
冷蔵庫が水漏れする原因は?水漏れしやすい場所や防止方法を解説
2025.3.21[更新]
冷蔵庫を使い続けていると、水漏れに気づくことがあるかもしれません。ですが、水漏れに対処せずそのまま放置すると、カビやにおいの原因になるだけでなく、漏電などのリスクにつながる可能性もあります。冷蔵庫を安全に使い続けるため、水漏れを見つけたときは早めの対策が必要です。本記事では、冷蔵庫の水漏れが発生しやすい場所や考えられる原因、水漏れを防止するための方法などについて解説します。

Joshin web 家電担当者「マルちゃん」が、冷蔵庫が水漏れする原因と水漏れしやすい場所や防止方法を解説いたします!
冷蔵庫の水漏れの原因
冷蔵庫の水漏れは、冷凍庫や野菜室の中、給水タンク周り、自動製氷機周りといった庫内だけでなく、冷蔵庫の背面・床などにも発生します。これらの場所が水で濡れていたり、水をこぼした覚えがないのに水滴の跡が見られたりする場合は、水漏れが起きている可能性があります。
なお、放置すると時間とともに水漏れが悪化するおそれがありますので、早めの対処が必要です。まずは、冷蔵庫が水漏れを起こす主な原因について知っておきましょう。

ドレンホースの不具合
冷蔵庫で水漏れが発生している場合、ドレンホースの不具合が原因である可能性があります。ドレンホースとは、冷蔵庫内で発生した水分を外部に排出する部品です。冷蔵庫内で結露したり、霜が溶けたりして発生した水分は、通常ドレンホースを通じて排水されます。しかし、ドレンホースに問題があると、水がきちんと排出されず、水漏れの原因になるのです。
ドレンホースの不具合の原因としてよくあるのは、ドレンホース内にゴミやほこりが詰まること。また、ドレンホース自体の破損や、冷蔵庫から外れてしまっている場合のほか、ドレンホース自体に問題はなくても排水口が詰まっている可能性もあります。
ドレンホースの不具合は、ご自身での解決は難しいこともあるため、メーカーや購入した店舗に問い合わせるか、専門業者に依頼することをおすすめします。
コンプレッサーの故障
冷蔵庫を冷やす役割を持つコンプレッサーの故障も、水漏れの原因のひとつです。コンプレッサーが正常に動作しないと、冷却効率が大きく下がります。すると、冷蔵庫内の温度が上がり、霜が一気に溶けて水漏れにつながることがあるのです。
コンプレッサーは、経年劣化などによって故障することが多いもの。自分でコンプレッサーを修理するのは難しいため、専門業者に依頼して修理や交換をする必要があります。
ドレンパンの汚れ
ドレンパンは、ドレンホースから排出された水を溜めておく受け皿のようなものです。通常、ドレンパンに溜まった水は自然に蒸発します。ところが、ドレンパンにほこりや汚れが溜まっていると、水の蒸発が妨げられて、あふれ出してしまうことがあるのです。
床に水がこぼれて水たまりになっている場合、ドレンパンのトラブルによる水漏れの可能性があります。そのまま水漏れが続くと、フローリングなどの床を傷めてしまうリスクもあるため、早めの対策が重要です。水漏れを防ぐため、ドレンパンは年に1~2回取り外してお手入れしましょう。ただし、ドレンパンが取り外しできないモデルもあります。お手入れの方法はモデルによって異なるため、取扱説明書をご確認ください。
パッキンの劣化や汚れ
冷蔵庫のドアについているパッキン(ゴム状の部品)が劣化すると、ドアを密閉できなくなり、冷蔵庫の外から暖かい空気が庫内に入ってきてしまいます。すると、室内と冷蔵庫内の温度差により、空気に含まれる水蒸気が結露して、冷蔵庫内に水として溜まってしまうのです。また、パッキンが劣化していなくても、汚れが付着していると、ドアを閉めたときに小さな隙間ができ、そこから暖かい空気が入り込んでしまいます。
パッキンが劣化している場合は、交換を検討しましょう。ホームセンターなどで交換用のパッキンを購入できますが、ご自身での交換には技術が必要で、指を挟むといったケガのリスクもあるため、冷蔵庫を購入した店舗やメーカーに交換を依頼するのがおすすめです。また、パッキンに汚れが付着している場合は、やわらかい布をぬるま湯で濡らして絞り、汚れを拭き取ってください。

冷風口がふさがっている
冷蔵庫内の冷風口が食材などでふさがれていると、冷却効率が下がって冷蔵庫内の温度が上がります。すると、冷風口からの冷たい風と庫内の暖かい空気の温度差により、結露して冷蔵庫内が水浸しになることがあります。また、冷風口にゴミやほこりが溜まっている場合も、同様に結露する可能性があるでしょう。
水漏れを防ぐには、冷蔵庫内を整理して、冷風口の周りに十分なスペースを確保してください。また、定期的に冷風口を掃除して、ゴミやほこりを取り除くことも大切です。

