洗濯機の水漏れはなぜ起こる?原因と対処方法、予防方法をご紹介
2024.11.11[更新]
洗濯機に関するトラブルの中でも、最も注意したいのが水漏れです。水漏れが起きてしまうと漏電や洗濯機の致命的な故障につながることがあるだけでなく、階下に浸水してしまうこともあります。本記事では、洗濯機の水漏れが起こる原因のほか、水漏れの対処方法や予防方法などについて解説します。
Joshin web 家電担当者「パオ村さん」が、洗濯機の水漏れ問題について解説します!
洗濯機が水漏れしたときに対処すべきこと
洗濯機の水漏れに気づいたとき、どのように対処すべきでしょうか。いざというときに落ち着いて行動できるよう、水漏れを発見してからの対処法を順にご紹介します。
洗濯機の電源をオフにする
洗濯機の運転中に水漏れを発見した場合は、すぐに洗濯機の電源をオフにします。ただ電源ボタンをオフにするだけでなく、漏電のリスクを最小限に抑えるため、プラグをコンセントから抜いてください。なお、プラグを抜く際に感電するおそれもあるので、電気を通さないゴム製の手袋をした上で、先にブレーカーを落としてからプラグを抜きましょう。
水道の給水栓(蛇口)と元栓を閉める
次に、使用している水道の給水栓(洗濯機に給水するため壁に備え付けられた蛇口)をしっかりと閉めて、洗濯機への給水を止めます。それでも水が止まらない場合は、水道の元栓を閉める必要があります。元栓は、一戸建てでは玄関付近の地面にある水道メーターボックスの中に、集合住宅では通常、各住戸のドアの外にある扉の中に設置されているのが一般的です。
床の水を拭き取る
水漏れによって床に広がった水は、早急に拭き取りましょう。そのまま放置しておくと床材が痛んだり、カビ発生の原因になったりするだけでなく、浸水により床下や階下に被害が出てしまうおそれがあります。
洗濯機の水漏れの原因
洗濯機の水漏れは、さまざまなきっかけで発生します。いざというとき迅速に対応できるよう、水漏れが起こりやすい箇所を事前に把握しておくことが重要です。 ここでは、「洗濯機本体」「排水ホース」「給水ホース」「給水栓付近」という4つの箇所ごとに、水漏れが起こる原因をご紹介します。
洗濯機本体から水漏れしている原因
洗濯機本体から水漏れしている場合は、糸くずフィルターの詰まりや洗剤投入ケースの詰まり、パルセーターの摩耗などが考えられます。それぞれの原因について見ていきましょう。
糸くずフィルターの詰まり
洗濯物から出る糸くずや小さなゴミが排水口に詰まらないように、洗濯機には糸くずフィルターが搭載されています。洗濯槽の中にある糸くずフィルターが詰まっていると、取りきれないゴミが排水ホースに溜まってしまい、正常に排水できずに水漏れにつながることがあります。
洗剤投入ケースの詰まり
洗濯機本体の洗剤投入ケースに洗剤や汚れが付着したまま使用し続けると、洗剤が固まってしまいます。すると、固まった洗剤が洗濯槽へ流れるはずの水をせき止めてしまい、水漏れを起こす可能性があります。
パルセーターの摩耗
縦型洗濯機は、水流を作り出して洗濯物をもみ洗いするため、洗濯槽の底にパルセーターという回転羽根を搭載しています。このパルセーターが摩耗して軸と噛み合わなくなると、隙間ができて水漏れを引き起こすことがあります。
結露による水漏れ
気温の変化により、洗濯機内部に結露が発生することで、床が濡れてしまうことがあります。これは、洗濯機の故障で起こる水漏れではないため、結露対策が必要です。
排水ホースから水漏れしている原因
洗濯機の下にある排水口と洗濯機をつなぐ、排水ホースが原因で水漏れが起こるケースもあります。主に排水ホースのゆるみや詰まり、亀裂・破損などが原因として考えられます。
排水ホースのゆるみや詰まり
洗濯機は脱水やすすぎなどで大きく振動するため、その振動によって排水ホースの接続部がゆるくなることがあります。また、排水に含まれる洗剤の残りかすや油汚れが冷えて固まることで、排水ホースが詰まることもあります。排水ホースがゆるんでいたり詰まっていたりすると、水がうまく流れなくなり、水漏れを起こすことがあります。
排水ホースの亀裂・破損
経年劣化や物理的なダメージによって、排水ホースに亀裂が生じたり破損したりすると、ホースに開いた穴から水漏れすることがあります。
給水ホースから水漏れしている原因
壁についた給水栓と洗濯機をつないで、洗濯機に水を送る給水ホースが原因で水漏れが起こるケースもあります。主に、給水ホースの詰まりや亀裂・破損、接続部分のパッキンの劣化が原因として考えられます。
