
エアコンで部屋が暖まらない原因は?対処方法を解説
2025.3.24[更新]
冬の寒さが厳しい時期、エアコンを使用しても部屋が十分に暖まらないのは大きな問題です。エアコンで部屋が暖まらないときは、エアコンの設定ミスといった些細なものからエアコン自体の故障まで、さまざまな原因が考えられます。 この記事では、エアコンで部屋が暖まらない主な原因とその対処方法について解説します。エアコンの暖房を最大限に活用して、冬でも快適な室内環境を実現しましょう。

Joshin web 家電担当者「K」が、エアコンで部屋が暖まらない原因・対処法を解説します。
エアコンで部屋が暖まらない原因
エアコンを暖房運転しているのに部屋が十分に暖まらない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。ここでは、エアコンの設定の問題や室内機・室外機の不具合など、部屋が暖まらない主な原因について解説します。
エアコンの設定に問題がある
エアコンを使用しても部屋が暖まらない場合、エアコンの設定が問題かもしれません。運転モードが暖房ではなく、冷房や除湿になっている場合のほか、設定温度が低かったり、風量が弱かったり、風向きが上向きで暖かい空気が循環していなかったりする場合も、部屋が十分に暖まらないことがあります。

エアコンのお手入れや周辺環境に問題がある
エアコンで部屋が暖まらないとき、エアコンのお手入れの問題や、エアコン周辺の環境が関係しているケースも考えられます。エアコンの室内機のフィルターが汚れていると、空気の流れが悪くなり、暖房の効率が低下します。 また、エアコンの吹き出し口付近に家具などの障害物があると、暖かい空気が部屋全体に行き渡らず、局所的にしか暖まらないことも。そのほか、エアコンの室外機の周辺に物があると空気の流れが妨げられ、エアコンの熱交換能力が下がり暖房の効率が低下します。

外気温が低すぎる
エアコンを使用しても部屋が暖まらないときは、外気温の影響の可能性もあります。エアコンの暖房機能は外気温に大きく左右されますが、特に寒冷地域では外気温が低すぎるため、エアコンの暖房能力が低下することがあります。 また、エアコンの室外機が霜で覆われてしまうと、効率的な暖房運転が難しくなるため注意しましょう。

エアコンの適用畳数と部屋の広さが合っていない
エアコンは、モデルごとにどれくらいの広さの部屋に対応できるかという、適用畳数が設定されています。適用畳数を超える広い部屋でエアコンを使用すると、部屋全体をしっかりと暖めることができません。

エアコンが故障している
エアコンを使用しても部屋が暖まらない原因として、エアコンの故障も考えられます。エアコン内部には熱を運ぶ冷媒ガスが密閉されていますが、施工ミスや室外機を無理に動かしたりすると、冷媒ガスが漏れてしまうことがあります。 また、使用期間が⾧くなるにつれ、経年劣化によって各部に不具合が発生することも。こうしたエアコンの故障による性能低下が原因で、十分な暖房効果が得られないケースがあります。

エアコンで部屋が暖まらないときの対処方法
エアコンで部屋が暖まらないとき、どのように対処すればいいのでしょうか。エアコンの設定の見直しや、室内機・室外機のお手入れ、部屋に冷気を入れない工夫など、具体的な対処方法を見ていきましょう。
エアコンの設定を見直す
エアコンを使用しても部屋が暖まらない場合は、まずエアコンの設定を見直してください。何かのきっかけで、エアコンの設定が変わっている可能性があります。 「除湿」「送風」「冷房」になっていれば「暖房」に変更し、設定温度は室温よりも高い温度にします。風量は「自動」や「強風」に設定して、一気に部屋全体を暖めることが大切です。 また、暖かい空気は上昇する性質があるため、風向きを下向きに設定することで、暖かい空気が部屋全体に広がりやすくなります。そのほか、エアコンの室外機についた霜を溶かすために暖房を一時的に止める「霜取り運転」が行われていないかも確認しましょう。

エアコンの室内機・室外機をお手入れする
エアコンで部屋が暖まらないときには、室内機と室外機をお手入れすることも対処方法のひとつです。室内機のフィルターの掃除や室外機周辺の清掃など、それぞれのお手入れ方法について見ていきましょう。
室内機のお手入れ
エアコンの室内機のお手入れの基本は、フィルターの掃除です。フィルターにほこりや汚れが溜まると、エアコンの運転効率が低下してしまい、余計な電力を消費するようになります。そのため、2週間に1回はフィルターを掃除するのがおすすめです。フィルターをエアコンから取り外し、掃除機でゴミを吸い取った後にぬるま湯で水洗いして、完全に乾かしてから再び取り付けます。また、フィルターの汚れが落ちなかったり、劣化して破れていたりする場合は、新しいフィルターに交換してください。 そのほか、吹き出し口もチェックが必要です。室内機の吹き出し口が家具やカーテンなどでふさがれていると、空気の流れが阻害され暖房効果が低下します。風をさえぎる障害物は、どかしておきましょう。

室外機のお手入れ
エアコンの室外機は家の外に設置されているため、汚れやすい傾向があります。室外機の汚れや付近に溜まったゴミは熱交換の働きを阻害し、エアコンの運転効率を低下させる原因となります。定期的に吸い込み口や吹き出し口がふさがれていないかを確認し、室外機の周囲を清掃しましょう。 また、室外機を保護するためにカバーをかけていることがありますが、場合によっては通気を妨げてしまいます。カバーをかける場合は、室外機がしっかりと空気を吸い込んで排出できるよう、適切な通気の確保が必要です。