給水タンクの不具合
自動製氷機能の給水タンクが正しく設置されていなかったり、給水タンクにひびが入っていたりすると、水漏れの原因になります。給水タンクは多くの場合プラスチック製で、経年劣化や衝撃によってひびが入ることも珍しくありません。また、給水タンクのパッキンの劣化により、水が漏れるケースもあります。
給水タンクの不具合で水漏れが発生すると、冷蔵庫内が水浸しになり、カビや菌が発生する可能性があるため、早めの対処が大切です。メーカーやモデルによっては、給水タンクを別売りで購入できることもあるので、取り換えを検討してください。

停電
停電によって冷蔵庫内の温度が上がると、冷蔵庫や冷凍庫内の霜が溶けて水が排出され、水漏れの原因になります。製氷室内の氷や冷凍食品も溶けてしまうため、一気に大量の水が排出され、ドレンパンがあふれてしまうことがあるからです。停電中は、冷蔵庫・冷凍庫内の冷気を保つため、できるだけドアを開けないようにしてください。
停電後は、乾いた布で冷蔵庫・冷凍庫内の水をしっかりと拭き取り、電源を入れ直してください。また、電力が復旧した後も、冷蔵庫内が十分に冷えて、通常どおり機能しているかどうかを確認しましょう。なお、停電した覚えがなくても、外出中や寝ているあいだに短時間の停電が発生しているケースもあるのでご注意ください。
冷蔵庫の水漏れを放置してはいけない理由
冷蔵庫の水漏れを発見した際には、放置せずにすぐに対策をしてください。最初は水漏れの量が少なくても、次第に水漏れの量が多くなり、大きなトラブルを引き起こす可能性があるからです。ここでは、水漏れを放置した場合の、主なリスクについて解説します。
カビやにおいの原因になる
冷蔵庫の内部や周囲に水が溜まったまま放置すると、湿気が原因でカビが発生しやすくなります。冷蔵庫の背面や床下などの見えにくい部分に水が溜まると、カビが繁殖しても気づかず、異臭の原因となります。カビは健康にも悪影響を及ぼすため、水漏れに気づいたらすぐに対応してください。

フローリングが傷む
冷蔵庫から漏れた水で床が長時間濡れたままになると、フローリングや床材が傷む原因となります。フローリングの場合は、水分が染み込むことで膨張や変色が起こり、張り替えが必要になる場合も。床にこぼれた水はすぐに拭き取り、水漏れの原因を早めに突き止めて対策をしましょう。

漏電して火事になる可能性がある
冷蔵庫から漏れた水がコンセントにかかると、電気が水を伝って漏電するリスクが高まります。漏電が発生すると、最悪の場合、火災につながることも。
冷蔵庫から水漏れが起きていてブレーカーが落ちた場合は、漏電している可能性があるため、電源を入れ直さないでください。また、濡れた手でコンセントにふれると、感電の危険があります。漏電の可能性がある場合は、ただちに電気の利用を控え、専門業者に調査を依頼しましょう。

冷蔵庫の水漏れを防止する方法
冷蔵庫の水漏れは、冷蔵庫の使い方に注意し、定期的にメンテナンスをすれば予防できます。また、冷蔵庫が古い場合は、買い替えるのもひとつの手です。続いては、冷蔵庫の水漏れを防止する方法を解説します。
ドアの開閉を少なくする
冷蔵庫のドアを頻繁に開け閉めすると、室内の暖かい空気が冷蔵庫内に入り込みます。すると、室内と冷蔵庫内の温度差によって空気に含まれる水蒸気が結露して、冷蔵庫内が水浸しになってしまうのです。結露を防止するため、必要な食材はまとめて取り出すなど、ドアの開閉をできるだけ少なくしましょう。

冷蔵庫を定期的に掃除・点検する
冷蔵庫内を定期的に掃除し、点検することで水漏れを予防できます。ドレンパンが取り外せるタイプであれば、定期的に外して汚れを取り除きましょう。また、冷風口が物でふさがれていないかチェックし、冷蔵庫内に冷気が行き渡るようにすることも大切です。

パッキンを交換する
冷蔵庫のパッキンが劣化すると、霜や結露が発生しやすくなり、水漏れの原因になります。パッキンが傷んでいたり、汚れがついたりする場合は、交換やお手入れをしてください。

古い冷蔵庫を買い替える
長期間使用している冷蔵庫は、部品の劣化や冷却性能の低下により、水漏れが発生しやすくなります。冷蔵庫の寿命は、一般的に10年程とされていますので、使用年数が長い冷蔵庫が水漏れを起こした場合は、買い替えを検討しましょう。