給水ホースの詰まり、亀裂・破損
給水用の給水栓と洗濯機をつないでいる給水ホースの内部がゴミなどで詰まったり、劣化により亀裂や破損が生じていたりすると、水漏れが発生することがあります。
接続部分のゴムパッキンの劣化
給水ホースの接続部分に使用されているゴムパッキンが経年劣化で固くなったり変形したりすると、そこから水が漏れることもあります。
給水栓付近から水漏れしている原因
洗濯機本体ではなく、給水栓付近から水漏れをしているケースもあります。主に、ナットのゆるみやゴムパッキンの劣化、ニップルのゆるみ・劣化、シールテープの劣化などが原因として考えられます。
ナットのゆるみ、ゴムパッキンの劣化
給水栓と給水ホースの接続部分のナットがゆるんだり、給水ホースとの隙間をふさぐ給水栓内部のゴムパッキンが劣化したりすることが原因で、水漏れが発生することがあります。
ニップルのゆるみ・劣化
給水栓と給水ホースを接続するニップルと呼ばれるパーツがゆるんだり、劣化したりしている場合、そこから水漏れを起こすことがあります。
シールテープの劣化
給水栓と配管の接続部分には、ネジ山の隙間を埋めて水漏れを防ぐシールテープが巻かれています。このシールテープの劣化により、給水栓と配管のつなぎ目に隙間ができて水漏れを起こすことがあります。
洗濯機の水漏れの対処方法
洗濯機の水漏れの原因を踏まえて、早急に適切な対処を行いましょう。ここでは、洗濯機本体や排水ホース、給水ホースなど、水漏れの部位ごとに対処方法をご紹介します。
洗濯機本体から水漏れしている場合の対処方法
洗濯機本体から水漏れしている場合の対処方法としては、糸くずフィルターの掃除と交換や洗剤投入ケースの水洗い、パルセーターの交換などが挙げられます。
糸くずフィルターの掃除と交換
糸くずフィルターは、定期的に取り外して溜まった糸くずやゴミを取り除きます。糸くずフィルターの目詰まりがひどい場合や破損している場合は、交換しましょう。
洗剤投入ケースの水洗い
洗剤投入ケースとその周辺を水で洗浄し、洗剤が固まって詰まっている場合は取り除いてください。また、普段から洗剤や汚れが溜まらないように、定期的に水洗いをしましょう。
パルセーターの交換
摩耗して劣化したパルセーターは交換が必要です。パルセーターは自分で交換することも可能ですが、メーカーはパルセーターを取り外すことを推奨していません。そのため、パルセーターの交換は、専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
換気をする
結露は、室温よりも洗濯機で使っている水の温度が低いときに起こります。また、浴室からの湯気で洗濯機が濡れてしまったり、湿度が高い環境に洗濯機を設置していたりすると、床が水で濡れてしまうことがあります。室温を調整したり、適切な換気を行ったりしましょう。
排水ホースから水漏れしている場合の対処方法
排水口と洗濯機をつなぐ、排水ホースからの水漏れへの対処方法としては、排水ホース接続部のゆるみを直してしっかり接続することや、排水ホースを取り外して内部を洗浄することなどが挙げられます。
排水ホースを接続し直す
排水口と排水ホースの接続がゆるんでいる場合は、しっかりと接続し直します。特に、排水ホースを延⾧している場合は、接続がゆるみやすいことがあるので注意しましょう。
排水ホース内部の洗浄
ゴミや洗剤の残りかすなどで排水ホースの内部が詰まっている場合は、排水ホースを取り外して内部を洗浄します。しっかり詰まりを取り除かないと排水ホースに穴が空いたり、割けたりする原因にもなるため、注意が必要です。
排水ホースの交換
排水ホースに亀裂や破損がある場合は、新しい排水ホースに交換します。交換する排水ホースは、使用している洗濯機と適合する規格のものを選んでください。
給水ホースから水漏れしている場合の対処方法
壁に付いた給水栓と洗濯機をつないで洗濯機に水を送る、給水ホースからの水漏れに対処するには、給水栓や洗濯機との接続部分の清掃やパッキン、給水ホースの交換などが必要です。
接続部分の清掃
給水栓や洗濯機と吸水ホースの接続部分にゴミや錆が溜まっている場合は、給水ホースを取り外してゴミなどを洗い流します。
パッキンと給水ホースの交換
給水ホースと洗濯機の接続部分のパッキンが劣化している場合や、給水ホースが破損している場合は、新しいものに交換します。特に、給水ホースと洗濯機の接続部分に使われているパッキンはゴム素材なので、経年劣化が避けられません。交換する際は、使用している給水ホースに適合するサイズ・形状のものを選びましょう。
