み、喉の粘膜が乾いて痛みがあるときは、こまめに水分を補給して喉を潤すことが大切です。乾燥が気になるときには、水やお茶を手の届くところに置いて、こまめに飲むことを心掛けましょう。 また、水分補給の際には、冷たい飲み物よりも常温や温かい飲み物を摂取するようにすると、体への負担が少ないのでおすすめです。

• ミネラルウォーター
• お茶

喉の痛みがひどいときは、市販薬の利用もおすすめです。殺菌作用や抗炎症作用のあるうがい薬、携帯に便利なスプレータイプの喉スプレー、喉を潤す効果のあるトローチ・のど飴などを、喉の痛みの状況に応じて使用してください。 また、喉の痛みに効果がある漢方薬なども、症状をやわらげるのに役立ちます。薬局・薬店の薬剤師や登録販売者に症状を伝え、適切な薬を選んでもらいましょう。

• うがい薬
• のどスプレー
• トローチ
• のど飴

はちみつには抗菌作用や粘膜保護作用があるとされ、ホットはちみつレモンやはちみつしょうがレモンティーなどの温かい飲み物にして摂取することで、喉を保護する効果が期待できます。 ただし、食中毒のリスクが高いため、生後1歳未満の乳児には、はちみつを与えないように注意してください。

• はちみつ

エアコンを使用するときに、いっしょに加湿器を使用すると、室内の湿度を適切に保つことができ、喉の痛みを予防するのに役立ちます。 加湿器の設定湿度は、喉や肌の乾燥を防ぐのに適した50～60％にするのがおすすめです。加湿器には、超音波でミストを発生させる「超音波式」、水を含ませたフィルターに風をあてて気化した水蒸気を放出する「気化式」、水をヒーターで加熱して蒸発させて水蒸気を送り出す「スチーム式」、異なる加湿方式を組み合わせた「ハイブリッドタイプ」などがあります。予算や部屋の広さに応じて適切なタイプを選びましょう。 ただし、使用を続けていると加湿器内部にカビや菌が繁殖してしまうこともあるため、こまめにお手入れをして清潔に保つことが大切です。 加湿器以外では、濡れタオルをハンガーなどに掛けて室内に置く、洗濯物を部屋干しする、観葉植物を置くといった方法も室内の乾燥を防ぐ効果があります。 また、暖房使用時には、水を入れた容器を室内に置くだけでも、水分の蒸発により湿度を上げることができます。

• 加湿器
• タオル
• ハンガー
• バケツ

喉や気管支の乾燥、冷えを防ぐために鼻呼吸を意識して行いましょう。空気は、吸い込むときに鼻を通ることで、湿度と温度が適切に調整されます。口呼吸は喉を乾燥させ、痛みの原因となることがあるため避けてください。 また、就寝時に口が開かないようにする、専用テープの使用もおすすめです。

• 鼻腔テープ

冷房が効いた部屋では、薄手のブランケットやカーディガンを使用して、体温を調整しましょう。体温を適切に維持することで、急激な温度変化による自律神経の乱れを防ぐ効果が期待できます。

• ブランケット
• カーディガン

冷房病を防ぐには、エアコンの風向きにも注意が必要です。特に、デスクワーク中や就寝時には、体が冷えすぎないよう、エアコンの冷気が直接体にあたるのを避けてください。 冷房時はエアコンの風向きを上向きにしておくと、風が直接体にあたるのを防ぐことができる上、自然に下へ降りてくる冷気によって部屋全体が均一に涼しくなります。また、サーキューレーターや扇風機を併用して、エアコンの冷気を部屋全体に循環させるのも効果的です。

• サーキューレーター
• 扇風機

マスクの着用も冷房病対策のひとつです。マスクを着用すると、息に含まれる湿気がマスク内部にとどまり、吸い込む空気を適度に加湿してくれます。 また、エアコンの冷気が直接鼻や口にあたるのを防げるほか、ほこりや花粉、カビなど、アレルギーの原因となる微粒子をカットできます。

• マスク

ダイキンのエアコンには、加湿機能を搭載したモデルがあります。冷暖房中に加湿ができる「うるさらX」は、給水なしで加湿が可能な「無給水加湿」機能を搭載しているのが特⾧です。室外機が空気中の水分を取り込んで、きれいな水だけを室内に送り加湿することで、喉や肌に潤いを与えます。

• ダイキン R シリーズ うるさらX

日立のエアコン「白くまくん」シリーズは、エアコンを自動でお掃除するクリーン機能を備えたモデルをラインナップ。エアコン内部のフィルターに付着したほこりや汚れを自動的に掃除する「フィルター自動お掃除」や、ファンの羽根の先端についた汚れを、定期的に自動でブラッシングする「ファンお掃除ロボ」などを搭載したモデルを展開しています。 これらの機能により、エアコン内部の定期的な清掃の手間が大幅に低減できるほか、ほこりやカビの繁殖を抑え、空気中のアレルギー原因物質を減少させることにも役立ちます。

• 日立 白くまくん X シリーズ
• 日立 白くまくん W シリーズ

パナソニックのエアコン「エオリア」シリーズは、空気中の花粉やにおい、カビ、PM2.5、アレルギー原因物質、菌・ウイルスなどの有害物質を抑制する、「ナノイーX」を放出するモデルをラインナップしています。 冷暖房だけでなく、ナノイーX を吹き出す送風運転も可能で、季節を問わず室内の空気を常に清潔に保つことができます。

• パナソニック エオリア

富士通ゼネラルのエアコン「ノクリア」のXシリーズは、洗浄や乾燥では取り除けない熱交換器のカビ菌・細菌を除菌する、熱交換器加熱除菌が可能です。 また、微粒子をプラズマイオンで帯電させて吸着する「プラズマ空清」を搭載。ほこりや花粉をキャッチし、カビ菌を除菌するほか、PM2.5 にも対応します。

• 富士通ゼネラル ノクリア X シリーズ