冷気が部屋に入らないようにする
エアコンがきちんと暖房運転をしているのに部屋が十分に暖まらない場合は、室外の冷気が部屋に入らないように工夫しましょう。冷気の侵入を最小限に抑えることができれば、効率的な暖房と快適な室温の維持が可能です。冷気が部屋に入らないようにする具体的な方法は、以下のとおりです。
断熱カーテンの使用
屋外の冷気が室内に最も伝わりやすいのが窓です。冷気の侵入を防ぎ、室内の熱を外に逃さないように、窓を断熱カーテンで覆いましょう。カーテンと窓ガラスのあいだに断熱層を作り出し、外気の影響を軽減できます。
※カーテンの測り方&豆知識の記事はこちら

隙間の封鎖
窓やドアの隙間からの冷気の侵入を防ぐには、隙間テープを使用するのがおすすめです。冷気が侵入してきそうな場所の窓枠やドア枠に、隙間テープを貼りましょう。

ドラフトストッパー
ドアの下部の隙間をふさぐには、ドラフトストッパーが効果的です。ドラフトストッパーはドアの下に差し込んで、隙間からの冷気の侵入を防ぐもの。ホームセンターや100円ショップなどで入手できます。

二重窓の設置
外気の侵入を防ぐ本格的な対策としては、二重窓の設置が有効です。既存の窓の内側に追加の窓枠を設置することで、2つのガラスのあいだの空気が断熱材の役目を果たし、外気の冷たさが室内に伝わるのを抑制します。

ほかの暖房器具を併用する
エアコンの暖房だけで部屋が暖まらないときは、ほかの暖房器具の併用も考えましょう。 例えば、コンパクトな部屋を暖めるには、ファンヒーターやオイルヒーターが適しています。また、すぐに体を暖めたいときは、電気ストーブやカーボンヒーターなど、直接体に熱を伝えてくれる暖房器具が役に立ちます。冷え込みが厳しい環境では、足元から室内を暖める床暖房もおすすめです。

防寒アイテムなどを利用する
エアコンで部屋が暖まらないときは、暖房に頼るだけでなく、体を暖めるアイテムや服装を工夫してみましょう。湯たんぽやブランケット、保温性の高いインナーなどを使用すれば、自分に合った暖かさに調節できます。ワンちゃんやネコちゃん、小動物と暮らしているご家庭は専用の寒さ対策グッズもおすすめです。
また、加湿器を使って部屋の湿度を上げると体感温度が上がり、乾燥を防いで快適に過ごせます。

エアコンの専門業者に修理・点検やクリーニングを依頼する
エアコンを使用しても部屋が暖まらない原因がエアコンの室内機・室外機の故障や汚れによるものの場合は、専門業者に点検・修理や、クリーニングを依頼するのがおすすめです。
点検・修理
エアコンの専門業者に点検を依頼することで、不具合や故障が起きている箇所を特定できます。また、暖まらない原因が、室内機・室外機の基盤不良や内部部品の経年劣化といった原因の場合に、適切な修理対応をしてもらえることがあります。

クリーニング
専門業者に依頼することで、細かく徹底したエアコンクリーニングを行うことができます。エアコンのフィルターや内部部品を分解して洗浄するため、汚れやほこり、カビ、においを徹底的に取り除くことが可能です。エアコンのクリーニングにより、暖房性能を取り戻すことが期待できます。 専門業者によるエアコンのクリーニングは、年に1回程度、定期的に行うのが理想的です。

新しいエアコンに買い替える
エアコンの点検・修理やクリーニングには、費用がかかるほか、暖房を使用しても部屋が暖まらない原因がわかっても、修理ができないケースもあります。 メーカーは、生産が終了した家電製品でも故障時に修理ができるよう、必要な部品を保有しています。ただし、メーカーにもよりますが、エアコンの部品の保有期間(補修用性能部品の保有期間)は、製造打ち切り後、10年程度です。そのため、10年以上使用しているエアコンの場合、修理用の部品が残っていない可能性があります。こうした場合、新しいエアコンに買い替えることもひとつの方法です。

機能が向上
最近のエアコンは、自動でエアコン内部を掃除する機能を搭載するモデルが増えています。そうしたエアコンを選べば、日常のお手入れの手間が軽減され、常にエアコンの良好な運転状態を維持することができます。冬場、外気温が低いエリアにお住まいの場合は、暖房機能を強化した寒冷地仕様のエアコンを導入するのがおすすめです。寒冷地仕様のエアコンには、外気温が2℃のときの暖房能力を表す「低温暖房能力」が記載されており、数値が大きいほど外気温が低くても高い暖房能力を発揮することを表しています。
また、エアコンを買い替えるときは、適用畳数が部屋の広さに合っているかも確認してください。部屋の広さに対して暖房能力が低いエアコンは、運転効率が悪く、消費電力が多くなってしまいます。なお、エアコンの省エネ性能は年々進化しており、冷暖房能力が同等でも、最新のエアコンは以前のモデルより消費電力が少なくなっています。一般的にエアコンの寿命とされる10年を超えて使用している場合は、新しいエアコンに買い替えることを検討してみてはいかがでしょうか。
エアコンで部屋が暖まらない場合は買い替えも検討を
エアコンで部屋が十分に暖まらない場合は、さまざまな原因が考えられます。簡単なものであればエアコン設定の見直し、室内機と室外機のフィルターや吹き出し口のお手入れ、部屋の環境の見直しといった工夫により、状況が改善できる可能性があります。 ただし、⾧年使用しているエアコンの場合は、故障や経年劣化による性能低下の可能性も考えられるため、専門業者による点検・修理、クリーニングのほか、エアコンの買い替えも検討してみてください。