100Vと200Vのエアコンは、対応している電圧が異なります。電圧とは、電流を流すための原動力となるエネルギーの差のこと。200Vのエアコンは、100Vのエアコンよりも一度に多くの電流を流せることから、一気に大きなパワーを発揮できる点が特⾧です。理論的には、100Vのエアコンで設定温度に達するまで10分程度かかるとき、200Vのエアコンなら半分の5分程度で設定温度に達することになります。しかも、100Vと200Vで消費電力量（Wh）は変わらないため、電気代もほぼ変わりません。部屋を早く冷やしたい、暖めたい方には、200Vエアコンがおすすめです。

200Vのエアコンを使用するには、電気の契約電流容量（契約アンペア数）が30A以上必要です。契約電流容量が10～20Aの場合、200Vのエアコンを使用すると容量不足でブレーカーが落ちてしまう可能性があります。200Vエアコンを購入する際には、事前に自宅の契約電流容量を確認してください。

エアコンの電源プラグは、ほかの家電とは異なり、エアコン専用のコンセントに挿し込む必要があります。200Vのエアコンのプラグは、電気2極とアース1極の3極になっている（3つの金属がある）のが特⾧。さらに、アンペア数によって形状が異なります。ご自宅のコンセントが200Vのエアコンに対応していない場合、電圧切り替えやコンセントの交換工事が必要です。

エアコンにはモデルごとに、目安として何畳の部屋に対応しているかという適用畳数があります。18畳より広い部屋に適したエアコンを選ぶ場合、100Vのモデルは見当たらないかもしれません。一方で、適用畳数が10畳以下のエアコンは、100Vのモデルが大半です。このように、100Vと200Vのエアコンでは適応する部屋の広さが異なる場合があります。

200Vのエアコンを選ぶ際、チェックしておきたいポイントのひとつが適用畳数です。エアコンは一般的に、冷房よりも暖房のほうが多くの電力を必要とするため、暖房の適用畳数を参照することをおすすめします。

適用畳数は「10～12畳用」と、幅を持たせて記載されていることがあります。この場合、小さい数値は木造住宅、大きい数値は鉄筋住宅に適した畳数です。最近では「おもに◯畳用」といった表記も多く見られるようになりましたが、この場合は木造住宅を基準とした適用畳数を示しています。

エアコンの省エネ性能は、「省エネ基準達成率（省エネ法で定められた省エネ目標基準を、どの程度達成しているかを％で示したもの）」や「通年エネルギー消費効率（エアコンのエネルギー消費効率を示す数値）」などで示されます。数値が高いモデルほど、環境負荷が低いだけでなく高い節電効果を得られる傾向があります。 これらの数値は、エアコン売場に掲示された省エネルギーラベルや製品カタログに記載されていますので、モデルごとの省エネ性能を比較する際にお役立てください。

フィルター掃除といったお手入れのしやすさも、エアコンを選ぶ際の大切なポイントです。フィルターにほこりやゴミが溜まって目詰まりを起こすと、冷暖房の効率が低下して電気代が余計にかかってしまうおそれがあります。 なお、フィルター自動掃除機能や内部クリーン機能を搭載したモデルを選ぶと、お手入れの手間を軽減できます。

200Vのエアコンには、空気清浄機能を搭載したモデルがあります。空気清浄機能搭載モデルなら、別途空気清浄機を用意しなくても、室内の空気を快適な状態に保ってくれるでしょう。高性能フィルターを搭載した空気清浄機能付きエアコンは、室温を調整しながら空気中のPM2.5 や花粉、ほこりなどの微粒子を除去してくれます。花粉症などのアレルギーを持つ方にもおすすめです。

人感センサー機能は、室内の人の動きを検知して自動的に運転を調整することで、快適性と省エネを両立させる機能です。室内に人がいるときは快適な温度を維持し、人がいなくなると自動的に省エネモードに切り替えたり、人の位置に合わせて風向きを調整して、直接風があたらないようにしたりするなど、効率的な運転をしてくれます。