冷蔵庫を買い替える際にチェックしたいポイント
冷蔵庫を買い替える際には、容量やサイズはもちろん、ドアの開き方、省エネ性能など、さまざまなポイントを見ることが重要です。ここでは、冷蔵庫を購入する際に考慮すべきポイントをご紹介します。
容量:家族の人数や使い方で必要な容量が変わる
冷蔵庫選びで重要なのは、容量が大きすぎず、小さすぎないモデルを選ぶことです。では、家族の人数に応じて、どのくらいの容量が必要なのでしょうか。一般的に必要な冷蔵庫の容量は、次の計算式で求めることができます。

例えば、4人家族の場合は、4人×70L+100L+70L=450Lとなるため、400~500L台の冷蔵庫がおすすめです。
ただし、この計算式はあくまで目安。ホールケーキや丸ごとのメロンといったサイズが大きな食品を入れたり、週末に大量の食品をまとめ買いしたりといった場合には、容量が大きいほうが便利です。また、一人暮らしであっても、自炊を頻繁に行う方は、少し余裕のある容量を選ぶことをおすすめします。冷凍食品を多く使う方には冷凍室の広いモデルが、野菜をよく食べる方には野菜室の広いモデルがおすすめです。
サイズ:設置経路と搬入スペースをチェック
冷蔵庫を設置する際には、本体の周りに放熱用のスペースを確保する必要があります。必要なスペースの大きさはメーカーやモデルによって異なるため、購入前にカタログやメーカーサイトで仕様を確認しておきましょう。
さらに、搬入経路の確認も大切です。冷蔵庫を搬入する際には、本体サイズに加えて幅や高さに約10cmの余裕が必要となります。エレベーターの入り口や階段の踊り場、廊下、家の玄関など、搬入経路にある狭い部分の寸法を事前に測り、余裕を持って搬入できるかを確認しておいてください。

ドアの開き方:設置場所のスペースや動線を考えて選ぶ
冷蔵庫を選ぶ際には、ドアの開き方も大切なポイントです。片開き(左開き/右開き)と観音開き(フレンチドア)、両開きの3つのタイプがありますが、キッチンのレイアウトや動線などによってベストなタイプは変わります。ドアの開き方の違いは、下記のとおりです。
片開き(左開き/右開き)
観音開き(フレンチドア)
観音開きは、冷蔵庫のドアが中央から左右両方に開くタイプ。ドアの開閉に必要なスペースが小さいので、物の出し入れがしやすいのが特長です。また、ドアポケットが充実しているので、ペットボトルなどの収納もしやすいでしょう。

両開き
両開きは、冷蔵庫のドアを左右どちらからでも開けられるタイプ。部屋のレイアウトや動線に応じてドアを開ける方向を変えられるので、設置場所を問わず使いやすいのが特長です。

省エネ性能:取扱説明書やカタログを確認
冷蔵庫は常に動作しているため、家庭内で最も電力を消費する家電のひとつ。家計への負担を減らし、資源の無駄を抑えるためにも、省エネ性能の高い冷蔵庫を選ぶことが大切です。メーカーの取扱説明書やカタログには、省エネ性能を示す星の数や省エネ基準達成率、1年間の目安電気料金などが記載されているので参考にしてください。
なお、冷蔵庫の周囲に適切な放熱スペースを確保せず庫内に食材を詰め込みすぎると、冷却や放熱の効率が低下し、省エネ性能が下がってしまうので注意が必要です。

デザイン:インテリアとの調和を考える
デザインも、冷蔵庫を選ぶ際に重要な要素です。インテリアに合ったカラーや素材のモデルを選ぶことで、キッチン全体に調和が生まれ、自分好みの空間を演出できます。
最近では、赤や黒などの個性的なカラーのモデルや、スタイリッシュなステンレス製のモデル、木目調デザインのモデルなど、さまざまな選択肢があります。

スマートフォン連携機能・AI機能:冷蔵庫をより便利・快適に
スマートフォン連携機能やAI機能を搭載した冷蔵庫は、ライフスタイルに合わせてより快適に使用できます。例えば、冷蔵室のドアを開けるたびに庫内を自動で撮影するカメラ機能を備えたモデルを使えば、食材の買い忘れや二重購入を防ぐのに役立ちます。また、庫内の温度・湿度を自動的に最適な状態に保つAI 機能がついたモデルなら、食材の鮮度をしっかり保ちながら、省エネも叶えてくれます。

定期的なお手入れ・点検で、冷蔵庫の水漏れは防げる
冷蔵庫の水漏れを防ぐためには、日々のお手入れや定期的な点検が欠かせません。また、冷蔵庫に食材を詰め込みすぎないといった工夫や、ドアの開閉頻度を抑えることも効果的です。
もし、冷蔵庫が古くなってきたと感じた場合は、新しいモデルへの買い替えも検討してみてください。この記事でご紹介したポイントを日頃から意識して、水漏れを防ぐようにしましょう。