給水栓付近から水漏れしている場合の対処方法
給水栓付近からの水漏れへの対処方法は、ナットやニップルのゆるみを締め直すことや、劣化したパッキン、ニップルを交換すること、給水栓を取り外してシールテープを巻き直すことが挙げられます。
ナットの締め直しとゴムパッキンの交換
給水栓のナットにゆるみが見られる場合は、サイズの合うレンチを使って締め直します。給水栓の接続部分の隙間をふさいでいるパッキンが劣化している場合は、交換してください。
ニップルのねじの締め直し・ニップルの交換
給水ホースと給水栓をつなぐニップルにゆるみがある場合はしっかり締め直し、劣化していれば交換します。なお、洗濯機用ニップルは、ストッパー付きのものに交換すると、万一、給水ホースが抜けた場合でも自動的に水が止まるので安心です。
シールテープの巻き直し
給水栓と配管を接続する部分のシールテープが劣化している場合は、水道の元栓を止めてから給水栓を取り外し、ネジ山の部分にシールテープを巻き直します。その際、古いシールテープやゴミが残っていると隙間ができて水漏れの原因となるため、給水栓と配管内をしっかり掃除することが重要です。なお、配管が古い場合などは、給水栓の交換時に配管を破損させてしまうおそれもあります。作業が難しそうだと感じたら、専門の修理業者に依頼しましょう。
洗濯機の水漏れを防ぐためのポイント
洗濯機の水漏れを防ぐには、日頃の洗濯機の使い方に注意することも重要です。ここでは、水漏れ予防に効果的な5つのポイントをご紹介します。
洗濯物を入れすぎない
洗濯機には容量が設定されているため、普段から洗濯機の容量に合った量の洗濯物を入れるようにしましょう。洗濯機の容量を超えた洗濯物を入れて運転すると、大きく振動して洗濯機本体や周辺のパーツに負担がかかり、破損につながる原因にもなります。
使用しないときは給水栓を閉める
洗濯が終わった後は、給水栓を閉める習慣をつけましょう。給水栓を常に開けた状態にしておくと、給水ホースやパッキンなどに負担がかかり、劣化を早める原因となります。万一、何らかの理由で給水ホースが外れると、床じゅう水浸しになってしまうため、できるだけ洗濯機を使用しないときは給水栓を閉めることをおすすめします。
こまめに洗濯機を掃除する
洗濯機内部に残ったゴミや糸くずは、時間の経過とともに蓄積されていき、排水不良や水漏れの原因となります。そのため、定期的に洗濯槽や洗剤投入口、糸くずフィルターなどを掃除して、清潔に保つことが重要です。
定期的に排水口と排水ホースの詰まりをチェックする
排水口や排水ホースにゴミや糸くずなどが詰まると、うまく排水できずに水が溜まってしまいます。水が逆流することもあるため、定期的に排水口や排水ホースの詰まりをチェックし、必要に応じて清掃を行いましょう。
防水パンを設置する
集合住宅に設置してあることが多い防水パン(樹脂製の土台)は、洗濯機から漏れた水をキャッチするために役立ちます。多少の水漏れであれば、防水パンが水を受け止めてくれます。一戸建てでも設置が可能なため、防水パンをまだ使用していない場合は、設置を検討しましょう。
洗濯機の水漏れが直らない場合は買い替えの検討を
洗濯機の水漏れが頻繁に発生する場合や、繰り返し修理をしても問題が解決しないときは、新しい洗濯機への買い替えを検討する時期かもしれません。買い替えにあたって押さえておきたいポイントをご紹介します。
種類:設置環境などに応じて3種類から選ぶ
洗濯機の種類は、大きく分けると「縦型洗濯機」「ドラム式洗濯機」「2槽式洗濯機」の3タイプです。ライフスタイルや設置環境、必要な機能などに応じて選んでください。
縦型洗濯機
縦型洗濯機は、縦(垂直)に配置された1 つの洗濯槽で洗濯を行うタイプの洗濯機です。ドラム式に比べるとコンパクトで、洗浄力が高く、多機能なものから機能を絞ったリーズナブルなモデルまで選択肢が豊富です。洗いからすすぎ、脱水までの一連の作業を行うタイプの縦型洗濯機を「全自動洗濯機」、さらに完全に洗濯物を乾かす機能まで備えたタイプを「縦型洗濯乾燥機」と呼びます。
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は、横向きまたは斜め向きに配置された洗濯槽で洗濯を行うタイプの洗濯機です。多くのモデルは乾燥もでき、洗濯物を干す手間がなくなるので、家事の時短になるほか、天候に左右されずに洗濯できます。また、前面のドアを開けて洗濯物の出し入れを行う使い勝手の良さや節水性の高さ、衣類へのダメージの少なさ、洗練されたデザインなどで人気があります。