フィルター自動掃除機能は、エアコン内部に搭載されたブラシやローラーが、フィルターのほこりやゴミを自動的に取り除く機能です。エアコンの運転終了後や定期的なタイミングで自動的にフィルターを清掃してくれます。エアコンの性能を維持し、メンテナンスの手間を減少してくれる便利な機能です。

内部クリーン機能は、エアコン運転終了後に自動的に内部を乾燥させたり、フィンや熱交換器の表面に付着したカビやほこりを除去したりしてくれる機能です。エアコン内部を清潔に保ち、効率的な運転と健康的な室内環境を維持するために役立ちます。

再熱除湿機能は、室内機に取り込んだ部屋の空気を冷やして除湿した後、乾いた空気を適温まで温めてから室内に戻す機能。室温を変えずに湿度だけを調整して、快適な室内環境を保つことが可能です。適切な湿度を保つことで、カビの発生やダニの繁殖を抑制し、アレルギーや呼吸器疾患のリスクを低減できます。

スマホ連携機能は、スマートフォンからリモート操作やスケジュール設定、運転モードの変更などができる機能です。スマートフォンに専用アプリをインストールし、エアコンをWi-Fi に接続すれば、スマートフォンからエアコンを操作できるようになります。外出時、帰宅の前にエアコンをつけておいて快適な室温にするといった便利な使い方が可能です。

衣類乾燥機能は、室内干しで洗濯物を乾かす際に役立つ便利な機能です。エアコンの暖房や除湿機能を利用して、室内の湿度を下げたり温風をあてたりすることで、洗濯物を効率良く乾燥させます。

部屋の広さが10畳以上であれば、200Vのエアコンが適しています。部屋が広いほど、空間全体を冷やしたり、暖めたりするのに多くの電力や時間がかかるためです。10畳以上の広い部屋では高い冷暖房能力が求められるため、200Vのエアコンのほうが効率的に温度管理できるでしょう。

天井が高い部屋や吹き抜けがある部屋は、空間が広くなる分、冷暖房にパワーが必要です。こうしたタイプの部屋には、畳数にかかわらず200Vのエアコンのほうが適しているといえるでしょう。空間の広さがエアコンの冷暖房能力を超えている場合、設定温度に達するまでに時間がかかったり、電気代が余計にかかってしまったりする可能性があります。

200Vのエアコンを設置するには、自宅のブレーカーが200Vに対応しているか確認しておく必要があります。200Vに対応しているブレーカーは「単相三線式」と呼ばれ、赤・白・黒の3本線が入っているのが特⾧です。ブレーカーによっては「単3 200V」のようにステッカーが貼られていることもあります。200Vに対応していないブレーカーが設置されている場合、電気工事が必要です。賃貸物件であれば、オーナーや不動産管理会社に相談し、事前に工事の了承を得ておきましょう。

200Vのエアコンを設置するには、エアコン専用コンセントの形状が200Vに対応している必要があります。電源の挿し間違いによる事故を防ぐため、100V用のコンセントは穴が2つ、200V用は穴が3つになっています。形状が合わない場合は専用の配線工事が必要となるため、設置前に確認してください。

エアコン購入時や買い替え時には、工事費がかかります。エアコンは、本体価格＋標準据付工事を含む価格で表示していますが、エアコンの設置場所や本体サイズ、コンセントの形状などによっては追加工事費が発生する場合もあるので、事前に工事費用を確認しておきましょう。なお、賃貸住宅の場合、壁に穴を空ける工事ができないこともあります。設置のために穴開けが必要かどうかを確認しておくことが大切です。

ダイキンの200Vのエアコン「うるさら」シリーズは、季節やシーンに合わせて部屋の環境を快適に保つ機能と、優れた省エネ性能が特⾧です。除湿能力を細かく制御できる「さらら除湿」や、ストリーマ放電で空気中の有害物質を分解・除去する「さらら空清」、エアコンの風が体に直接あたりにくい「風ないス運転」など、室内で快適に過ごすための機能を満載しています。24時間・365日対応の手厚いユーザーサポートも、安心して使用できるポイントです。

