カメラ事業から撤退したオリンパスが「OMデジタルソリューションズ」としてカメラを初発表させたのが今回レポートする『PEN E-P7』。
PENシリーズには、フラッグシップ機のE-Pモデル、エントリー機のPEN Lite（E-PLモデル）があり、過去には趣味性の高いクラシックモデルのPEN-Fが存在しました。
今回のE-P7はフラッグシップ機のE-Pシリーズ並みの性能を持ちながら、PEN Liteのような小さなサイズで手ブレにも強く、PEN-Fに搭載されていたプロファイルコントロール機能を継承と、PENシリーズの良いとこ取りをしたかのようなモデルになっています。
スペック的にはどうなのか。E-P7と1番新しいE-PL、PEN-Fとのスペックの違いを簡単にまとめてみました。

E-P7とE-PL10、PEN-Fとのスペック比較

オリンパスは画像処理エンジンが新しくなると、以降に登場するモデルには新しいエンジンが使われるため、エンジン性能がPEN-FよりもE-P7の方が高くなっています。
連写はHモードで約8.7コマですが、静音連写Hモードなら約14.1コマの高速連写が可能です。
手振れ補正はPEN-Fに劣るものの、同価格帯のカメラで5軸で4.5段というのはなかなか無く、さらに小型・軽量というのはとても強みがあります。

ファインダーはなく、チルトモニターといったところがPEN-Fよりも操作性が劣りますが、フロント/リアダイヤルと2つのダイヤルが搭載（タッチも対応）なのは操作面で満足できそうです。
個人的にはモバイルバッテリーで充電が出来るようになっているのがかなりポイントが高いです。

PEN-Fを彷彿とさせるフィルムカメラのようなオールドデザインに、アルミの削り出しのダイヤル…小さなボディにこだわりのディティールがギュッと詰まっています。

最近のミラーレスはフルサイズが流行ですが、手軽に撮影したい場合やサブ機には、この小さなボディは魅力的。
本体重量は約289g、セットレンズを装着しても（カード、バッテリー含む）約430gとPEN-Fのボディのみの重量と3グラムしか変わりません。
交換レンズも小さなものが多いので、複数のレンズを鞄に詰めてもコンパクトにまとまります。

レンズは黒とシルバーの2色。
黒のボディに黒いレンズが似合うと思っていましたが、シルバーのレンズを装着するとオールド感が増してなかなかいい感じです。
ちっちゃいのにちゃんとフードが付いているのが愛らしい…。

モニターはタッチ操作ができ、上向きに80度、下向きに180度回転する3.0型のチルト式です。
ファインダーはなく、モニターを見ながら設定や撮影を行います。
側面にUSB端子とHDMI端子が配置。
底面にバッテリー（BLS-50）とSDカードを挿入するカバーが配置しており、SDカードはUHS-IIに対応です。

PEN-Fの機能が継承された「プロファイルコントロール」

レンズの右下に配置しているスイッチが、カラー（モノクロ）プロファイルコントロールに瞬間的に切り替えられる「プロファイルコントロールスイッチ」で、12色の彩度やシェーディング、ハイライト&シャドウを加えて、より自分好みの写真に仕上げることができます。
PEN-Fはカラー/モノクロ共に3つのプリセットが登録されていましたが、E-P7はプリセットが4つになりました。

スイッチを切り替えた直後は、画面下側にプロファイルのプリセットが表示され、左端に調整メニューが表示されます。
タッチやフロント/リアダイヤルで調整ができます。

オリンパスといえば、カメラに搭載されているアートフィルターの機能を使って写真の加工が楽しめますが、プロファイルコントロールは写真の印象をガラリと変えるというよりかは、フィルムで撮ったような質感に変化させます。
どことなく懐かしい、ノスタルジックな雰囲気のある写真になり、そこにシェーディングを加えたり、特定の色を印象付けるように主張させたりできるので、アートな写真を撮れる幅がかなり広がるかと思います。

プリセットの特徴

撮影中にずっと手に持って歩いていましたが、小さくて軽く、街歩きにピッタリなカメラです。
最近のミラーレスはフルサイズが人気ですが、やはり小型・軽量のボディの『どこにでも運びたくなる軽やかさ』は、カメラをはじめてみようかと思っている方やサブ機として、とても使いやすいと思います。

アートフィルターに加え、プロファイルコントロールでの写真表現ができますので、PEN至上最大の写真表現ができます。
これだけの表現ができるカメラはなかなかないので、はじめてのカメラがE-P7だと、5軸で4.5段と手持ちで十分に撮影ができて、フロント/リアダイヤルもあってと、長く愛用していただけるのではないでしょうか。
サブ機で選ばれる場合は「ファインダーがなく、チルトモニターである」という点を踏まえた上でお選びいただければと思います。

街のちょっとしたものでもPENで撮れば、かっこいい仕上がりになったりしますよ。
手ぶれ補正もしっかりしているので朝から晩まで、撮りたいものを気の向くままに撮影して楽しんでみてください！

2021.08.06 (ぴよこ)