2槽式洗濯機
2槽式洗濯機は、洗濯と脱水を別の槽で行うタイプの洗濯機です。洗濯機の内部が乾きやすいため、カビが発生しにくいほか、掃除が簡単で価格もリーズナブルなのがポイント。ただし、洗濯とすすぎが終わった後、手動で脱水槽に衣類を入れ替える必要があるほか、現在はモデル数もあまり多くありません。
洗濯容量:ライフスタイルや選択頻度を考慮する
洗濯機の容量は、一人暮らし向けの5〜7kg、2人暮らし向けの7〜8kg、3〜4人家族向けの10kg前後、5人以上の家族向けの12kg前後などのバリエーションがあります。1人あたり、1日に出る洗濯物の目安量は約1.5kgといわれます。ただし、数日分の洗濯物をまとめて洗うときや、毛布など大きなサイズのものを洗濯する場合などを見越して、洗濯容量を多めに見積もっておくことをおすすめします。ご家庭のライフスタイルや洗濯頻度に合わせて洗濯容量を選びましょう。
サイズ:設置スペースの幅・奥行・高さをチェック
洗濯機のサイズは、購入前に必ずチェックしておく必要があります。まず、洗濯機の設置スペースの幅・奥行・高さを測り、購入予定の洗濯機が収まるかを確認します。 その際、壁に備え付けられた給水栓の位置が低すぎると、洗濯機本体と接触してしまうことがあるので注意してください。ドラム式洗濯機は、全面のドアを開けたときに作業スペースが確保できるかどうかも確認が必要です。 また、防水パンが設置されている場合は、防水パンの寸法(内寸)も測ります。排水口が洗濯機本体の真下にある場合は、別売のパーツが必要になる可能性があるので要注意。 ほかに、洗濯機の設置場所まで搬入できるかどうか、搬入経路も確認してください。目安として、玄関やエレベーター、階段、廊下などの幅が、「洗濯機の横幅+6cm 以上」あれば搬入可能です。
そのほかの便利機能:時短やお手入れがラクになる機能
最近の洗濯機には、多くの便利な機能が搭載されています。洗剤や柔軟剤を計量して自動で投入する機能や、外出先でもスマートフォンで洗濯機を操作できる機能、洗濯の後に自動的に洗濯槽などを掃除する機能などが挙げられます。
洗剤・柔軟剤自動投入
洗剤・柔軟剤自動投入は、あらかじめ洗濯機の自動投入用タンクに洗剤や柔軟剤を入れておくと、洗濯時に適量を自動投入してくれる機能です。計量と投入の手間が省けるだけでなく、洗剤や柔軟剤の効果を最大限に引き出す量に調整してくれます。また、洗剤や柔軟剤を洗濯機の近くに保管しておく必要がなくなり、洗濯機周辺をすっきりと片付けられます。
スマートフォン連携
スマートフォン連携は、外出先からでもスマートフォンのアプリを使って、洗濯の開始や停止をコントロールしたり、洗濯状況の確認ができたりする機能です。帰宅時間を見計らって、外出先から洗濯を開始したり、予約していた洗濯終了時刻を変更したりできるため、効率良く時短できます。また、洗剤や柔軟剤の自動投入について、銘柄を選ぶだけで投入量などを簡単に設定できる機能や、自動投入タンク内の残量が少なくなったときに、洗剤や柔軟剤を自動でオンライン注文してくれる機能を持つモデルもあります。
自動おそうじ
自動おそうじは、洗濯の後に自動的に洗濯槽を掃除してくれる機能です。汚れ落としだけでなく、カビの発生を抑える効果も期待できます。常に洗濯槽をきれいに保てるので、自身でお手入れをする手間が軽減されます。
AI 機能
AI 機能は、AI(人工知能)が洗濯機に搭載された複数のセンサーを使って洗剤や柔軟剤の自動投入を管理したり、洗濯物の状態を判断して最適な洗濯コースを提案してくれたりする機能です。また、エコ運転を行うことができるモデルもあります。メーカーやモデルによって機能の詳細が異なるため、自身のニーズに合った機能を搭載しているか確認しましょう。
洗濯機の水漏れは、原因別に適切に対処しよう
洗濯機の水漏れにはいくつかの原因が考えられるため、水漏れの部位ごとにチェックして、何が原因なのかを見極めて対処する必要があります。また、日頃から点検や掃除、お手入れをして、洗濯機に負担をかけない使い方を心掛けましょう。 適切なケアとメンテナンスを行えば、洗濯機は10年以上使い続けることができるとされています。なお、現在お使いの洗濯機に何らかの不具合がある場合は、最新のモデルへの買い替えも検討してみてください。