• ダイキン

三菱電機の200Vのエアコン「霧ヶ峰」シリーズは、全機種を国内生産（一部の付属品を除く）する、三菱電機の技術力を結集した高性能エアコンブランドです。中でも「エモコテック」搭載モデルは、赤外線センサーで室内や人の温度を測り、独自のバイタルセンサーが感情まで推し量った上で、最適な温度や気流へと調整してくれます。また、AIが体感温度や室温の変化を予測して運転モードを切り替えてくれるので、冷えすぎず暖めすぎない快適な環境を維持できます。

• 三菱

エアコンの電源を頻繁に入れたり切ったりすると、電気代がかさむ傾向があります。通常、エアコンは、外気温と設定温度の差が大きい運転開始直後に、最も多くの電力を消費します。エアコンを動かして室内が快適な温度（設定温度）になったところでエアコンの電源をオフにすると、室温は再び外気温に近づいてしまいます。すると、再起動したときに再び多くの電力を消費して、余計な電気代がかかってしまうのです。30分程度の外出であれば、エアコンの電源を切らずにつけたままにするほうが、電気代の節約につながります。

200Vのエアコンは冷暖房の能力が高いため、自動運転モードで使用することをおすすめします。自動運転モードなら、一番短時間で設定温度に達するよう、エアコンが効率良く運転を制御してくれます。運転モードを手動で切り替えるよりも、効率的に運転されるので、電気代の節約につながるでしょう。

室温を快適に保つには、エアコンのタイマー機能を上手に活用するのがコツです。例えば、就寝後1～2時間後にオフタイマーをセットしておき、起床時刻の30分前に合わせてオンタイマーをセットしましょう。就寝中の無駄な電気使用量を抑えるとともに、目覚めるタイミングに合わせて快適な室温に調整することが可能です。

エアコンの風を部屋全体に効率良く行き渡らせるには、扇風機やサーキュレーターを併用することをおすすめします。冷房時にはエアコンの真下付近に、エアコンに背を向ける形で置くのがポイント。エアコンから降りてきた冷たい空気を、部屋の奥まで送って拡散させることができます。

暖房時には、エアコンの対角線上に扇風機やサーキュレーターを置いて上へ向けることで、天井付近に溜まった暖かい空気を部屋全体に循環させることが可能です。

• 扇風機
• サーキュレーター

エアコンを⾧く快適に使うためには、定期的なお手入れが必要です。フィルターが目詰まりすると、エアコンの冷暖房効果が低下します。こまめにフィルター掃除を実施してください。 また、季節ごとにプロのエアコンクリーニング業者に依頼して、エアコン内部を清掃するのがおすすめ。フィルターだけでなく、エアコン内部の熱交換器、ドレンパン、ファンなど、通常の掃除では手が届かない部分も徹底的に清掃してくれます。 定期的なお手入れをすることで、エアコンをより⾧く快適に使い続けられるでしょう。

• エアコンクリーニング

エアコン用フィルターは、各メーカーがモデルごとに対応したものを販売しています。基本的には掃除をして使い続けることができますが、製品によっては数年ごとの交換が推奨されています。対応機種と交換目安時期を確認した上で、ご検討ください。

• エアコン用フィルター

スマホ接続用アダプターは、エアコンを無線LAN（Wi-Fi）に接続して、スマートフォンから操作したり、連携させたりするためのアダプターです。モデルにもよりますが、外出先からエアコンの電源をオンオフしたり、運転状況を確認したりできるようになります。エアコンのメーカーやモデルによって対応するアダプターが異なるため、型番を必ずご確認ください。

• スマホ接続用アダプター

エアコンラックは、エアコンの室外機を保護するためのラックです。直射日光や風雨、降雪などの影響で、室外機が十分に熱交換できないと、エアコン本来の性能を発揮できないことがあります。本来の冷暖房能力を発揮させるとともに、エアコンの故障を防ぐためにも、エアコンラックで室外機を保護しておくと安心です。

• エアコンラック

エアコンの冷気、暖気を部屋全体に効率よく行き渡らせるには、サーキュレーターの併用が効果的です。サーキュレーターは直線的な風を遠くまで届けられるため、扇風機よりも部屋の空気を効果的に循環させることができます。

• サーキュレーター