
エアコンの使用時には換気は必要?換気のポイントなどを解説
2025.3.16[更新]
エアコンを使用する際には、定期的な換気が必要なことをご存じでしょうか。エアコン使用時に部屋の窓をずっと閉め切っていると、徐々に室内の空気が汚れ、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。この記事では、エアコン使用中の効果的な換気の方法や、季節に応じた適切な換気のポイントなどをご紹介します。健康で快適な室内環境を維持するために、エアコンによる冷暖房と換気をバランス良く行いましょう。

Joshin web 家電担当者「K」が、エアコン使用時の換気についてお話します!
エアコン使用時に換気が必要な理由
エアコンは、室温が変わらないように窓を閉め切って使用するケースがほとんどでしょう。ですが、エアコンの使用時は、定期的に窓を開けるなどして換気をすることが推奨されます。まずは、エアコン使用時に換気が必要な理由について見ていきましょう。
一般的なエアコンは冷暖房時に換気をしていない
エアコンは、冷暖房と同時に換気も行っていると思う方もいるかもしれません。しかし、一般的なエアコンは、室内の空気を取り込んで冷やしたり暖めたりして、再び室内に空気を戻すという仕組みです。室内の空気を循環させているだけで、外の新鮮な空気を取り込んでいるわけではありません。エアコンを使用しているだけでは、室内の汚れた空気が外に出ることはないため、窓やドアを締め切ったままエアコンを使っていると、室内の空気はどんどん汚れていきます。なお、最近は換気機能や空気清浄機能を備えたタイプのエアコンも登場しています。

健康に悪影響を与える可能性がある
閉め切った部屋の中には、花粉や細菌、ウイルス、カビ、ハウスダストなどの汚染物質がとどまりやすくなります。これらの汚染物質は、アレルギーや呼吸器疾患を引き起こす原因となり、健康に悪影響を与えることがあるため注意が必要です。また、空気の入れ替えを行わないと室内の二酸化炭素濃度が上昇し、集中力の低下や頭痛、疲労感を覚えることもあります。さらに、換気不足は、料理やたばこ、ペットなどのにおいの蓄積にもつながるので、健康的で快適に室内で過ごすためにも、換気は不可欠なものといえるでしょう。

高気密住宅の換気システムには限界がある
最近の一戸建てや、マンションなどの高気密住宅には、換気口の設置が義務付けられており、24時間換気システムが導入されています。これは、シックハウス症候群(室内の汚れた空気を吸うことで起こる、さまざまな体調不良)対策を目的としたもので、1時間で部屋の空気の半分が入れ替わることを目指しています。
ただし、24時間換気システムの処理能力には限界があり、大量の汚染物質が発生する場合や、短時間で空気の入れ替えが必要な場合には、窓を開けて直接外気を取り入れて換気を行うことが必要です。また、24時間換気システムは機械的に空気を循環させますが、窓を開けるとそこに自然の風による空気の流れが加わり、より効果的な換気が可能になります。

エアコン使用時の適切な換気方法
エアコンを使うときには、どのように換気を行えばいいのでしょうか。ここでは、空気の流れの作り方や換気扇の活用、換気の時間と回数など、エアコン使用時の基本的な換気の方法について見ていきましょう。
窓を開けて空気の流れを作る
エアコンの使用時、効果的に換気を行うには、窓を開けて空気の流れを作るのが基本です。窓の数など部屋の状況に応じて、下記のポイントを参考に効率的な換気を行いましょう。
複数の窓がある場合
部屋に窓が2つ以上ある場合は、対角線上にある窓を開けると空気の通り道ができます。新鮮な空気と汚れた空気を入れ替えやすくなり、スムーズに換気を行うことができるでしょう。
窓から風が入りにくい場合
建物が隣接しているなど、窓から入ってくる風が少ない場合は、空気を取り入れるほうの窓を小さく開け、空気が出ていくほうの窓を全開にします。風や空気は、小さい隙間から勢い良く入り、大きい隙間から出ていきやすいため、こうすることで空気の流れを作り出すことができます。
窓が1つしかない、または窓がない場合
窓が1つしかない部屋の場合は、窓と玄関のドアを開けてください。窓がない部屋では、玄関のドアを開けます。 また、サーキュレーターや扇風機を使用して、空気の流れを作ることも大切です。こうすることで、室内の空気が循環します。
換気扇を活用する
換気扇は、継続的に室内の空気を外部に排出し、外部の新鮮な空気を取り込むことができるため、窓を開けなくてもある程度の換気が可能となります。例えば、リビングとダイニング、キッチンが近接している場合、キッチンの換気扇を運転させておくことをおすすめします。

換気の時間や回数に気をつける
適切な換気行うには、その時間や回数も重要です。換気の目安時間は、1時間に5~10分程度。短時間の換気を定期的に行うことで、室内の空気を清潔に保つことができます。なお、短時間の換気を頻繁に行うほど、換気の効果は高まります。1時間に10分間の換気を1回行うよりも、1時間に5分間の換気を2回行うほうがおすすめです。

