2024.09.30
Joshin 試用レポート
「掃除のストレスをなくしたい」と真剣に考える、パナソニックの掃除機を作る八日市工場に潜入レポート!



パナソニックのクリーナーを開発・製造を行う「八日市工場」のこだわりを聞いてきた
「使いやすさ」を追求しているというパナソニックさんの掃除機はどのようにして作られるのか。
その秘密に迫るべく、日本国内のパナソニック製の掃除機を生み出し続ける『八日市工場』に潜入!
開発や製造を行う従業員の方からこだわりのお話を聞いてきました!
ライター:ぴよこ
パナソニックの掃除機をつくる八日市工場にやってきた!
パナソニック掃除機の開発・製造を行う八日市工場にやってきました!
パナソニックといえば洗濯機・エアコン・冷蔵庫と家電の分野でマルチに活躍しているのは皆さんご存じかと思います。
もちろん掃除機も手掛けており、最近だとスティッククリーナーに自動ゴミ収集機を搭載したセパレートタイプのコードレスクリーナーに注目されていた方も多いのではないでしょうか。
そんなパナソニックさんのはじめての掃除機は1954年のハンディクリーナーでした。
当時の掃除機は金属製が主流だったため、軽くて使いやすいプラスチック製にしようと開発をはじめたのが、この八日市工場です。
必需品として需要が拡大してた掃除機を、時代が変化しても発展し続けられる工場を作りたい」という思いから1971年に建設され、2022年からは日本国内のパナソニック製の掃除機の全ての生産しています。
工場の周辺は緑が多くてのどかな地域なのですが、工場の中は通路を挟むように大きな機械が建物のように並んでいて、まるで機械の街のよう!
ヒューマンエラーをなくすために機械化を進めており、IoTも積極的に取り入れ、2030年までにCO2排出量ゼロ化を掲げるなど、「発展し続けられる工場」という建設当時の思いが見事に具現化された大きな工場でした。
八日市工場は軽量化や環境に配慮した成型技術を得意とし、プラスチックの成形においてはパナソニックの中でもNo.1を誇れるほどの技術を持ちます。
その技術や品質の高さから、パナソニック製の掃除機の製造工場がある日本・中国・マレーシアの3拠点のマザー工場になるだけでなく、精度を求められる車メーカーのパーツや宇宙船のパーツの製造・加工を請け負うなど、他の企業からも注目されるほどなんだとか!
組み立ても梱包も見える化でチェック管理
人はどこにいるの?と感じるほど、工場内は機械のアームがパーツを作ったり運んだりと忙しそうに稼働していたのですが、掃除機を組み立てる現場を見学させていただくと、大部分は機械が組み立てた後、従業員の方が全体をチェックしながら仕上げを行なっていました。
作業場所にはカメラが設置されており、機械と人による組み立てを、さらにカメラでみる事ができるという厳しい管理体制のもとで組み立てられているんですね!
工場の方にお話を伺いました!
― 八日市工場での“モノづくり”のこだわりを教えてください
『日本市場は世界一見る目が厳しいと言われますが、八日市工場ではパナソニックの国内の掃除機の全てを、企画・設計から製造までを一枚岩になって、一貫生産を行なっています。
掃除機を使う日本のお客様の事を考えて、日本の住宅環境や使う上で大切なのは何なのか、と言う事を軸にしながらモノづくりを行っていることが、「高品質」だと言っていただける評価に繋がっています』
― 確かにサイズだけでも日本人向けか、そうでないか、というのは感じる事があります。
「見た目でわからなくても、掃除機を構えた時に意外とアレ?となったりしますよね。
そういった違和感を無くすために、ハンドルの高さはどの位置がいいのか、操作ボタンの端を押しても反応するようにしようなど、細部の設計にまでこだわって考えています。
仕事・家事・育児等で時間に追われている方はどんどん増えていますので、家事でストレスを感じさせない使い心地を目指しています」
― 他にも日本と海外では違う点はありますか?
「文化の違いとして、日本は靴を脱いで家に入りますが、欧米などでは靴のまま過ごします。
その違いから、日本の住宅では綿ゴミ、海外では砂ゴミが多いという特徴があります」
― 生活環境から出るゴミの違いも沢山ありそうですね。
「そこで私たちは日本の家庭から多く出るゴミの研究もしています。
工場の敷地内には、日本に多い一軒家を想定した『生活研究ハウス』があり、そこで研究したゴミを掃除機で吸引したり、お客様の使い方を想定しながら使い勝手を確かめています」
本当に一軒家!「生活研究ハウス」を見学!
『生活研究ハウス』も案内していただきましたが、思った以上に一軒家でした。
工場の敷地の端の方に建っている事もあり、最初「工場のすごい近くに民家がある」と思ったほどです。
閑静な住宅地にある一軒家すぎて、玄関で「お邪魔します」と言わずにいられませんでした。
中に入ると思わずホッコリ!なぜか懐かしい気持ちになりました
家すぎるのは外観だけではありませんでした。
はじめてのお宅訪問なのに何故だか懐かしくてほっこり…。
和室は筆者の祖父母の家に驚くほど似ており、床の間と押し入れの間に仏壇があったら完全一致レベルでした。
『生活研究ハウスはリアルな生活を想定し、ご家庭にあるよくある家具などを揃えた“本物の家”に近い状態で掃除機のテストをしています。
実際の生活では綿や砂ゴミだけでなく、生活中で落ちたモノを吸引する事がありますので、テストでは様々なゴミを用います』
生活研究ハウスで用いられているゴミの一部
実験で使用するゴミのサンプルを見てみると、壁際でよく見る砂ごみや綿ボコリに…アメの袋やクリップが!