季節別・エアコン使用時の換気のポイント
エアコン使用時の換気の方法は、季節によっても気をつけるべきポイントが変わります。ここでは、部屋に熱がこもりやすい夏場、換気で室温が低下しやすい冬場、室内に花粉が入りやすい花粉の季節における、適切な換気の方法について見ていきましょう。
夏場:部屋にこもった暑い空気を先に追い出す
夏は部屋に熱がこもりやすく、室内の温度が屋外よりも高くなることがあります。そこで、まずはエアコンの電源を入れる前に換気をして、部屋にこもった暑い空気を外に出してください。熱を外に追い出すこことで、素早く効率的に部屋を冷やせるので、エアコンの負担も軽減されて省エネにつながります。
また、夏場のエアコン使用中に換気をするとき、窓から入ってきた熱い外気をエアコンが直接吸い込むと、室温が高いと誤認識してフルパワーで稼働し、消費電力が増えることがあります。換気時は、できるだけエアコンから離れた窓を開けましょう。

冬場:換気は部屋の空気が暖まってから行う
冬の換気は、まずエアコンの電源を入れて暖房で部屋を暖め、部屋の温度がある程度上がってから、窓を開けて換気してください。壁や床、天井などを先に暖めておくことで、換気による温度変化が少なくなります。
また、冬場のエアコン使用中に窓を開けて換気をすると、外の空気が入ってきて、室内の温度が下がりやすくなります。室温低下を避けるため、1時間あたり5分以下の短めの換気を2回行うことを目安にしてください。

花粉の季節:換気後は窓際付近を掃除する
花粉の季節は、窓を開けて換気をすると花粉が外の空気といっしょに室内に入ってきます。そこで、換気をした後は、花粉が溜まりやすい窓際付近の床や窓枠に掃除機をかけたり、拭き掃除をしたりして、こまめに花粉を取り除いてください。
また、換気をする時間帯に気を配ることも大切です。定期的に換気をするのが望ましいものの、花粉が飛散し始める午後から夕方の時間帯は、換気を控えるというのもひとつの方法です。

快適な室内環境を保てるエアコンの機能
最近のエアコンは、冷暖房や除湿といった基本的な機能に加えて、換気機能や空気清浄機能、自動クリーン機能などを搭載したモデルが増えてきています。快適で健康的な室内環境を保つには、こうした機能を持つエアコンを選ぶのがおすすめです。
換気機能
換気機能を備えたエアコンは、冷房・暖房・除湿をしながら、同時に換気も行うことができます。換気機能を搭載したエアコンとして代表的なモデルは、ダイキンの「うるさらX」です。屋外から新鮮な空気を取り込み、適温に整えて室内に送る「給気換気」と、部屋の熱気や不快な空気、エアコン内部の湿気などを排出する「排気換気」の2つの仕組みを備えています。また、冬場の乾燥対策として、加湿機能を搭載しているのも特長です。

空気清浄機能
空気清浄機能を搭載したエアコンは、脱臭のほかに花粉などのアレルギー原因物質の除去、ウイルス、菌の活動を抑制し、室内の空気の質を向上させます。
空気清浄機能を搭載したパナソニックの「エオリア」シリーズは、冷暖房しながら独自のイオンを放出する「ナノイーX」により、空気中の花粉やにおい、カビ、PM2.5、アレルギー原因物質、ウイルス、菌などのさまざまな有害物質を抑制します。また、シャープの「Airest(エアレスト)」は、エアコンでありながら、空気洗浄機の規格もクリアしたパワフルな空気清浄力が特⾧。同社史上最高濃度のイオンを放出する「プラズマクラスターNEXT」を搭載し、カーテンや寝具などに付着したにおいやカビ菌も除去します。

自動クリーン機能
エアコンの効率的な運転を維持し、⾧く使い続けるには、定期的な清掃が大切です。自動クリーン機能を搭載したエアコンは、エアコン内部のメンテナンスを自動で行い、常に清潔な空気を供給してくれます。 日立のエアコン「白くまくん」は、エアコン内部の熱交換器を凍らせて霜をつけ、その霜を一気に溶かすことで汚れを洗い流す「凍結洗浄」という機能を搭載。掃除が難しい室外機の熱交換器の汚れも、自動でしっかりと洗い流して、ほこりの目詰まりによるエアコン性能の低下を抑えてくれます。

エアコン使用時は適切な方法で換気を行おう
エアコンを健康的かつ快適に使用するためには、適切な換気が欠かせません。エアコンを使用中でも、1時間に5~10分程度は窓を開け、汚れた空気を外に排出し、新鮮な空気を取り入れましょう。また、新しいエアコンに買い替えるときには、換気機能や空気清浄機能を搭載したモデルを選ぶことをおすすめします。