そうそう、アメの袋をついつい机の上に置いたら知らない間に床に引っ越ししてたり、クリップもなんでか分からないけど落ちてます。
そしてそのまま掃除機で吸って「カシャシャン!」「ズボシュッ!」といつもよりも激しい音が吸引中にした事で、落としていた事に気付くのです。
あれ?『生活研究ハウス』のゴミのモデルって、筆者の家?
あまりにもリアルな状況を作り出してテストされているというのを痛感します。
― ゴミ以外に、掃除機を使う時に想定されるものって何ですか?
『一軒家では階段も掃除機がけで掃除機のヘッドをぶつける事も考えられますので、日本家屋で発生しそうな衝撃も想定し、工場では耐久テストを行なっています』
過酷! 掃除機の耐久テスト現場
耐久テストの施設で、一部の実験の様子も見学させていただきました。
機械によって往復走行を繰り返す実験は「頑張れー!」と応援したくなりましたが、床から高く持ち上げられたヘッドを自然落下させる実験は見ていて不安になる衝撃映像です。
『日本の住宅構造は廊下や階段で掃除機をぶつけやすく、誤って落下させてしまう事もあります。
本体だけでなくヘッドの耐久性も重要ですので、パーツごとに耐久テストを行ない、製品基準をクリアするまで安全性を確かめます』
― 製品になるための基準は?
『基準はモニターを通して決める事が多く、現在は550のチェック項目をクリアすることで製品化しています』
― 多い! チェックが大変そうです!
『1製品につき2〜3回は試作品を作ります。
社員が実際に使って不具合が見つかり次第、企画から製造までをチームで連携して作り直します。』
― それでやっと製品化ですね!
『そこから作り直した製品を再度モニターし、550項目チェックや生活研究ハウスで検証を行って、問題がなくなれば製品化となります。
今までにない機能を搭載した製品だと、550項目から新たに項目を増やして検証するので、完成予定の期日ギリギリまで検討していることもありますね…』
厳しい基準を満たせずに製品化できなかったことも
― それだけ製品化の基準が厳しいと、製品化できない事もあったのではないでしょうか?
『製品化ができない、というよりは、製品化のためにできることを行うので、とても時間がかかるケースが多いです。
ただ、2002年に販売を試みたロボット掃除機は基準を満たすことができず、2020年に初代ロボット掃除機『ルーロ』を販売することになりました』
工場には2002年当時に開発されていたロボット掃除機のプロトタイプが残っていました。
さすがプロトタイプ…サイズは大きく、ルーロの面影はありません。
そして時代を感じるスケルトンボディ。
パソコンやゲーム機、カセットオーディオなどに訪れたスケルトンブームを知っている筆者には、ちょっと懐かしいデザインです。
こうしてプロトタイプと製品化されたルーロを目の当たりにすると、何度も何度もブラッシュアップされたものがお店に並ぶ製品なんだなと改めて感じられました。
今も受け継がれる品質三戒
厳しい基準を満たさないと製品化しないというパナソニックさんの品質のこだわりは、実は苦い経験が元になっていました。
『八日市工場は今年で53年目となりますが、設立当時は98%が不良品だったという経験があります。
これでは当然お客様に満足していただけるわけもありません。
そこで当時の工場長が、不良品を減らすべく『品質道場』の看板を掲げ、【妥協しない】【省略しない】【弁解しない】の「品質三戒」のスローガンをもとに、従業員一丸となって品質に高い意識を持つ改革が進められました』
工場の入口には、今でもその当時に作られた『品質道場』の看板が残されており、今回の見学中にも様々な場所で「品質三戒」を目にしました。
まとめ
「98%の不良品」と聞いた時、最初は聞き間違えかと思ったのですが、対談や工場見学中、他の従業員の方からのお話でも何度も耳にしました。
53年経った今では当時の経験をバネに、従業員の方たちが常により良い製品作りを心がけ、国家検定や社内検定の取得も精力的に励まれています。
その結果、年に2回開催される技能競技大会(参加者は1000人以上!)に八日市工場の従業員の方が参加されると、参加者の30%が入賞されたそうです。
3年連続で開発部門、製造部門どちらでも入賞をし、高いスキルを伝えるために、他の工場の講師としても活躍されています。
パナソニック製の掃除機は、そんな高い技術を持つ従業員の方たちが「日本の方の掃除のストレスを減らしたい!」と、真剣に考え抜いて作っています。
掃除機を使っていて「ちょっと大きい」「操作しにくい」といったプチストレスは、掃除機を実際に使ってから気が付く事が多いです。
掃除機の買い替えを検討されている方は、一度お店で持ち比べたり、試し吸引を行なう事をおすすめします。
その時にぜひ、パナソニックの掃除機を触ってみて、構えた時に「持ちやすい!」「ボタンの配置がいい!」などご体感ください。
そのちょっとの使いやすさが、八日市工場の従業員の方たちが「これだ!」と思って作り上げたこだわりの部分でございます。
2024.09.30 (ぴよこ)























































































































































































